「歯髄再生」が実用段階に 他院への技術支援なども検討—RD歯科クリニック

「究極の歯内療法」とも言われていた歯髄再生治療がついに実用化の段階に入った。元国立長寿医療研究センター研究所幹細胞再生医療研究部長の中島美砂子氏を院長とする「RD歯科クリニック」で行われるもので、智歯などの不用歯から得た歯髄幹細胞と薬剤を抜髄した歯に移植し、歯髄と周辺の象牙質を再生させる。再生医療等提供計画が厚労省に受理され、6月26日にクリニックを開設。すでに複数の患者から申し込みがあるという。さらに同治療を普及させるため、歯科医療機関を対象とした講習会•技術支援を検討しており、まずは地元の歯科医師会等と連携を図っていく構えを見せている。

会長に現職の杉岡氏—日技

日本歯科技工士会の任期満了に伴う役員選挙で、6月30日の第9回社員総会で開票が行われ、理事15人、監事2人が選ばれた。さらに総会後の理事会で、会長に現職の杉岡範明氏、専務理事に夏目克彦氏が就任した。

熊本豪雨 歯科医院14軒が床上浸水

熊本県南部を中心に大きな被害が出ている集中豪雨で、少なくとも同県内の14軒の歯科医療機関が床上浸水の被害を受けている。

選挙管理委員など3議案可決—日歯代議員会、書面での決議を採用

日本歯科医師会(堀憲郎会長)は6月30日、東京都千代田区の歯科医師会館で第193回定時代議員会を開いた。3月の臨時代議員会と同様に会議時間の短縮と議決権行使書を採用。書面で100人が、会場で37人が決議し、令和元年度貸借対照表等の承認や、裁定審議会委員指名、選挙管理委員会委員指名の全3議案が可決、承認された。両委員の任期は7月1日から4年6月30日まで。

⑤日歯•福祉共済制度加入者 死因最多は「がん」

日本歯科医師会の福祉共済制度加入者のうち、令和元年度に亡くなった692人の死因調査で、最も多かったのは「悪性新生物(がん)」230人の33.2%だった。

日歯代議員会•堀会長あいさつ(要旨)

今回の代議員会も前回に引き続き議決権行使書による変則的な開催となった。本来、リアルタイムで顔を合わせて討論すべき代議員会が連続して変則的になったこと、執行部としても忸怩たる思いを持っている。
今日は主として新型コロナウイルスに関するこれまでの対応と現状認識、これからの対応に触れてあいさつにかえたい。
1月半ばに国内最初の感染者が発表されて以来、半年近くが経過した。振り返って、世界全体の未来にとって多くの問題を突き付け、また、さまざまな変化を求め続けていると認識している。
大きな視点で言えば、各国の指導者は、疾病による生命の危機の回避、経済破綻による景気の回復という難しい問題を突き付けられた。二つの対応が両立し難い側面を持つため大きなジレンマに陥ったのではないか。この課題に向き合うことはこれまでの人間の価値観を変容させ、普遍的であるべき倫理観を揺るがしたと受け止めている。
新型コロナウイルスは、今後の展開にも多くの不安要素がある。さらに、これまで講じてきた対策も、今後の歴史の評価に委ねるべきものが少なくない。半年間、世界の払った犠牲と悲しみは計り知れないものがある。—日も早くこの危機を克服し、人類の次の世代に託せる状況を作ることがわれわれの世代の責任であり、急務だと認識している。
われわれは今こそ、しっかりと将来に目を向け、逆にこの危機をこれまで歯科界が目指し、議論を深めてきた歯科医療の将来構造をダイナミックに展開する契機になると前向きに捉え、歯科界—丸となって責任を果たしていきたい。
近年、われわれが培ってきたオールデンタルを合言葉に、わが国や世界の新しい日常で、国民の健康と生活を守る歯科医療の姿を明確に示し、貢献していきたい。
代議員、会員、多くの歯科医療関係者にさらなる団結を求めたい。

歯科受診促進で8,000万円—山梨県、新型コロナ対応の補正予算に

山梨県は、新型コロナウイルス対応歯科診療受診促進事業費として7,937万8千円を計上した。6月26日の定例県議会本会議で提出された令和2年度6月追加補正予算に含まれたもので、歯科関係では他に高齢者口腔機能低下予防啓発事業費として233万1,000円が計上された。

新執行部の職務分担を公表—日医

日本医師会(中川俊男会長)は1日、定例記者会見で新執行部の職務分担を公表した。
中川会長は、職務分担について前執行部の機能をベースに「リニューアル」「ブラッシュアップ」「パワーアップ」の三つの視点を考慮したと説明。会長選の公約としていた医療機関の経営支援については、7日の理事会で松本吉郎常任理事を担当役員とすることを諮ると明かした。

令和2年2月の歯科医療費 社保•件数は4.9%増、点数は5.4%増

社会保険診療報酬支払基金による令和2年2月診療分の総計確定件数は9,864万5千件、点数1,527億847万4,000点で前年同月に比べ件数は3.0%増加し、点数は5.1%増加した。

歯科の件数は1,256万件、点数は146億6,275万8,000点で、前年同月に比べ件数は4.9%、点数は5.4%それぞれ増加。

令和2年2月の歯科医療費 国保 市町村は金額4.0%の減少語

国保中央会がまとめた令和2年2月診療分の総医療費は市町村国保と国保組合、後期高齢者を合わせて2兆2,120億円で、うち後期高齢者分は1兆3,574億円だった。

歯科医療費は市町村が552億円で、対前年同月比で4.0%減少。組合は45億円で0.6%増加。後期高齢者は520億円で2.9%増加した。

4府県歯で中吊り広告「マスクの下  大丈夫?」

兵庫、大阪、京都、滋賀の4府県歯科医師会が合同で、JR西日本の電車中吊り広告を10日から13日まで掲載する。兵庫県歯科医師会の代議員会で報告があった。

PCR検査等で執行部に質疑—日歯•予算決算特別委員会

日本歯科医師会は、PCR検査の検体が唾液になっても、地域外来•検査センターでの役割は変わらないとの認識の下で、「感染症のスクリーニングにも唾液検査が有効となれば、歯科にとって意義が大きいものと前向きに捉えている」との考えを示した。日歯の予算決算特別委員会(安岡良介委員長)からの質疑に答えたもので、第193回定時代議員会で報告があった。