日本歯科新聞 | 2021年11月30日付
個人歯科診療所 損益差額は1 ,182万円、勤務医の年収645万円 —医療経済実態調査
厚労省は次期診療報酬改定に向け、第23回医療経済実態調査を24日の中医協で公表した。個人立歯科診療所(青色申告者含む)では、令和2年(前年)度の損益差額は1 ,182万4千円、新型コロナウイルス感染症関連の補助金を含めた損益差額は1 ,266万円。医療法人の損益差額は658万3千円、補助金あり738万7千円。損益差額の構成比率は、補助金を含めると令和元年(前々年)度より微増となっている。1施設当たりの補助金は医療法人80万4千円、個人83万6千円。
医療経済実態調査で「厳しい状況」—日歯の堀会長
日本歯科医師会の堀憲郎会長は、第23回医療経済実態調査について、令和2年度の個人立歯科診療所の損益差額が令和元年度と比べて低く、さらに支出に当たる医療·介護費用の切り詰めもすでに限界で、補助金を補填しても厳しい状況との認識を示した。25日の定例記者会見で見解を述べたもの。
堀内ワクチン大臣に優先接種の確実な実施を要望—日歯
日本歯科医師会(堀憲郎会長)は24日、堀内詔子ワクチン接種推進担当大臣からのヒアリングを受け、歯科医療従事者への確実な3回目の優先接種などを要望したほか、歯科医師によるワクチン接種の継続による協力姿勢を示した。25日の定例記者会見で堀会長が報告した。
新型コロナワクチン接種 歯科医師の打ち手延べ2万8,354人
新型コロナウイルスワクチンは、10月分を含めて延べ2万8,354人の歯科医師が、延べ163万4,437回の接種を行っている。25日の日本歯科医師会の定例記者会見で柳川忠廣副会長が報告したもの。
財政審のマイナス改定要求で 日歯「プラス改定が必要」
財務省の財政制度等審議会財政制度分科会で「マイナス改定」の必要性などが記載された資料について、日本歯科医師会の堀憲郎会長は「地域の歯科医療機関の現状を見ると、マイナス改定などはあり得ず、必ずプラス改定が必要だと認識している」と強調した。25日の定例記者会見で見解を示した。
金パラ問題で日歯 対応案を提示
歯科用貴金属告示価格の随時改定で、当面は改定するかの基準となる変動幅を一律にするか、変動幅を設けずに一定期間で改定を行い、中長期的には新たな試みを模索していく —。17日に開かれた日本歯科医師会の都道府県歯科医師会専務理事連絡協議会で、林正純常務理事が今後の見通しとして対応案、課題·問題点を示した。
予算編成に向け自民党に要望—日歯
日本歯科医師会(堀憲郎会長)は、自民党·公明党等から令和4年度の予算編成に関するヒアリングを22日に受けた。
岸田総理と会談 —堀日歯会長
日本歯科医師会の堀憲郎会長は、岸田文雄総理大臣と24日に会談したと報告し、「これまで日歯と国が共有していた歯科医療政策に変わりがないことを確認した」と明かした。25日の定例記者会見で述べたもの。
JDAT創設 45都道府県歯など賛同—日歯が報告
災害時の歯科チーム「JDAT(Japan Dental Alliance Team)」の創設に、茨城県と群馬県を除く45都道府県歯科医師会や日本歯科医学会、関係団体が賛同している。17日に開かれた日本歯科医師会の都道府県歯科医師会専務理事連絡協議会の協議の中で報告があったもの。
歯科のICT活用 検討始まる
厚労省の第1回「ICTを活用した歯科診療等に関する検討会」が22日、オンライン上で開かれた。座長には東北大学大学院歯学研究科教授の佐々木啓一氏、座長代理に日本歯科医学会から参加の菊谷武氏を選出。検討会の趣旨や、現状、課題、スケジュール等が示され、各委員から広く意見を求めた。同検討会では、今年度中に「歯科診療におけるICTの活用についての手引き」の取りまとめを目指す。
外来機能明確化で地域事情への理解など求める—日歯
中医協の第496回総会が12日、オンライン上で開かれた。「外来(その3)」と「入院(その3)」について議論し、「外来(その3)」では、「紹介状なしで受診する場合等の定額負担」「紹介·逆紹介の推進」「地域の医療機関の外来機能の明確化・連携の推進」などの論点が示された。日本歯科医師会常務理事の林正純委員は、医療機能の強化、分化について、基幹的な医療機関と地域の医療機関の連携は重要とした上で、「歯科でも地域によっては基幹病院そのものが外来機能を担わざるを得ない状況もある」と理解と対応を求めた。
中医協「摂食嚥下支援加算」の議論で「歯科ない病院との連携 検討を—日歯
中医協の第497回総会が17日、オンライン上で開かれた。次期診療報酬改定に向けた「個別事項(その4)」の議論で、摂食嚥下支援加算の課題と論点が示され、日本歯科医師会常務理事の林正純委員は、歯科のない病院と地域の歯科医療機関との連携の検討·評価を要望した。
若年層や就労世代へのアプローチ方法など議論—歯周病対策WG
第3回「歯科口腔保健の推進に係る歯周病対策ワーキンググループ」が19日、オンライン上で開かれた。20代の歯肉の状態は改善傾向にあることを確認した他、自治体での歯周病対策を推進するための都道府県と市町村の役割、若年層や就労世代へのアプローチ方法などについて議論。健康経営における歯科健診の位置付けの重要性や、レセプト情報を自治体につなげる仕組み、大学の学校歯科医の設置、簡便な歯周疾患のスクリーニング方法の必要性についての意見などが上がった。
活動指針の改訂版発行 —日学歯
日本学校歯科医会(川本強会長)は、『学校歯科医の活動指針 令和3年改訂版』を発行した。総論の「学校保健」「学校歯科医」「学校保健計画及び学校安全計画」の3章、各論の「保健教育」「保健管理」「組織活動」の3章、資料編で構成されている。
東京デンタルフェスティバル「若さ保つ口腔ケア」紹介—都歯ら
東京都歯科医師会(井上惠司会長)とグラクソ·スミスクライン·コンシューマー·ヘルスケア·ジャパン(野上麻理社長)が14日、ウェブ上で東京デンタルフェスティバル2021を開催した。テーマは「若さを保つ口腔ケア~楽しく食べて、お口をととのえ、健康になろう」。
都立·公社病院独法化に反対—東京歯科保険医協
東京歯科保険医協会(坪田有史会長)は、東京都が進めている都立·公社病院の独立行政法人化と、それに伴う病院機構設立案に反対の意向を示している。12日にオンライン開催したメディア懇談会で、馬場安彦副会長が経緯を説明した。
診療報酬の大幅なプラス改定を要望—保団連
全国保険医団体連合会(住江憲勇会長)は16日、要望書「医療提供の立て直しに向け大幅プラス改定を求める」を鈴木俊一財務大臣、後藤茂之厚生労働大臣に送付した。
口腔保健とNCDs各国に向けレポート発表—FDI
世界歯科連盟(FDI)は10月25日、各国の政策立案者向けに、口腔保健と非感染性疾患(NCDs)、公的医療制度(UHC)との関係についてのレポートを発表した。
再治療 50代の7割が経験—歯内療法学会調べ
40代の46%、50代の70%に、むし歯の再治療の経験がある—。日本歯内療法学会(阿南壽理事長)が勤労感謝の日に合わせて、20~50代の200人を対象に実施した「歯の再治療に関するアンケート調査」によるもの。
東京歯科大学と慶應義塾 合併協議の予定見直し
東京歯科大学(井出吉信理事長·学長)と慶應義塾(伊藤公平塾長〈理事長兼学長〉)は25日、歯学部の慶應義塾大学への統合および法人の合併についての協議のスケジュール見直しを発表した。2023年4月を目途に協議していくとしていたが、新型コロナウイルスの影響などを鑑み、スケジュールに目途を設けずに協議を継続していくとしている。
審美の可能性を学術大会で探る—日本歯科審美学会
「Challenge:歯科における審美の可能性を探る!」のテーマで、日本歯科審美学会(大槻昌幸理事長)は、第32回学術大会(宮崎真至大会長)を13日から2日間、東京都江東区のTFTホールで開催し、22日から29日までウェブ配信した。
歯科医が使用する歯ブラシと歯磨剤の1位は…
歯科医師が今使っている歯ブラシの第1位は「ルシェロ(ジーシー)」、歯磨き粉の第1位は「チェックアップ(ライオン歯科材)」 —。アウトオブザボックス(本社·東京都中央区、水本年成社長)が行った調査によるもの。「第2回 今リアルに使っている·歯ブラシ·歯磨き粉」をテーマに、歯科医院110軒に昨年11月12~今年10月20日に訪問面接で実施した。
歯科技工の世界市場 2027年に514億ドルに
歯科技工の世界の市場規模は、2021~27年までの間、CAGR(年平均)10.4%で成長を続け、27年には514億ドルに達する見込み —。グローバルインフォメーション(本社·川崎市、小野悟社長)が10月22日にまとめた市場調査レポートによるもので、同市場には、ブリッジ、デンチャー、クラウン、インプラント、矯正装置などが含まれる。
インタビュー「歯科医院でのCRM(顧客関係管理)」
「う蝕治療から総義歯まで、生涯を通して先生に診てもらって良かった」と患者さんに言われるのは本望ではない —。そう語るのは、ITS理事長の石井宏明氏。理想は全て健康な自分の歯を保ってもらうこと。来院時からその人の状態に応じたベストを目指すためには、治療後のメインテナンスが重要となる。しかし、日本の歯科医院には「カスタマーリレーションシップマネージメント(CRM)」システムがないと指摘する。石井氏は、歯科でのCRMの一環として、合同会社東京オペラシティメディカルサービスと合同で開発したシステムを用いたパーソナライズド動画の送信を10月から開始した。同取り組みの意図、歯科医院の目指すものなどを同氏に聞いた。
インタビュー「X線画像による顎骨骨密度計測の臨床応用」
日本歯科医学会連合(住友雅人理事長)は、令和3年度課題研究テーマ「口内法デジタルX線画像による顎骨の骨密度計測の臨床応用」の採択課題を発表した。初めてメーカーとタイアップした研究テーマを7月末から公募し、9月10日に締め切られた。全国の大学や研究機関などから23件の応募があり、11件が採択された。連合専務理事で、日本歯科大学東京短期大学学長の小林隆太郎氏にメーカーとのタイアップ研究課題の展望や健康長寿社会への歯科医療の役割等について聞いた。
YAMAKINのマリモセメントLCが「四国経済産業局長賞」を受賞
発明協会(野間口有会長)が主催する「令和3年度四国地方発明表彰」で、YAMAKIN(本社·大阪市、山本樹育社長)のCAD/CAM冠専用の光重合型接着用レジンセメント「KZR —CAD マリモセメントLC」の特許が 「四国経済産業局長賞」を受賞した。
福利厚生の一環で歯科医院を開設 —サンギ
サンギ(本社·東京都中央区、ロズリン·ヘイマン社長)は、同社の社員と家族を対象にした歯科医院「Sangi Dental Clinic(サンギデンタルクリニック)」を11日に埼玉県春日部市のサンギ中央研究所内に開院した。同社社員の福利厚生を目的とした歯科医院の開設は今回が初めて。