日本歯科新聞 | 2021年8月31日付
歯髄再生治療 "処置歯"にも可能に—3歯科医院で開始
これまで神経を失った治療中の歯のみ対象だった「歯髄再生治療」が、過去に治療を終えた抜髄治療済みの歯(根管治療後の歯)に対しても可能になり、すでに市中の3歯科医院で開始している—。元国立長寿医療研究センター研究所幹細胞再生医療研究部長の中島美砂子氏を院長とする「RD歯科クリニック」が厚労省に提出した新たな再生医療等提供計画等が受理され、歯髄再生治療における適応症例の範囲拡大が認められた。
令和4年度概算要求歯科保健医療施策「歯科医療提供体制構築推進事業」に4億円計上
厚生労働省医政局歯科保健課は26日、令和4年度概算要求の歯科保健医療施策の概要を発表した。新規の要求はないものの、拡充·一部拡充した項目では、「8020運動·口腔保健推進事業」に7億6,358万7千円、「歯科医療提供体制構築推進事業」に4億1,456万4千円、「歯科衛生士の人材確保推進事業」に2億1,013万8千円、「歯科技工士の人材確保対策事業」に3,489万5千円などを求めている。特に「歯科医療提供体制構築推進事業」は昨年度予算額1,507万3千円から27.5倍となっている。
比嘉奈津美氏が繰り上げ当選か—日歯連盟会見で高橋会長が言及
第25回参議院選挙において次点で落選した比嘉奈津美氏が、繰り上げ当選する見込みとなっている。26日に東京都千代田区の歯科医師会館で開かれた日本歯科医師連盟の理事会後の記者会見で高橋英登会長が明らかにした。
歯科大学·歯学部附属病院の診療実績 4、5月で落ち込み顕著—日歯調べ
歯科大学·歯学部附属病院の診療実績で、年間を通じて外来患者および入院患者、手術件数は減少し、歯科診療所と同様に4月、5月の落ち込みが大きい。日本歯科医師会の「院内感染対策費調査(歯科大学·歯学部附属病院)」によるもので、25日の定例記者会見で柳川忠廣副会長が報告した。
豪雨災害受け対策本部を設置—日歯
日本歯科医師会の定例記者会見が25日、オンライン上で開かれ、堀憲郎会長は8月の豪雨災害を受けて14日に災害対策本部を立ち上げたことを報告した。
歯科医師による新型コロナワクチン接種者数はのべ72万人超に
新型コロナウイルスワクチン接種に打ち手として参加した歯科医師は5~7月の3カ月で延べ1万2,727人に上り、接種対象数は72万1,471人となっている。日本歯科医師会の25日の定例記者会見で柳川忠廣副会長が報告した。
職域接種に歯科医参加—愛知県半田市
愛知県半田市の半田商工会議所の会員事業所の従業員約1万人を対象にした職域接種が7月から始まり、8月11日からは県内で初めて歯科医師が協力している。半田商工会議所と半田市医師会、同会健康管理センターが連携して実施するもので、医師、歯科医師、臨床検査技師、看護師の多職種での協力体制は全国初の試みという。
次期改定で在宅歯科を議論—中医協
中医協の第486回総会が25日、オンライン上で開かれた。次期診療報酬改定に向けた在宅医療、入院に関する初の議論が行われ、在宅歯科医療についても取り上げられた。日本歯科医師会常務理事の林正純委員は、通院困難な患者への歯科医療提供体制をどのように構築するかが非常に重要な課題との認識を示し、ICT等の活用、工夫によって、これまで訪問診療をしていない診療所が少しでも取り組みやすくなるような仕組みづくりを要望した。
コロナ禍での訪問歯科診療「感染者への実施体制を」—日歯大·田村氏
デルタ株のまん延など、新型コロナウイルス感染拡大の状況が変わってきている中で、感染者にも積極的に訪問歯科診療を行う体制に切り替えないといけないのではないか—。25日の中医協総会の在宅歯科診療の議論の中で、日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック口腔リハビリテーション科教授の田村文誉専門委員が意見を述べた。
選定療養に導入すべき事例等 歯科の提案·意見57件—中医協
選定療養に導入すべき事例に関して寄せられた提案·意見(速報)が、25日にオンライン上で開かれた中医協総会で報告された。計109件のうち歯科は57件で、「歯科口腔内デジタル印象」や「成長期におけるスポーツの際に装着するマウスガード」「小児期における舌圧検査、咀嚼能力検査」など新たに追加する提案は25件あった。今後、事務局で整理した上で、随時検討していく。
概算要求の総額33兆9,450億円—厚労省
厚労省は26日、総額33兆9,450億円の令和4年度予算の概算要求を発表した。過去最高で前年度の当初予算に比べて8,070億円の増額で、年金·医療等の経費は31兆7,791億円と6,738億円増。高齢化等に伴う増加額は6,600億円としている。また、診療報酬·薬価改定への対応、コロナ対策のうち事項要求のものについては、予算編成過程での検討となる。
SCRP日本選抜 岡大4年の棚井さんが優勝
全国の歯科大学·歯学部の学生が研究成果やプレゼンテーション能力を競う令和3年度「スチューデント·クリニシャン·リサーチ·プログラム(SCRP)」日本代表選抜大会で、岡山大学歯学部4年生の棚井あいりさんが優勝した。棚井さんの研究テーマは「歯周病と胎児の成長障害:Porphyromonas gingivalisはマクロファージの細胞外小胞を介して胎盤の血管形成を阻害する」で、来年3月に米国ジョージア州アトランタ市で開かれる予定の国際歯科研究学会米国部会(AADR)学術大会で日本代表として発表する。
歯周炎の局所治療がNASH病態進行を抑制—広大研究チーム
歯周炎の局所治療が、非アルコール性脂肪性肝炎(non-alcoholic steatohepatitis、以下NASH)の病態進行を抑制する。広島大学大学院医系科学研究科口腔顎顔面病理病態学研究室の宮内睦美教授、高田隆名誉教授、長﨑敦洋大学院生(現東北大学病院助教)らの研究チームが明らかにした。
サルコペニアや糖尿病リスクに歯数·咀嚼機能が関連
高齢期の残存歯数、咀嚼機能がサルコペニア、糖尿病のリスクと関連することが、島根県邑南町における635人を対象にした調査で明らかになった。島根大学の地域包括ケア教育研究センターによる島根CoHRE研究の一環として行われたもの。
唾液PCR検査で無症状者は低感度
唾液を検体にしたSARS—CoV2のPCR検査について、感染初期の有症状者における検出には感度が高いが、無症状者では感度が低くなる傾向があり、唾液によるPCR検査を無症候性のCOVID—19のスクリーニングに使用するのは難しい。
ロサンゼルス·小児科病院感染症部門の医師、Zion Congrave—Wilson氏らが、8月13日発行の『JAMA』に論文掲載したもの。
クワバラを吸収合併—ヘンリーシャインジャパンイースト
ヘンリーシャインジャパンイースト(=HSJEast、本社·東京都台東区、加藤大慶社長)は、グループ会社で北陸地区を担当するクワバラ(本社·新潟県、加藤泰社長)を9月21日付で吸収合併する。これにより、経営資源の統合と効率化を図る。質の高いサービスの拡充で、より地域に密着した企業を目指すという。