PCR検査の歯科医師参加に備えて協定締結—神奈川県大和市

PCR検査の検体採取に歯科医師が参加するための備えとして、神奈川県の大和市歯科医師会(近藤清志会長)と市医師会(小林米幸会長)、市(大木哲市長)が1日に協定を締結した。同内容の協定は全国初。歯科医師会では、参加可能な会員を手上げ方式で抽出して、5月中旬にも研修を開始する方向で準備を進めている。

春の叙勲、歯科関係で65人が受章

令和2年春の叙勲の受章者が4月29日に発表され、少なくとも65人の歯科関係者が受章した。

歯科の受章者は、厚労省関係では旭日小綬章に茨城県歯科医師会会長の森永和男氏と元神奈川県歯科医師会会長の鈴木駿介氏、元長野県歯科医師会会長の滝澤隆氏、元奈良県歯科医師会会長の森口浩充氏、元香川県歯科医師会会長の山下喜世弘氏の5人、旭日双光章に日本歯科技工士会専務理事の杉井伸行氏、日本歯科用品商協同組合連合会副会長の小越敏氏ら29人、瑞宝双光章に長崎県開業の山村雄治氏で、計35人。

文科省関係では、瑞宝中綬章に九州歯科大学名誉教授の木村光孝氏と大阪大学名誉教授の栗栖浩二郎氏の2人、瑞宝小綬章に福岡歯科大学名誉教授の阿部公生氏、瑞宝双光章に学校歯科医の25人、計28人。 経産省関係では、旭日小綬章にタカラベルモント会長兼社長の吉川秀隆氏が受章。

総務省関係では、旭日単光章に東京歯科大学出身で元栃木市倭町北五自治会会長の落(※作字)合雅雄氏が受章している。

春の褒章、歯科関係で2人が受章

令和2年春の褒章で、高知県歯科医師会専務理事の野村圭介氏と京都府歯科技工士会会長の髙橋祥高氏が藍綬褒章を受章した。

日歯、歯科医のPCR検査関与で基本的考え方

日本歯科医師会(堀 憲郎会長)は1日、厚労省事務連絡「歯科医師による新型コロナウイルス感染症に関するPCR検査のための鼻咽頭拭い液の採取の実施について」に対する基本的考え方を示した。4月27日に—度公表していたが、改めて1日時点での考え方を「NEWS LETTER第6号」で発信した。

同報では、国民向けホームページのトップページに「ご注意ください 歯科医院でPCR検査は受けられません!」と掲載した旨も報告。歯科医院で検査を受けられるかどうかの問い合わせがあることを踏まえて、地域医師会等が運営するPCR検査センターに限定されていることなど理解を求めているとした。

なお、1日付の読売新聞や毎日新聞、全国地方紙に掲載した広告が見られるQRコードも記載している。

日歯、受診の自粛受け新聞広告で呼びかけ

日本歯科医師会(堀 憲郎会長)は1日、患者が自粛によって受診を控えている現状を踏まえて、歯科治療の緊急性は患者—人—人違うため、「まずはかかりつけ歯科医にご相談ください」と呼びかける新聞広告を読売新聞や毎日新聞、全国地方紙に掲載した。

なお、堀会長は4月30日、TBS「朝チャン」に出演し、「歯科にとっての不要不急はどこまでか」のテーマに対して、同様の内容について情報発信している。

PCR検査の歯科関与、研修は3時間程度

厚労省の医政局医事課と医政局歯科保健課は4月27日付で、「新型コロナウイルス感染症に関するPCR検査のための鼻腔•咽頭拭い液の採取の歯科医師による実施について」を事務連絡した。

具体的な研修については「鼻•口腔•咽頭部の解剖」「新型コロナウイルス感染症に関する基礎知識」「新型コロナウイルス感染症に対する感染管理の基本」「個人防護具の適切な着脱方法」「PCR検査の基礎知識」「検体採取方法の実際と検体採取時の留意事項(鼻出血への対応等)」の内容を含み、3時間程度としている

技工所業務改善検証事業の報告書まとまる

歯科技工士を取り巻く厳しい状況を解決するためには、労働環境の改善、業務の効率化が必要との観点から実施された「歯科技工所業務形態改善等調査に係る検証事業」の報告書が3月に取りまとめられた。

日本歯科技工士会(杉岡範明会長)のホームページで公開されているもので、「歯科技工所管理ソフトの導入」「教育研修の実施」「新たな機器の整備等」の効果検証結果について記されている。

日技が技工領域での感染対策公開

日本歯科技工士会は、日技認定講師の大西正和氏による「歯科技工領域での『新型コロナウイルス感染症』対策—自分を守る、職場を守る、そして歯科医療を守る」をホームページ上で公開している。歯科技工士には「市中感染」と「職業感染」の可能性があるとして、双方への備えを呼び掛けている

ジャック•マー氏がN95マスクを日医に30万枚寄贈

日本医師会(横倉義武会長)は1日、アリババ公益基金会とジャック•マー公益基金会の会長、ジャック•マー氏からN 95マスク30万枚と医療用防護服15万枚の寄贈があると発表した。二階俊博自民党幹事長に申し出があり、1日に二階幹事長と横倉会長の会談により決定した。

開業最年長でギネス認定•坂梨成次氏に聞く歯科医師人生

1923年にアメリカのシアトルに生まれ、5月に97歳を迎える現役歯科医師の坂梨成次氏。今年2月26日には開業最年長の歯科医師としてギネスに認定された。日本で最初に義歯安定剤「ファストン」を作るなど、さまざまな活躍をし、静かな住宅街で遠くからの患者にも親身に治療する坂梨氏に、69年にわたる歯科医師人生を語ってもらった。

社保の歯科は件数、点数とも増

社会保険診療報酬支払基金による令和元年12月診療分の総計確定件数は1億264万8千件、点数1,605億667万1千点で、前年同月に比べ件数は4.7%、点数は6.1%それぞれ増加した。

医療費全体に占める構成割合は、件数は前月から0.1ポイント下がって12.9%、点数は0.1ポイント下がって9.6%だった。

国保、歯科の市町村は金額が1.0%増加

国保中央会がまとめた令和元年12月診療分の総医療費は市町村国保と国保組合、後期高齢者を合わせて2兆3,630億円で、うち後期高齢者分は1兆4,489億円だった。

歯科医療費は市町村が600億円で、対前年同月比で1.0%増加。組合は48億円で4.6%増加。後期高齢者は566億円で7.5%増加した。

保団連、医科•歯科医療の確保求める

全国保険医団体連合会(住江憲勇会長)は1日、「国民の命と健康を守るため、医科•歯科医療供給体制の継続的確保対策を求める緊急要請」を安倍晋三内閣総理大臣、麻生太郎財務大臣、加藤勝信厚労大臣宛に発出した。

医療事故、「歯科口腔外科」の報告は2件

日本医療安全調査機構(髙久史麿理事長)の「医療事故調査•支援センター2019年報」によると、医療事故発生報告は計373件で、うち「歯科口腔外科」は2件だった。

医療事故の情報を第三者が収集•分析して再発防止につなげるための「医療事故調査制度」は、15年10月に始まり、19年12月までに累計8,304件の相談、1,607件の医療事故報告が行われている。

受動喫煙でも睡眠の質が低下

若い女性は、受動喫煙により睡眠の質が低下して睡眠時の歯ぎしりにつながる可能性がある—。岡山大学大学院医歯薬学総合研究科らの研究によるもの。 痛みや顎関節症を引き起こす睡眠時の歯ぎしりは、リスク因子として飲酒や逆流性食道炎、ドーパミン作動性障害、喫煙などが報告されている。 同研究成果は、オランダの学術誌『Sleep Medicine』オンライン版(2019年9月12日)に掲載されている。

歯周病原菌の細胞外分泌小胞、肝臓に移行して血糖値を上昇へ

歯周病原菌の放出する「細胞外分泌小胞」は、肝臓に移行して肝細胞の糖の取り込みを抑制し、血糖値を上昇させる—。岡山大学大学院医歯薬学総合研究科や中国医科大学らの国際共同研究グループが明らかにしたもの。

同研究成果は、科学雑誌『Biochimca et Biophysica  Acta-Molecular Basis of Disease』(1月1日)に掲載された。

⑰歯科の遠隔診療の可能性を探る

歯科医療における遠隔診療を巡る法制度や、経営面での課題などを話し合うオンラインセミナーが4月24日開催され、192人が登録、120人以上が参加した。発起人は齋藤朋愛氏(福井県開業)で、主催は日本遠隔医療学会•歯科遠隔医療分科会(長縄拓哉会長)。長縄氏のほか、デジタルハリウッド大学大学院客員教授で医師の加藤浩晃氏(元•厚生労働省室長補佐)、ノーブナイン代表で歯科医師の竹山旭氏(大阪府開業)、厚労省のオンライン診療に関する指針検討会の委員で弁護士の落合孝文氏(渥美坂井法律事務所)らが登壇した。

九大教授の石川氏に文科大臣表彰

九州大学の石川邦夫教授が「炭酸アパタイト骨補填材の開発」で令和2年度科学技術分野の文部科学大臣表彰(科学技術賞)を受賞した。日本の社会経済、国民生活の発展向上等に寄与し、画期的な研究開発•発明を行った者に贈られるもので、世界初の骨組成骨補填材の開発の功績が認められた。

東北デンタルショー開催中止

9月5、6の両日に仙台国際センターで開催予定だった「第28回東北デンタルショー」の中止が決まった。新型コロナウイルスの感染拡大の収束が見通せないため、来場者および関係者の健康•安全面を考慮した結果としている。同デンタルショー実行委員会が4月23日、関係者宛てに通知した。