脱着を想定した接着剤 光照射で接着力が6割低下—医科歯科大

紫外光照射で接着力が低下する歯科用接着剤が新たに開発された。東京医科歯科大学の研究グループによるもので、治療後に不要になった材料を脱離する際や、脱着に伴う歯質の損傷の軽減につながる研究として期待がかかる。国際科学誌『ACS Applied Polymer Materials(エーシーエス アプライドポリマーマテリアルズ)』オンライン版(11月25日)で発表された。

薬価調査で歯科用薬剤の乖離率はマイナス0.3%

厚労省は、令和2年医薬品価格調査(薬価調査)の速報値を2日の中医協薬価専門部会で報告した。薬価と市場での取引価格との開きを示す平均乖離率は約8.0%で、歯科用薬剤の乖離率はマイナス0.3%となっている。支払い側委員は、平均乖離率等の数値が例年並みとして、平時の改定ルールに基づく改定の議論をすべきとする—方で、診療側委員は新型コロナウイルス感染症により医療崩壊が起きつつある中、医療提供体制を崩壊させないような慎重議論を求めた。

令和2年8月の歯科医療費  社保は件数5.2%減 点数2.1%増

社会保険診療報酬支払基金による令和2年8月診療分の総計確定件数は8,453万2千件、点数は1,465億7,865万5千点で、前年同月に比べ件数は7.3%、点数は2.9%それぞれ減少した。歯科の件数は1,222万8千件、点数は149億1,693万4千点で、前年同月に比べ件数は5.2%減少、点数は2.1%増加した。

令和2年8月の歯科医療費  国保は市町村524億円、10%の減少

国保中央会がまとめた令和2年8月診療分の総医療費は市町村国保と国保組合、後期高齢者を合わせて2兆1,900億円で、うち後期高齢者分は1兆3,478億円だった。歯科医療費は市町村が524億円で、対前年同月比で1.0%減少。組合は45億円で0.9%増加。後期高齢者は473億円で0.9%減少した。

口腔がんの「腫瘍間質」が悪性度や浸潤などを制御—岡山大らが解明

通常は口腔がんの手助けをする「腫瘍間質」が、口腔がんの悪性度や浸潤などの性格を制御していることが判明した。岡山大学大学院医歯薬学総合研究科の長塚仁教授、高畠清文助教らの研究によるもので、スイスの学術誌『International Journal of Molecular Sciences』(10月18日)のResearch Articleとして掲載された。

パノラマとCBCT 根管形態分類—致率は85%

 愛知学院大学歯学部放射線学講座の船越琢磨氏らは、1,058本の下顎第二大臼歯の形状をパノラマレントゲンとCBCTの画像で比較し、両者に高い関連性があることを解明した。

後期高齢者患者負担で慎重な対応要望—国民医療推進協

医療関係を中心に41団体で構成する「国民医療推進協議会」(中川俊男会長)は2日、第15回総会を開き、後期高齢者の患者負担割合について慎重に対応するよう求める決議を採択した。

介護報酬改定関連で運営基準の改定案など議論

社会保障審議会の第195回介護給付費分科会が2日、オンライン上で開かれた。令和3年度介護報酬改定に向けて、「運営基準の改正等の概要」と、各サービスの提供に当たって遵守を求める「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等の改正等に関する事項について」の案が示された。事項案の施設系サービス共通では、「口腔衛生管理の強化」が盛り込まれ、日本歯科医師会の小玉剛常務理事は、できるだけ早期に全ての施設で口腔衛生管理の体制が整うように施設関係者と連携を進めたいとの考えを示した

医療制度改革の議論の整理案を厚労省が提示

社会保障審議会の第136回医療保険部会が2日、東京都千代田区の全国都市会館で開かれ、医療制度改革についてのこれまでの「議論の整理(案)」が示された。「全ての世代の安心の構築のための給付と負担の見直し」「医療機関の機能分化·連携等」「生涯現役で活躍できる社会づくりの推進(予防·健康づくりの強化)」を柱にまとめられており、現在審議の途中の「後期高齢者の窓口負担割合の在り方」「不妊治療の保険適用」「大病院への患者集中を防ぎかかりつけ医機能の強化を図るための定額負担の拡大」については「調整中」となっている。

大病院受診時の定額負担拡大で林日歯常務が地域の実情への配慮求める

社会保障審議会の第135回医療保険部会が11月26日、東京都千代田区の全国都市会館で開かれ、後期高齢者の窓口負担や大病院の受診時定額負担の拡大など医療保険制度について議論した。日本歯科医師会の林正純常務理事は、改めて後期高齢者の負担能力の判断基準について慎重な検討を求めるとともに、大病院の定額負担拡大では、地域の実情に合わせた運用、柔軟な対応を求めた。