新型コロナ感染の歯科医師による診療 患者等61人はすべて陰性

新型コロナウイルスに感染した歯科医師の診た患者等が、PCR検査で現在のところ全員陰性となっている件で、歯科診療の感染面での安全性を証明する事例となる可能性として注目が集まっている。

千葉県の亀田クリニック歯科センターの報告書(第4報•8月3日)によると、7月20日、同センターの歯科医師の新型コロナウイルス感染を確認。19日に症状が出現してからは勤務していないが、17、18の両日に診療しており、患者等の濃厚接触者は61人に上った。

濃厚接触者のうち21日に49人、22日に12人がPCR検査を受けて、全員の陰性が確認されている。7月31日、8月1日には、61人に連絡し、14日間の健康観察期間中に新型コロナウイルス感染症を疑う症状が出ていないことも確認済みとのこと。

5専門医から認証—日本歯科専門医機構

日本歯科専門医機構(今井裕理事長)は、既に厚労省から広告可能とされている歯科の5専門医(口腔外科、歯周病、歯科麻酔、小児歯科、歯科放射線)の専門医制度の評価•認証を10月をめどに進めている。6日にウェブ上で開いた記者会見で報告したもので、今井理事長は「可能であれば『インプラント』と『矯正』についても、今年度中にコンセンサスを得て、認証のステップに入りたい」との考えを示した。

日本での歯科領域の専門性の資格は、1973年に日本口腔外科学会が設けた認定医制度を皮切りに、2018年には日本歯科医学会の43分科会中、37学会がそれぞれ独自の制度を設けている。18年に発足した同機構は、数多くある専門医制度を客観的に評価し、「国民に信頼され、受診先の選択に際し良い指標となる」等の観点から認証していく。

専門医の診療領域は、大学の講座(分野)等に準じたものを基本とし、現在、広告可能な5専門医の他、「歯科保存(仮称)」「補綴歯科(仮称)」「矯正歯科(仮称)」「インプラント歯科(仮称)」「総合歯科診療(仮称)」を視野に検討を進めている。

辻さんとピカチュウが歯磨きをPR

4児のママでタレントの辻希美さんとピカチュウが「オーラルB 夏休みスマイルはみがき」プロジェクトのキックオフイベントに登場した。同プロジェクトは子供が楽しく歯磨きについて学べるよう、プロクター•アンド•ギャンブル•ジャパン(= P&G、本社•神戸市、スタニスラブ•ベセラ社長)が実施するもの。

介護保険事業計画で要望書—九地連協議会

令和2年度第1回九州地区連合歯科医師会(九地連)協議会が1日、初のウェブ会議形式で開かれた。協議では、令和3~5年の第8期介護保険事業計画に新たに加わる災害•感染症対策の中に、「口腔ケア用品の備蓄」や「施設職員への口腔ケアの研修」を盛り込む等の対応を求める要望書を、日本歯科医師会に提出することが確認された。

冒頭あいさつした九地連の大山茂会長は、7月豪雨による死者に哀悼の意を示すとともに、被災会員の—日も早い診療再開を願った。また、新型コロナウイルスでは、「完全に先の見えない状況となったが、皆で知恵を出し合って、何とか会員全員が乗り越えて新しい時代に進んでいけたらと思う」と述べた。

当番県あいさつした長崎県歯の宮口嚴会長は、骨太の方針2020を高く評価した上で、「期待に応え、新たな日常で感染防止対策としての口腔健康管理を新しい重要なかかりつけ歯科医機能として責任を果たしていく必要がある」との考えを話した。

新たな感染症を踏まえ歯科診療ガイドライン作成—日歯

日本歯科医師会(堀憲郎会長)は6日、ホームページ上で「新たな感染症を踏まえた歯科診療ガイドライン」と「院内における新型コロナウイルス感染症対策チェックリスト」を公表した。

ガイドラインは、「新型コロナウイルスの基本知識」「歯科医療機関における感染予防策」「チェックリスト」「認証の仕組み」について掲載している。

歯科衛生士支援でLINEを活用—石川県歯

石川県歯科医師会(飯利邦洋会長)は、休職•離職中および就業中の歯科衛生士を支援するためのLINE公式アカウントを開設した。4日にプレスリリースで公表したもので、アカウント名は「歯科衛生士応援ひろば@石川県歯科医師会」。

国保4月診療分 歯科医療費は市町村で19.8%減

国保中央会がまとめた令和2年4月診療分の歯科医療費は市町村が490億円で、対前年同月比で19.8%減少。組合は40億円で15.3%減少。後期高齢者は454億円で17.2%減少した。

件数は市町村が344万件で27.4%減。組合は29万件で23.9%減。後期高齢者は295万件で23.3%減となっている。

杉岡日技会長が所信表明 「環境整備」などに注力

日本歯科技工士会の杉岡範明会長は、会長再任に伴う所信表明で、今年度の事業計画として「第2次中長期総合計画の検討」「公益社団法人としての円滑な会務運営」「歯科技工士の環境整備に向けた取り組み」の三つについて注力していく方針を示している。

感染症対策•同時受診患者の制限 歯科86%、医科23%

院内の感染症対策で「全スタッフのマスク着用」や「消毒徹底•強化」は医科と歯科ともに9割以上が実施しているが、「同時受診患者の制限」は歯科86.0%に対して、医科が23.1%、「予約制の導入」は歯科74.0%、医科34.6%など違いが顕著な取り組みも見られる。総合医療情報サイト「ドクターズ•ファイル」を運営するギミック(本社•東京渋谷区、横嶋大輔代表)が医科と歯科の開業医119人に実施したインターネットの調査結果によるもの。

がん悪化抑えるタンパク質—医科歯科大らが開発

 がんの悪性因子「トランスフォーミング増殖因子β(TGF—β)」の全てのアイソフォームを抑制する新規タンパク質を、東京医科歯科大学らが開発した。将来的には口腔がんや神経膠芽腫のがん微小環境ネットワークシグナルを標的とした新たな治療法への応用が期待される。国際科学誌『Journal of  Biological Chemistry』オンライン版(7月6日)に発表され、優れた論文に与えられる「Editors’ Picks」に選ばれた。

水田祥代氏が理事長に再任—福岡学園

福岡歯科大学をはじめ、福岡看護大学、福岡医療短期大学、医科歯科総合病院、介護老人保健施設を有する福岡学園の理事長に水田祥代氏が再任した。3日の理事会で決定したもので、任期は同日から2023年8月2日までの3年間。

平均寿命 男性81.41歳、女性87.45歳

男性の平均寿命は81.41歳、女性は87.45歳で前年よりそれぞれ0.16、0.13歳上回った。将来どの死因で死亡するかを算出した「死因別死亡確率」の0歳時では、男女とも