日本歯科新聞 | 2021年11月2日付
「抜歯は顎骨壊死のリスク因子ではない」/長崎大研究グループ
がんの骨転移や多発性骨髄腫に対して使われる骨吸収抑制薬の副作用に顎骨壊死がある。これまで服用期間中の抜歯が、顎骨壊死発症の可能性を高める要因として考えられていたが、むしろ抜歯を避けることで顎骨壊死の発症率が増加するという研究成果が発表された。長崎大学大学院医歯薬学総合研究科口腔保健学分野の五月女さき子准教授らの研究グループが明らかにしたもの。
衆議院議員選挙で渡辺孝一氏が当選
第49回衆議院議員総選挙の投開票が10月31日に行われ、歯科医師で前衆議院議員(自民党)の渡辺孝一氏が比例北海道ブロックで当選を果たした。渡辺氏とともに日本歯科医師連盟が推薦していた日本大学歯学部専任講師の伊藤智加氏と元愛知学院大学歯学部助教の岡本康宏氏は落選した。また、前衆議院議員で立憲民主党(社民県連合)から群馬3区に立候補した長谷川嘉一氏も落選。本紙で把握していた歯科医師7人中、当選は1人だった。
日本健康会議の「実行宣言2025」に歯科の文言が記載
「日本健康会議2021」が10月29日に開かれ、「健康づくりに取り組む5つの実行宣言2025」が採択された。宣言には、8020運動やオーラルフレイル対策、歯周病予防について学ぶ機会の提供、かかりつけ歯科医へ定期的に歯科受診できる環境整備などについても記載。日本歯科医師会は同日、会からの追加提案も盛り込まれたとして、評価するとの見解を示した。
日歯の堀会長 新技術開発などの協議に意欲
日本歯科医師会の堀憲郎会長は10月28日、東京都千代田区の歯科医師会館での定例記者会見で、歯科活性化会議の位置付けと実績などについて説明し、新しい技術、材料等の開発や、新しい検査、病名などについて議論を深めていく構えを見せた。
嚥下障害診療ガイドライン改訂委員に歯科医も参加
日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会の「嚥下障害診療ガイドライン2018年版(第3版)」の改訂作業が進められており、改訂委員に初めて歯科医師2人が参加している。10月28日に東京都千代田区の歯科医師会館で開かれた日本歯科医師会の定例記者会見で柳川忠廣副会長が報告した。
日歯 堀会長、参院議員当選の比嘉氏に期待示す
日本歯科医師会の堀憲郎会長は、比嘉奈津美氏が参議院議員に繰り上げ当選したことについて、「歯科医療政策の提言、2040年を見据えた歯科ビジョンの展開においても力添えいただけるものと確信している」とし、日歯としても全力を挙げて応援していくとの考えを示した。10月28日に東京都千代田区の歯科医師会館で開かれた定例記者会見で述べたもの。
日歯の林常務理事「訪問診療充実に向け改定を」
次期診療報酬改定の基本的視点は、①「新型コロナウイルス感染症等にも対応できる効率的 ·効果的で質の高い医療提供体制の構築」、②「安心 ·安全で質の高い医療の実現のための医師等の働き方改革等の推進」、③「患者 ·国民にとって身近であって、安心 ·安全で質の高い医療の実現」、④「効率化 ·適正化を通じた制度の安定性 ·持続可能性の向上」の四つとし、特に①、②に重点を置く。10月22日にオンライン上で開かれた社会保障審議会医療保険部会で示された。日本歯科医師会常務理事の林正純委員は、①、②を重点課題とすることに賛同した上で、歯科医療従事者の感染拡大防止対策への理解と、歯科訪問診療の充実を念頭に置いた改定、ICTの効果的な応用の検討などを求めた。
日歯連盟 臨時評議員会で議長に北海道の藤田氏
日本歯科医師連盟(高橋英登会長)は10月29日、東京都千代田区の歯科医師会館で第144回臨時評議員会を開き、全4議案を可決した。議長に北海道の藤田一雄氏、副議長に新潟県の山下智氏が選出され、顧問に山田宏議員と比嘉奈津美議員を承認。役員報酬算定委員会委員と選挙管理委員会委員も承認された。評議員会後の記者会見で報告があった。
歯科技工の認知向上目指す—補綴物の製作情報提供事業研修
厚生労働省が平成29年度から実施する「歯科補てつ物製作過程などの情報提供推進事業研修会」が奈良県歯科医師会会館で、10月24日に開催され、歯科医師や歯科技工士が参加した。
歯科医療費、社保の件数11.4%増
社会保険診療報酬支払基金による令和3年7月診療分の歯科の件数は1,354万2千件、点数は165億9,472万2千点で、前年同月に比べ件数は11.4%、点数は7.2%それぞれ増加した。
国保、市町村の金額2.3%減少
国保中央会がまとめた令和3年7月診療分の歯科医療費は市町村が582億円で、対前年同月比で2.3%減少。組合は50億円で3.2%増加。後期高齢者は536億円で0.7%減少した。
歯周病進行の指標細胞を発見
東京医科歯科大学大学院の研究グループは、口腔内の健常、歯肉炎、歯周炎部位から採取されたプラーク中のRNAを解析し、病態を特徴づける指標となる細菌を明らかにしたと発表した。
隣接医学との未来を模索—顎関節学会が学術大会
「顎関節の現在、そして未来へ」をテーマに日本顎関節学会(鱒見進一理事長)は、第32回学術大会(本田和也大会長)を10月23日から11月23日までウェブ上で開催している。
舌がん進展範囲の把握「生検前のMRI」が有効
舌がんの進展範囲の把握は、「生検前のMRI」が最も有用—。東京医科歯科大学大学院の原田浩之教授らの研究グループが明らかにしたもので、国際科学誌『Scientific Reports』オンライン版(10月25日)に発表された。
前がん細胞を上皮細胞が排除
非免疫細胞である上皮細胞が、前がん細胞を認識し、攻撃 ·排除する監視のメカニズムが解明された。早稲田大学高等研究所の丸山剛准教授らの研究グループによるもので、上皮細胞が前がん細胞のMHC–1を認識し、前がん細胞を排除していることを明らかにした。論文は『Nature Immunology』オンライン版(10月22日)に掲載された。
妊娠中の高カロリー食は子の肥満の原因に
妊娠中に高カロリーの食物を摂取すると、子供の肥満や生活習慣病の原因となる―。九州大学大学院歯学研究院の安河内友世准教授と福岡歯科大学の平田雅人客員教授の研究グループが明らかにしたもの。
歯科矯正用品の世界市場、30年に154億ドル
歯科矯正用品の世界市場は、2022~30年末までに154億ドルに達し、12%の年平均成長率を予測—。Kenneth Research(本社 ·アメリカ ·ニューヨーク州)が発表したもの。22年の市場規模は67億ドル。
スマホの普及も影響、カルテ開示には注意を
患者とのトラブルは、コロナ禍で増加傾向にあるようだ。歯科医師として15年の臨床経験を持つ弁護士の小畑真氏に、その背景と、どのようなトラブルが増えているのか、またその対処法などについて話を伺った。
特集 ·第51回日本口腔インプラント学会学術大会
日本口腔インプラント学会は12月17日から26日まで、ウェブ上で「インプラント治療:これまでの50年、これからの50年―インプラントで支える未来の健康」をテーマに第51回学術大会を開催する。10月に広島市での現地開催を予定していたが、コロナ禍における関係者、会員の安心 ·安全を考慮した結果、ウェブ開催に舵を切った。学術大会の概要や口腔インプラント学分野の重要性、今後の展望、学会の役割などについて宮﨑隆理事長、津賀一弘大会長、簗瀬武史専務理事、阪本貴司学術委員会委員長に聞いた。
大人のぽかん口「知らなかった」7割超
7割以上が「大人のぽかん口(口唇閉鎖不全)を知らなかった」と回答し、7~8割が「口臭以外のぽかん口による弊害(虫歯になりやすい、歯周病、歯並びが悪くなる)を知らない」という結果に―。モンデリーズ ·ジャパン(本社 ·東京都品川区、福本千秋社長)が行った調査によるもの。調査は「マスク生活の長期化におけるぽかん口の実態」について、全国の20~49歳の共働き夫婦438人を対象に9月28~29日にインターネットで実施した。
Ivoclar Vivadentが40歳以下の排列コンテストを初開催
Ivoclar Vivadent(本社·東京都文京区、犬飼清社長)は、保険適用の人工歯「SRサクラール」の発売を記念して実施した「第1回SRサクラール排列コンテスト2021」のオンライン授賞式を10月7日に開いた。金賞には相模原市の「入れ歯の技工所おり鶴」の桑名勇至氏が受賞した。