日本歯科新聞 | 2023年1月31日付
新連載My Way「訪問に特化した診療所を開業」
在宅生活を続けている患者の中には、安全性ばかり考慮されて必要以上に食生活の質を落としているケースがある。本来であれば、普通食を食べられるにも関わらず、ペースト食を食べることになる患者も少なくない。また、ペースト食に変更した際には、必要な栄養がケアされていないために、嚥下機能や身体機能が低下し、結果的に在宅では暮らせない状態に至ってしまうことも多いという。齋藤貴之氏は、きちんと口腔ケアをして食べられる、嚥下できる口腔内にして患者を支えたいとの思いで、訪問診療に特化した「ごはんがたべたい歯科クリニック」を開業した。齋藤氏に開業した経緯や問題に感じている部分について聞いた。
国民皆歯科健診「現行法の改正を検討」-自民党PTで山田宏議員
国民皆歯科健診を推進するための法制化について、25日の自由民主党の「国民皆歯科健診実現プロジェクトチーム」(以下PT)の会合で議論があり、新たな法律を作るのではなく、現在ある「歯科口腔保健推進法」を改正する方向で検討していく可能性が示された。26日の日本歯科医師連盟の理事会後の記者会見でPTの事務局長も務める山田宏参議院議員が報告。6月21日までの今国会中に提出・成立を目指したいとの考えを述べた。
歯周炎の治療で心房線維化を抑制-広大が解明
歯周炎が心房細動患者の重症化、予後に影響する可能性がある-。広島大学保健管理センターの宮内俊介助教、同大大学院医系科学研究科循環器内科学の中野由紀子教授、口腔感染症プロジェクト研究センターが心臓手術時に左心耳切除を行う心房細動患者76人を対象に行った研究で明らかになったもので、心房細動マネジメントにおけるセルフ口腔ケアや医科歯科連携診療の有効性の証明につながる研究として期待がかかる。
新型コロナ5類引き下げで「対策と支援の継続必要」-日歯
日本歯科医師会の今年初めての定例記者会見が26日、東京都千代田区の歯科医師会館で開かれ、堀憲郎会長はあいさつで、「新型コロナウイルスの5類への引き下げの議論について」の考え方を示した。引き下げる理由や引き下げによってどのような影響が考えられるかを分かりやすく国民や関係者に示す必要性があると強調し、歯科医療機関の感染対策は継続することになるとして、支援の継続も必要と述べた。
国民皆歯科健診の実現に向け「全国の議会から声を」-日歯連盟
日本歯科医師連盟(高橋英登会長)は、全国各地の議会から国に対して国民皆歯科健診の実現を求める意見書が出されるように協力を呼びかけるお願い文を13日付で都道府県歯科医師連盟会長に送付した。26日の理事会後の記者会見で浦田健二理事長が報告した。
10月の歯科診療所数 前月より36減少の6万7,723施設
厚労省の施設動態調査による令和4年10月末現在の歯科診療所数は全国で6万7,723施設で、前月より36減少した。
都道府県歯会長予備選・宮城 現職の細谷氏が無投票で当選
任期満了に伴う宮城県歯科医師会の会長予備選挙で、立候補届出が23日に締め切られ、現職の細谷仁憲氏が無投票で当選した。
6月の代議員会後の理事会で正式に決定する。
都道府県歯会長予備選・福島 現職の海野氏1人が立候補
任期満了に伴う福島県歯科医師会の会長予備選挙で、立候補届出が29日に締め切られ、現職の海野仁氏のみ立候補した。2月19日に信任投票が行われ、6月の代議員会後の理事会で正式に決定する。
都道府県歯会長予備選・埼玉 現職の大島氏が無投票で当選
任期満了に伴う埼玉県歯科医師会の会長予備選挙で、立候補届出が26日に締め切られ、現職の大島修一氏が当選した。
6月の総会後の理事会で正式に決定する。
都道府県歯会長予備選・愛知 現職の内堀氏が無投票で当選
任期満了に伴う愛知県歯科医師会の会長予備選挙で、立候補届出が26日に締め切られ、現職の内堀典保氏が無投票で当選した。
6月の代議員会後の理事会で正式に決定する。
国内初の推奨用量を提案 小児の局所麻酔体重6kgごとに半分増
これまで小児歯科治療の局所麻酔薬の使用上限量には明確な基準がなかったが、国内で初めて最大推奨用量(MRD)のルールが提案された。九州大学大学学院歯学研究院の一杉岳講師、東京女子医科大学歯科口腔外科の佐々木亮講師が作成したもので、麻酔薬の種類を問わず簡単に求められる「体重6㌔㌘毎に歯科麻酔薬の注射を半分ずつ増やす」ルール、HC/6ルール(Half Cartridge/6 kgルール)。
エナメル上皮腫の顎骨吸収の機序解明-福岡歯科大 研究グループ
良性腫瘍のエナメル上皮腫が顎骨吸収するメカニズムの一部を福岡歯科大学病態構造学分野の吉本尚平講師、岡村和彦准教授、総合歯科学講座の森田浩光教授、口腔腫瘍学分野の平木昭光教授の研究グループが明らかにした。破骨細胞の形成に必須なタンパク質RANKLがサイトカインIL-6を介して、腫瘍周囲の線維芽細胞から形成されると判明。エナメル上皮腫の骨内での増大を抑制する新たな治療法の開発につながる可能性が示唆されている。
医科歯科大と東工大 統合後の名称は「東京科学大学」
2024年度中に統合を目指している東京医科歯科大学(田中雄二郎学長)と東京工業大学(益一哉学長)は19日、統合後の新大学名称を「東京科学大学(仮称)」(英語表記:Institute of Science Tokyo)として大学設置・学校法人審議会に提出すると発表した。6千件を超える応募案を参考に決定したもので、略称は「科学大」とした。
歯学教育コア・カリ改訂周知でシンポ-歯科医学教育学会
日本歯科医学教育学会(秋山仁志理事長)は16日、歯学部関係者や歯学教育関係者を対象に「歯学教育モデル・コア・カリキュラム令和4年度改訂周知のためのシンポジウム」をオンラインで開いた。
スギナエキス歯槽骨破壊を抑制
歯周炎による歯槽骨破壊をスギナエキスが抑制するメカニズムを、広島大学大学院医系科学研究科口腔炎症制御学共同研究講座の芝典江助教、宮内睦美教授が共同研究で明らかにした。スギナエキスを応用した治療法や予防法の開発に期待がかかる。
新たな要素で研究推進図る 日本歯科医学会 研究の集いで8題発表
日本歯科医学会(住友雅人会長)は20日、東京都千代田区の歯科医師会会館で第38回「歯科医学を中心とした総合的な研究を推進する集い」を開催した。分化した各専門領域間で情報を交換し、ジャンルを超えた研究者が異なる視点で新しい要素を加え、研究の活性化を図るための場として行われているもの。今回は、口腔・ 食道重複癌に対する新規治療やDNAに着目した歯周病リスク診断、AI技術がもたらす歯科画像診断、オーラルフレイルの新規スクリーニング法などの8題の研究が発表された。
「楽しい組合目指す」大東京新年会で杉山理事長
大東京歯科用品商協同組合(杉山勝人理事長)は19日、新年懇親会を東京都千代田区の九段会館テラスで開いた。
令和3年 歯科の輸出金額
輸出金額が高い歯科の医療機器・材料は「歯科用接着充填材料」221億7,271万6千円がトップで、次いで「歯科用ハンドピース」109億9,844万6千円、「歯冠材料」61億2,200万1千円が続いた。厚労省がまとめた「令和3年薬事工業生産動態統計年報統計表」によるもので、昨年12月23日に公表している。
特集「デジタルデンティストリーが拓く歯科界の未来」
デジタルデンティストリーは歯科界に欠かせない分野として注目を集めているが、技術の進歩もめまぐるしく、導入に躊躇をしている歯科関係者も少なくない。CAD/CAM、口腔内スキャナーなどデジタルデンティストリーの過去と現在の技術の変化、導入するメリット、機器や材料の費用やコストの変化などについて、日本臨床歯科CADCAM学会の北道敏行会長に聞いた。
インタビュー「某県歯連盟会長が考える日歯会長に望むもの」
日本歯科医師会の新会長を選ぶ予備選挙戦が終盤を迎えている。立候補の届け出は11日に締め切られ、日本歯科医師連盟会長の高橋英登、元日歯常務理事の小林慶太、日歯副会長の柳川忠廣の3氏が立候補した。日歯の会長選挙人634人の投票は2月3日からスタートし、2月14日には当選者が決まり、6月の日歯代議員会後の理事会で新会長が決定する。明日の歯科医療界を良くするための日歯会長にはどのような人物がふさわしいのか、求められる会長の条件とは何か、某県歯連盟会長に匿名で聞いた。