日本歯科新聞 | 2018年12月18日付
口腔がんを唾液の匂いから診断
唾液の匂いで口腔がんの有無を診断できる世界初の技術が開発された。北九州市立大学の李丞祐教授と九州歯科大学の安細敏弘教授らの共同研究で、口腔がんに特異性を示す27種類の匂い成分を唾液から検出し、がんの進行に伴って成分が「消失」「増減」「新生」の3グループに分類できるというもの。10日に同大らが発表した。
8020運動30周年で記念式典
日本歯科医師会(堀憲郎会長)は、8020運動30周年記念式典・シンポジウムを13日、東京都千代田区のイイノホールで開いた。テーマは「笑顔の向こうに―人生100年時代、8020運動のこれから」。
自民党・公明党が31年度税制改正大綱を公表
自民党と公明党は14日、平成31年度税制改正大綱を公表した。
訃報・佐野公人氏
日本歯科大学新潟短期大学学長の佐野公人(さの・きみと)氏は16日、死去した。64歳。
同氏は、昭和53年に日本歯科大学を卒業。同大新潟歯学部で助手や講師、助教授、同大附属新潟専門学校講師などを経て、平成14年に教授に就任。29年から日歯大新潟短期大学学長を務めていた。
日歯・連盟、予算と税制改正で要望
自民党の国民歯科問題議員連盟総会が5日、東京都千代田区の都市センターホテルで開かれ、日本歯科医師会(堀憲郎会長)と日本歯科医師連盟(高橋英登会長)は、平成31年度の予算と税制改正に関わる要望について説明し、理解を求めた。
日歯監事選挙の候補擁立を決定─九州、中国・四国地区歯役員連絡協
平成30年度九州、中国・四国地区歯科医師会役員連絡協議会が8日、高松市のJRホテルクレメント高松で開かれた。協議では、次期日本歯科医師会監事選挙で九州地区から候補の擁立を決めたほか、歯科衛生士養成学校における男子学生の在籍状況と受け入れ体制、講演会研修会等の相互乗り入れとサテライト中継について、各県歯と日歯から報告や意見が出された。
厚労大臣が日歯映画受賞でコメント
根本匠厚労大臣は7日の閣議後の会見で、日本歯科医師会製作の映画「笑顔の向こうに」が第16回モナコ国際映画祭でグランプリを受賞したことを報告した。日歯と厚労省が協力して推進している8020運動が30周年を迎え、記念事業として作られたもので、厚労省も映画を推薦していると紹介。
「成育基本法」の可決受けて日医が見解
日本医師会(横倉義武会長)は11日、8日の参議院本会議で「成育基本法」が可決成立したことを受けて、「今後政府において実効性のある施策の確実な実現を求める」との見解を発表した。
投稿・阿部智(千葉市議会議員・歯科医師)
2018年12月8日に可決成立した改正出入国管理法により、労働力確保の観点からは技能実習生に依存する状況から就労目的の労働者を正面から受け入れることとした。政権は否定するが事実上の移民政策であり、日本の外国人政策の歴史的な転換点となるにもかかわらず、移民政策としての明確なビジョンは見えない。外国人労働者受け入れに伴う副作用への対応が不十分で、特にわれわれ歯科医療分野に直結する公的医療保険制度での対応については、課題は山積したままである。
医師が選ぶ今年の漢字
医師が選ぶ今年の漢字は「免」。医師専用サイト「MedPeer」が、会員医師へのアンケート調査(N=3,036)の結果を発表した。
30年9月の歯科診療所数は6万8,615
厚労省の施設動態調査による平成30年9月末現在の歯科診療所数は全国で6万8,615施設で、前月よりも25増加した。
前年同月比の全国の歯科診療所数の動向では、317施設減少。開設者別歯科診療所数の個人は773減、医療法人は459増となっている。
抗がん剤がHPVの感染制御に関与
子宮頸がんや口腔がんの原因の一つとされるヒトパピロマウィルス(HPV)の感染制御に、一部の抗がん剤が関与する可能性がある。アメリカ・アラバマ大学バーミングハム校(UAB)のSanjib Banerjee准教授(バイオ化学・分子遺伝学)らが研究発表した。11月1日発行の『The Proceedings of the National Academy of Sciences of the United of America』に論文掲載した。
PhRMAが現委員長を再任
米国研究製薬工業協会(PhRMA)の在日執行委員会(JMBC)は12日、現委員長のパトリック・ジョンソン氏(日本イーライリー社長)の再任を発表した。
中医協の総会で薬価等改正の骨子案了承
厚労省は12日、都内で開いた第403回中医協総会で消費税引き上げに伴う薬価・保険医療材料価格改定の骨子案、2019年5月末に行う第22回医療経済実態調査の実施案を提出。診療側・支払側委員は同3案を了承した。
医療経済実態調査実施案も
同総会で了承された第22回医療経済実態調査の実施案には、消費税にかかる費用を詳細に把握するための項目等が追加された。結果報告の時期は19年11月ごろを目標としている。
社保審医療保険部会が有識者会議の報告書を発表
厚労省は6日、都内で開いた第116回社会保障審議会医療保険部会(部会長=遠藤久夫国立社会保障・人口問題研究所所長)で、「高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施に関する有識者会議」「医療・介護データ等の解析基盤に関する有識者会議」の報告書を提出。オンライン資格確認等システムの検討状況についても報告した。
日本歯科新聞 | 2018年12月11日付
日歯映画がグランプリ受賞!
日本歯科医師会(堀憲郎会長)が8020運動30周年記念事業の一環で製作した映画『笑顔の向こうに』が、第16回モナコ国際映画祭の最優秀作品賞(グランプリ)「エンジェルピースアワード」に輝いた。また、同映画に出演した丹古母鬼馬二さんが助演男優賞を受賞した。日歯が6日に公表したもの。
薬価と市場実勢価格の差、歯科のみマイナス
厚労省は5日、都内で開いた第402回中医協総会で医薬品価格調査での2018年9月の取引分の速報値を公表した。薬価と市場実勢価格との差を示す平均乖離率は約7.2%で、昨年の調査に比べ約1.9ポイント減少。投与形態別で見ると、歯科用薬剤のみマイナス5.7%と、薬価が市場実勢価格を下回った。
抜歯の主原因「歯周病」37.1%
平成30年調査で抜歯の主原因は、歯周病37.1%、う蝕29.2%、破折17.8%の順に多く、13年前の同調査と比べ、歯周病とう蝕はそれぞれ4.6ポイント、3.1ポイント減少しているが、破折が6.4ポイント増加した。8020推進財団(堀憲郎理事長)の第2回永久歯の抜歯原因調査によるもので、11月29日の日本歯科医師会定例記者会見で髙野直久常務理事が報告した。
「食後の歯磨き」は男8.5%、女17.4%─健康のために心がけていること
ここ12年間、ずっと健康状態が「よい」と思っている人が、健康維持のために心がけていることは、男性では「適度な運動をする」の14.7%、女性では「バランスを考え多様な食品をとる」19.6%がトップ。「食後の歯磨きをする」は、女性は17.4%と2番目に多かったが、男性は8.5%に留まっている。
厚労省が2005年10月時点で50~59歳だった男女の健康・就業・社会活動について、毎年追跡調査している第13回「中高年者縦断調査」の結果によるもの。第11・12回調査で協力を得られた2万2,253人を調査客体とし、回収客体数は2万1,168人(95.1%)、対象者年齢は62~71歳となっている。
日医、災害時の通信確認
日本医師会(横倉義武会長)は、災害時に使う各種情報通信の訓練も兼ねた2018年度南海大震災訓練を11月29日、日医会館で実施し、日本歯科医師会からは小玉剛常務理事が参加した。
今年度から厚労省の医療関係者研修等補助金により、災害歯科保健医療体制研修会として開催しており、引き続き日医に講師を務めてもらっていることを報告した。
受精胚のゲノム編集で日医と日医学会が声明
中国の南方科技大学の賀建奎副教授が、HIV感染を抑止するために、ゲノム編集技術を用いた受精胚を使い、双子の女児を誕生させたとの報道を受け、日本医師会(横倉義武会長)と日本医学会(門田守人会長)は11月30日、「人の尊厳を無視し、生命を軽視するものであり、国際的な倫理規範から見ても常軌を逸したもの」との共同声明を発表した。
医療検索サイトの検索順位が急降下
6月からの医療広告規制強化により、医療機関のウェブサイトも規制対象となり、特に、患者などの口コミと連動している医療機関のウェブサイトの検索順位が急速に低下している。
歯科診療所数は6万8,590施設
厚労省の施設動態調査による平成30年8月末現在の歯科診療所数は全国で6万8,590施設で、前月よりも31減少した。
前年同月比の全国の歯科診療所数の動向では、373施設減少。開設者別歯科診療所数の個人は810減、医療法人は439増となっている。
米から抽出したペプチド溶液が歯槽骨の吸収を抑制
米から抽出した成分で歯周病発症時の歯槽骨吸収が抑制できる―。新潟大学大学院医歯学総合研究科の歯学系大学院生の田村光氏と准教授の前川知樹氏、教授の寺尾豊氏らが明らかにしたもので、国際学術誌『Archives of Oral Biology』電子版(11月21日)に公開された。米どころの新潟で産学連携研究に発展させることも見据えているという。
明海大「保健医療学部」学部長に藤内氏
明海大学(宮田淳理事長、安井利一学長)が来年4月に開設する4年制歯科衛生士養成課程「保健医療学部口腔保健学科」の学部長に藤内祝氏が就任する。同大が4日に公表した。
「骨に力」で「若返る」!?
骨に力を加えると、若返り物質と言われるタンパク質「オステオカルシン」ができるタイミングが早まる。岡山大学大学院医歯薬学総合研究科口腔形態学分野の池亀美華准教授と岡村裕彦教授、朝日大学歯学部の江尻貞一教授らがネズミを使った実験で明らかにした。運動によって若さを保つ方法の発見につながる研究として期待がかかる。同研究は、日本学術振興会「科学研究費助成事業」の支援を受けて行われ、国際雑誌『Journal of Histochemistry & Cytochemistry』オンライン版(4月16日)に掲載されている。ストレス反応、朝と夜で違い
歯科治療を受けるなら夜よりも朝がよい?
北海道大学大学院教育学研究院の山仲勇二郎准教授らの研究グループが、朝と夜とでストレス反応が異なる仕組みを解明。夜間は外部からのストレスの原因(ストレッサー)に対して生体の防御機構がうまく適応できない可能性を示唆した。
同研究成果は『Neuropsychopharmacology Reports』(11月27日)に掲載された。
GCが総合2位に
第10回「企業の品質経営度調査」の総合2位に、ジーシー(=GC、本社・東京都文京区、中尾潔貴社長)が選ばれた。
今回GCは、指標となる6項目のうち「品質経営の拡がり」で1位、「経営者のコミットメント」で2位、「顧客価値創造」と「品質経営への人づくり」で3位、「部門間連携力」で5位、「プロセスの確立・順守」で8位の評価を受けた。
GCは過去の調査でも上位にランクイン。10年に3位、12年に6位、14年に2位、16年は1位だった。
川添清氏が死去
川添デンタルサービス代表の川添清氏は11月22日に死去した。70歳。同社は30日に廃業した。
日歯連盟、参院選で高橋しんご氏を「できる限り支援」
日本歯科医師連盟の高橋英登会長は11月30日の定例記者会見で、45都道府県歯連盟からの推薦を受けて来年の参議院議員通常選挙に出馬する高橋しんご氏について「日歯連盟はできる限りの支援をする方向で、同月8日の臨時評議員会で決まった」と報告した。具体的な支援内容は今後煮詰めていく予定で、執行部一任としている。
消費税増税の対応方針、中医協の総会で了承
消費税引き上げに対する診療報酬の補填不足と10%引き上げ時の対応方針について、5日に厚労省が開いた中医協の診療報酬調査専門組織「医療機関等における消費税負担に関する分科会」から報告があり、同総会で了承した。
日本歯科新聞 | 2018年12月4日付
厚労省、フレイル対策に歯科も明記
厚労省の第5回「高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施に関する有識者会議」(座長=遠藤久夫国立社会保障・人口問題研究所所長)が11月22日に省内で開かれ、市町村が中心となって行う取り組みとして、かかりつけ歯科医による口腔の予防メニューを含めた通いの場等への参加勧奨、オーラルフレイル症状のある高齢者に対する歯科医師への接続などを盛り込んだ報告書(案)を取りまとめた。報告書案は、健康寿命の延伸に向けての後期高齢者の保健事業における市町村と広域連合との連携、国保の保健事業と介護の地域支援事業との一体的取り組み等の方向性を記したもの。
日歯、自民党らに働く場の確保等を要望
日本歯科医師会の堀憲郎会長は、11月29日に開いた定例記者会見で、同月7日に自民党と公明党それぞれに、(1)地域包括ケアシステムの中での歯科医療・口腔機能管理の充実、(2)歯科分野における働き方、働く場の確保、(3)歯科医療政策の充実―のために要望を行ったことを明らかにした。
日歯、山口県周防大島町へデンタルリンス4,300個
1カ月以上断水が続いていた山口県の周防大島町に対して、日本歯科医師会が4,300個のデンタルリンスを発送していることが分かった。11月29日の日歯会見で小山茂幸常務理事が報告した。
8020運動30周年記念シンポのプログラム完成
日本歯科医師会が12月13日に東京都千代田区のイイノホールで開催する8020運動30周年記念式典・シンポジウムのプログラムが完成した。11月29日の日歯会見で柳川忠廣副会長が報告した。
問い合わせは日歯地域保健課TEL03(3262)9211まで。
結婚後に仕事やめる割合、男0.5%、女18.9%
結婚する前後で、変わらずに「仕事あり」の割合は男99.0%、女80.7%で、結婚後に「仕事なし」になる割合は男0.5%、女18.9%だった。厚労省が28日に公表した「第6回21世紀成年者縦断調査(平成24年調査)の概況」によるもの。
藤田一雄北海道歯科医師会会長にインタビュー
北海道史上初めて最大震度7を観測し、死者41人、1万棟を超える住宅に被害を及ぼした北海道胆振東部地震。発災から3カ月が経とうとしているが、今も避難所や仮設住宅で暮らす人もおり、継続的な支援が求められている。あらためて発災当時の歯科医師会の活動や会員の被害状況、今後の課題などについて北海道歯科医師会の藤田一雄会長に聞いた。
投稿・第26回 福井県歯科保健大会(中村孝久福井県歯科医師会理事)
11月11日、新・福井県歯科医師会館にて福井県歯科保健大会を開催しました。1993年に始まったこの大会も26回目を迎え、すっかり県民に定着した行事となりました。毎年、一般の方々に向け、県民公開講座を開講しており、大変好評です。
大会の開催がきっかけとなり、県民の皆さんにより身近に歯科医師会を感じていただけたのではと期待しております。
福井県歯科医学大会も同時開催され、福井県口腔外科フォーラムや歯科技工士会講演会、福井デンタルショー、テーブルクリニックなども行われ、県内の歯科医療関係者が一堂に会する場となりました。今後とも取り組みを継続して、より一層地域医療に応えていきたいと考える次第です。
コンドロイチン硫酸の発現が顎顔面の形成に影響
コンドロイチン硫酸の発現が低下すると、顎顔面・頭蓋骨の形成不全が起こる―。新潟大学歯学部硬組織形態学分野の依田浩子准教授と愛知医科大学医学部の武内恒成教授らの研究グループは、同物質が胎児期や成長期の過程で「顎や頭部の骨の形成」や「皮膚の(正常な)柔軟性の維持」において重要な役割を果たしている機序の一部を明らかにした。
社保の歯科医療費、件数・点数とも増加
社会保険診療報酬支払基金による平成30年7月診療分の総計確定件数は9,108万5千件、点数1,454億3,275万7千点で前年同月に比べ件数は2.0%、点数は3.1%それぞれ増加した。
歯科は1,234万件、146億6,242万8千点で、前年同月に比べ件数は1.0%、点数は1.4%それぞれ増加した。歯科の件数は21年6月に増加に転じ、東日本大震災が発生した23年3月に一度減少したが、それ以降は増加している。
国保、市町村の金額が減少
国保中央会がまとめた平成30年7月診療分の総医療費は市町村国保と国保組合、後期高齢者を合わせて2兆2,910億円で、うち後期高齢者分は1兆3,686億円だった。
歯科医療費は市町村が619億円で、対前年同月比で1.6%減。組合は48億円で0.2%増。後期高齢者は510億円で6.8%増加した。
データヘルス・予防サービス見本市で歯科健診プログラムも紹介
フレイル対策、生活習慣病の重症化予防といった健康づくり・健康経営の支援プログラム等を紹介する「データヘルス・予防サービス見本市2018」が11月20日、東京都文京区のプリズムホールで開かれ、医療保険者や事業主、自治体関係者らが多く来場した。会場では「データヘルス計画」「予防・健康づくりのインセンティブ」「生活習慣病の重症化予防・フレイル対策」「健康経営・職場環境の整備」の四つのカテゴリに分けられ、各出展ブースで企業向け歯科健診プログラムや遠隔での特定保健指導サービス、健康経営の実践ツール、健康管理アプリ等が紹介された。主催は厚労省。
三師会らで税制改正の要望書準備
日本歯科医師会は、平成31年度税制改正に向けての自民党での議論を見据え、日本医師会と日本薬剤師会、四病院団体協議会との連名で新たな要望書を準備している。11月29日の日歯会見で三井博晶常務理事が報告したもの。
消費増税対応、歯科は初・再診料に配分─中医協分科会で案
厚労省は11月21日、中医協の診療報酬調査専門組織「医療機関等における消費税負担に関する分科会」を東京・永田町の全国都市会館で開いた。2014年度の消費増税時の対応で生じた補填率のばらつきを踏まえ、配点方法を見直した診療報酬による消費税補填のシミュレーション、19年10月に予定する増税への対応を示した「議論の整理」(案)を同分科会に提出した。