日本歯科新聞 | 2020年11月17日付
口腔がん早期発見 AIの研究加速—阪大らが社会実装目指す
AIモデルの社会実装により、口腔がんを含む口腔粘膜疾患の早期発見に活用しようとする動きが加速している。大阪大学大学院歯学研究科の平岡慎—郎助教らが進めてきた研究に、リアルタイム画像処理に特化したGPUを専門とするNVIDIAが加わり、AIモデルの精度の向上や診断の高速化などを目指す。平岡助教は「口腔粘膜疾患の領域で、このような高精度のAIモデルは前例がなく、社会実装により、世界中の口腔粘膜疾患の早期発見、早期診断への貢献が期待できる」と述べている。同社が12日に共同研究契約の締結を発表したもの。
歯科保健事業功労者厚生労働大臣表彰 58人と4団体が受賞
厚労省は6日、長年歯科保健事業に携わり、地域の公衆衛生の向上等で功績のあった個人·団体を対象とした「令和2年度歯科保健事業功労者厚生労働大臣表彰」の被表彰者58人と4団体を公表した。
めるると要さんが口腔洗浄機をピーアール
俳優の要潤さんとモデルでタレントの生見愛瑠さん(愛称&58;めるる)が4日、ヤーマン(本社·東京都江東区、山﨑貴三代表)が正規代理店として今月から発売するアメリカ製口腔洗浄機「Waterpik(ウォーターピック)」のオンライン発表会に登場―。
ウェブCMに起用された要さんはきれいな歯の秘訣についての質問に「小さいころに母から『歯も大事だけど、歯茎まで磨きなさい』と言われ、今も続けている」とコメント。発表会にゲストで呼ばれためるるさんは「すっきりするし、気合いも入るので、1日に7~8回磨いています」と話した。
後期高齢者の窓口負担で負担能力の慎重な確認求める—林日歯常務
社会保障審議会の第133回医療保険部会が12日に開かれ、「医療保険制度における新型コロナウイルス感染症の影響」や「医療保険制度改革」「国民健康保険の保険料(税)の賦課(課税)限度額」「オンライン資格確認等システムの進捗状況」などを議論した。日本歯科医師会の林正純常務理事は、後期高齢者の患者負担の在り方について、応能負担の議論に理解を示す—方で、負担能力の判断基準については慎重な確認を求めた。
オンライン資格確認 カードリーダーの歯科の申請14.4%
そ来年3月にスタートするオンライン資格確認システムで、11月8日時点で顔認証付きカードリーダーを申し込んでいる歯科診療所数は1万212施設で全体の14.4%となっている。
改定の結果検証の調査票案を承認 新型コロナの影響把握する質問設置
中医協の第468回総会が11日にオンライン上で行われ、令和2年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査の調査票案が承認された。「在宅医療と訪問看護に係る評価等に関する実施状況調査」の歯科医療機関への調査票では、在宅療養支援歯科診療所の届出を行っていない理由を尋ねる質問や、外来と訪問診療の患者数の前年比、小児栄養サポートチーム等連携加算の算定状況などの質問が設置されている。
介護報酬改定議論「ICTでの食事観察に期待」—小玉日歯常務理事
社会保障審議会の第192回介護給付費分科会が9日、オンライン上で開かれ、令和3年度介護報酬改定に向けて「感染症や災害への対応力強化」「介護人材の確保·介護現場の革新」「制度の安定性·持続可能性の確保」について議論した。日本歯科医師会の小玉剛常務理事は、サービスの質の向上や職員の職場定着に資する取り組みの検討の方向案として、ロボット·センサー·ICTの活用が挙げられている点に触れ、食事の動作や摂食嚥下の状態、環境の確認などの情報を共有できる食事観察への応用などに期待を示した。
訃報 河野博之氏—元福岡県歯会長
元福岡県歯科医師会会長で元日本歯科医師会常務理事の河野博之氏が7日、死去した。87歳。同氏は1933年生まれ。九州歯科大学卒業。日本歯科医師会では、91年4月から97年3月まで常務理事、福岡県歯科医師会では99年4月から2002年3月まで会長と務めていた。
オンライン資格確認等で細かい情報求める—遠藤日歯副会長
「第5回健康·医療·介護情報利活用検討会」および「第4回医療等情報利活用WG」が6日、東京都千代田区のTKP新橋カンファレンスセンターとオンライン上で開かれた。全国で医療情報を確認できる仕組みや、電子処方箋の仕組み、患者が自身の保険医療情報を活用できる仕組みについて議論。日本歯科医師会の遠藤秀樹副会長は、仕組みづくりの前提となるオンライン資格確認システムやマイナンバーカードの利用に関する情報不足を指摘し、細かい情報提供を求めた。
日歯連盟が初の政治セミナー 次期参議院選で「45万票が目標」—高橋会長
日本歯科医師連盟(高橋英登会長)は12、13の両日、東京都千代田区のホテルメトロポリタンエドモントで政治論と選挙論を学ぶ第1回政治セミナーを開いた。「『主張』を『実現』させる組織になる」「確実に票読みができる体制を整え、各種選挙に確実に当選させ得る強い·勝つ組織になる」をコンセプトとしたもの。閉会式のあいさつで高橋会長は、充実した2日間だったことを振り返り、山田宏参議院議員を組織代表候補者として臨む次期参議院選挙に向けて、45万票が目標との考えを示した。
「無床医療機関の支援」要望—自民党の歯科勉強会
自民党の歯科口腔医療勉強会(岸信夫顧問 山田宏座長)は9日、加藤勝信内閣官房長官に「新型コロナウイルス感染症の影響を受けている無床医療機関への支援に関する要望書」を手渡した。
エナメル質の形成に関する受容体を特定—東北大
これまで機能の不明だった受容体「Gpr115」が、エナメル質の形成に関与し、歯の石灰化機構を制御している。東北大学大学院歯学研究科小児発達歯科学分野の千葉雄太助教、福本敏教授らのグループが米国国立衛生研究所との共同研究で明らかにしたもの。同受容体の機能の発見で、歯の再生の培養歯胚の石灰化促進法探索の手掛かりとなることや、薬剤開発などに期待がかかる。
同研究成果は、米国科学誌『The Journal of Biological Chemistry』(11月6日)に掲載された。
鳥取県知事表彰「優れた技能者」に技工士初の倉繁氏
令和2年度「優れた技能者」鳥取県知事表彰に歯科技工士の倉繁由紀男氏、67歳が選ばれた。10日、表彰式が県庁議会棟の特別会議室で行われた。
今回の「優れた技能者」の表彰者は倉繁氏ただ—人。同表彰は、労働者の職業の安定、社会的地位の向上を図るため、地方発の技術を評価し、全国に発信するとともに、後進の育成、模範となる者に対して行われる。倉繁氏は歯科技工士としての初の表彰となった。
創立130年で記念誌を発刊—東歯大
東京歯科大学(井出吉信理事長·学長)が、創立130周年記念誌「新時代の大学像を求めて·改革の10年」を発刊した。
来年の展示会を計画—CP協会
日本歯科コンピュータ協会(山中—剛会長)は12日、第25回定期総会をオンライン会議形式で開いた。新役員の選任や来年6月19、20日のデジタルコミュニケーションフェアの開催計画などが承認された。
東証PROに上場—北海道歯科産業
北海道歯科産業(本社·札幌市、山田哲哉社長)は16日、東京証券取引所が運営するプロ投資家向けの株式市場「TOKYO PRO Market」に新規上場した。