日本歯科新聞 | 2021年10月5日付
10月から「感染症対策実施加算」は廃止 「乳幼児感染予防策加算」は28点に減算
10月1日から「歯科外来等感染症対策実施加算」5点は算定できなくなり、55点だった「乳幼児感染予防策加算(歯科)」は来年3月診療分まで28点となる。一方で、9月28日から新型コロナウイルス感染症患者に対する歯科治療は、「新型コロナ歯科治療加算」298点に加えて、医療管理や訪問診療、呼吸管理を行う患者の口腔粘膜処置などケースに応じて診療報酬上の評価が拡充される。
補助金対応などは評価—コロナ対策への支援で日歯の堀会長
日本歯科医師会の堀憲郎会長は、新型コロナウイルス感染症に関する医療機関への支援について、「歯科外来等感染症対策実施加算」の継続が実現しなかった点は残念とする一方、補助金での対応、コロナ感染者への診療報酬上の対応を拡充する措置に対しては評価し、関係各所に感謝の意を示した。9月30日にオンラインで開かれた定例記者会見で見解を述べた。
小学校で出前授業—日歯
日本歯科医師会(堀憲郎会長)は9月15日、東京都多摩市の私立帝京大学小学校で、石膏を使った指の型取りをする体験学習を通して、歯科医師や歯科衛生士、歯科技工士の仕事の魅力を伝える出前授業を行った。
歯科医2人に行政処分
厚労省は9月24日、同日開催の医道審議会医道分科会の答申を踏まえ、医師5人、歯科医師2人の行政処分を発表した。
歯科は「無免許過失運転致傷、道路交通法違反、器物損壊、建造物損壊」で歯科医業停止1年9カ月が1人、「傷害」で戒告が1人だった。処分に至らなかったが、医師5人、歯科医師2人が厳重注意となっている。行政処分の効力は10月8日から。
新型コロナワクチン接種 打ち手歯科医師は累計1万9,299人に
8月に新型コロナウイルスワクチン接種の打ち手となった歯科医師は延べ6,109人で、35万9,949回の接種を行っている。9月30日にオンラインで開かれた日本歯科医師会の定例記者会見で柳川忠廣副会長が報告したもので、5月からの累計はそれぞれ、1万9,299人、110万420回となる。
FDI総会 公衆衛生委員に小川祐司氏が当選
2021年FDI世界歯科大会が9月26日から29日まで、オンライン上で行われた。事務会議や総会はスイス·ジュネーブから、学術プログラムはシドニーの国際大会センターから配信された。総会では、会長職の引き継ぎや理事会役員選挙、常設委員会委員選挙が行われ、日本からは理事に立候補した平野裕之氏と歯科開業委員に立候補した岩崎万喜子氏は落選したものの、公衆衛生委員に小川祐司氏が当選。30日の日本歯科医師会定例記者会見で尾松素樹常務理事が報告したもの。
今年度も「無料歯科健診事業」—山梨県
山梨県の長崎幸太郎知事は、昨年度に県の委託事業で実施した「無料歯科健診事業」が、感染症予防に一定の効果があったとして、今年度も実施することを明かし、歯科医師会とさらに連携を強めていく構えを見せた。9月27日の山梨県議会で水岸富美男議員の代表質問に答えたもの。
リモートワークと共同開設から議論—歯科技工士の業務のあり方等に関する検討会
厚労省の第1回「歯科技工士の業務のあり方等に関する検討会」が9月30日、オンライン上で開かれ、座長に昭和大学客員教授の赤川安正氏が選出された。1回目となる検討会では、開催要綱の確認や、歯科技工士を取り巻く状況の確認、リモートワークについての議論が行われた。
令和3年6月の歯科医療費··社保 件数11.9%増、点数8.0%増
社会保険診療報酬支払基金による令和3年6月診療分の歯科の件数は1,347万1千件、点数は167億259万2千点で、前年同月に比べ件数は11.9%、点数は8.0%それぞれ増加した。
令和3年6月の歯科医療費·国保 市町村の金額3.4%増加
国保中央会がまとめた令和3年6月診療分の歯科医療費は市町村が619億円で、対前年同月比で3.4%増加。組合は51億円で7.5%増加。後期高齢者は555億円で2.5%増加した。
「介護報酬改定検証歯科の委員参加を」—社保審分科会で日歯
社会保障審議会の第203回介護給付費分科会が9月27日、オンライン上で開かれ、令和3年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和3年度調査)の調査票等について議論した。日本歯科医師会常務理事の小玉剛委員は、「LIFEの活用可能性の検証に関する調査研究一式の調査検討組織」の委員案に歯科関係者がいない点について、歯科関係団体からも委員を参画させて欲しいと要望。厚労省からは、歯科関係団体からも委員を加える方向で相談したい旨の回答があった。
積極的な安全対策学ぶ—スポーツ歯科医学会第32回学術大会
日本スポーツ歯科医学会(安井利一理事長)は、第32回総会·学術大会(木本一成大会長)を単独プログラムとして9月21、22の両日にハイブリッド開催で、第24回日本歯科医学会学術大会との併催プログラムとして23~25日の3日間にオンラインで開催した。
新しい日常支える口腔健康管理に焦点—日本歯科衛生学会学術大会
新しい日常を支える口腔健康管理」をテーマに日本歯科衛生学会(吉田幸恵学会長)の第16回学術大会(晴山婦美子大会長)が9月18日から30日までウェブ上で開かれた。
クラリスロマイシンが肺炎球菌の毒素放出を抑制
マクロライド系抗菌薬のクラリスロマイシンは、肺炎球菌の毒素放出を抑制し、肺炎の重症化を予防する—。新潟大学大学院の土門久哲准教授と寺尾豊教授らの研究チームが明らかにした。
口腔悪性黒色腫の浸潤 骨形成因子が関与
骨内の骨形成因子(BMP)が、口腔悪性黒色腫を骨に浸潤しやすい形質にする—。九州大学大学院歯学研究院の自見英治郎教授、森悦秀教授、清島保教授らの研究グループが明らかにした。
新たな代用発声装置を開発—医科歯科大の戸原教授ら
がん手術などで発声機能を失った人のための新たな代用発声デバイスを、東京医科歯科大学大学院摂食嚥下リハビリテーション学分野の戸原玄教授と、同大学院生の山田大志氏らが開発した。従来の方法よりも簡単に使える上、音程を変えたり、手術前の自分の声を活用できたりと応用範囲の広さが特徴。
古人骨と歯石DNAから解析 江戸時代の人も歯周病に罹患か
江戸時代の人は、現代日本人の口腔内細菌叢と異なるものの、歯周病に罹患していた―。東京医科歯科大学大学院や総合研究大学大学院らの研究グループが明らかにした。
お寺で「健康」を考える—健康医療学会学術大会
「健康とは何かを考える—放射線と健康」をテーマに日本健康医療学会(佐藤元彦理事長)は、第13回総会·学術大会(徳植公一会長)を9月26日、神奈川県鎌倉市の建長寺で開催した。
東京医科歯科大学病院に医学部と歯学部の附属病院を一体化
東京医科歯科大学の医学部附属病院と歯学部附属病院が1日から一体化して東京医科歯科大学病院となった。病院長には旧医学部附属病院長の内田信一氏が、首席副病院長には旧歯学部附属病院長の水口俊介氏が就任する。
タカラベルモント創業100周年 吉川社長に今後の抱負聞く
「インフォームドコンセント」の考え方をいち早く取り入れた歯科用ユニットを提案してきたタカラベルモントは、今年10月5日に創業100周年を迎えた。患者の座りやすさや正面からの診療を可能にした「前折れチェア」や患者と術者の動線を分けた「動線分離」の医院レイアウトなど、現在の歯科医院の「当たり前」をいち早く市場に打ち出したのも同社だ。「これからも新しい概念やニーズの具現化にチャレンジしていきたい」と語る吉川秀隆社長に、100年を振り返ってもらいつつ、次なる目標や抱負について聞いた。