日本歯科新聞デジタル版を読む        

口腔機能低下症 概念と診断基準発表

日本老年歯科医学会(櫻井薫理事長)は、歯科界が新たに疾病として位置付けたい「口腔機能低下症」の概念と診断基準を発表した。「健康」と従来からある「口腔機能障害」の途中段階に「オーラルフレイル」と「口腔機能低下症」があると仮定して見解をまとめたもので、七つの評価指標のうち三つに問題があった場合を口腔機能低下症と定めている。11月22日に東京都千代田区の東京歯科大学で報道説明会を開いた。

財政制度審議会 29年度予算で建議書

財務省の財政制度等審議会は、平成29年度予算編成に向けて、社会保障費の伸びを5千億円に抑えるため高額療養費や後期高齢者の保険料軽減特例の見直し、かかりつけ医以外受診時の定額負担などを求める建議書を麻生財務相に11月17日に提出した。

歯科と薬局の連携にチャンス

歯科医院と薬局が地域で連携すると、糖尿病のような非感染性慢性疾患(CNCDs)の予防で個々の住民の健康に寄与するだけでなく、健康格差の是正、不適切な抗菌薬の使用の防止など地域保健に大きく貢献するとの論文を、前英国歯科医師会会長のN.Wilson氏と前英国王立薬剤師会会長のA.Soni氏が英国歯科医師会の機関誌『BDJ』11月号に掲載した。

100周年で記念式典-山梨県歯

山梨県歯科医師会の創立100周年を祝う記念式典が11月23日、甲府市内の甲府富士屋ホテルで開かれた。山梨県歯は大正5年に会員数18人の組織として発足、県民の健康の維持・向上のために活動し、昭和29年に福祉共済制度を開始、43年に会立の衛生士学校開校、46年に(心障者)歯科センター開設、51年に救急歯科医療センターを開設するなど着実に発展してきた。

「佐藤賞」に川戸氏ら-日大歯と同窓会

日本大学歯学部と同大歯学部同窓会は、創立者の佐藤運雄氏の遺徳を称える「佐藤会」を11月20日、東京都千代田区の同大歯学部1号館で開いた。あいさつで前野正夫歯学部長は、5月に行われた歯学部創立100周年に関わる記念式典を成功裏に終え、新病院などの記念事業も順調に進んでいると報告した。

台湾経由の国際展開探る

「第三国市場における日台ビジネスセミナー」が11月10日に東京都新宿区の京王プラザホテルで開かれ、台湾企業との連携で東南アジアや南アジアに進出したいと考えている中小企業関係者多数が参加した。主催は台湾貿易センター東京事務所で、台北駐日経済文化代表処が指導。

医療経営士の合格者を発表

日本医療経営実践協会(吉原健二代表理事)は11月16日、先月16日に実施した「第12回医療経営士2級資格認定試験」と「第19回医療経営士3級資格認定試験」の合格者を発表した。次回は1級の第二次試験が12月4日、2級が2017年6月18日、3級が同3月5日に実施される。

オーラルフレイル 口腔の機能論構築が必要

オーラルフレイルはまだ生煮えの状態で、歯科界の英知を振り絞って、歯科口腔分野の総合的な機能論を構築し、“自分事”として向き合えるような国民運動にする必要がある-。「超高齢社会における8020運動」をテーマに第14回フォーラム8020が11月19日、東京・市谷の歯科医師会館で開かれ、東京大学高齢社会総合研究機構教授の飯島勝矢氏がフレイル予防戦略について基調講演した。

口腔細菌が有害化-米・バッファロー大ら機序解明

歯科疾患の発症、進行には関与しない「善玉菌」が、いったん血管に入ると感染性心内膜炎の原因となる「招かれざる客」に化ける-。ニューヨーク州立大学バッファロー校のJason Kay准教授(口腔生物学)らの研究グループが、ストレプトコッカス・ゴルドニが白血球による攻撃をすり抜けて免疫機構から身を守る機序を解明したと発表。米国歯科顎顔面研究所(NIDCR)から優秀賞を受けた。

薬価緊急改定で見解-EFPIAとPhRMA

欧州製薬団体連合会(=EFPIA、カーステン・ブルン会長)と米国研究製薬工業協会(=PhRMA、パトリック・ジョンソン在日執行委員会委員長)は11月21日、日本の緊急薬価改定について「政府は医薬品業界とパートナーシップを組み、長期的に持続できる制度を共同で検討するべき」との提案を発表した。両団体は短期間での度重なる薬価制度の変更に対し、日本における新薬の研究開発や承認申請に深刻な影響を及ぼすとの懸念をあらわにした。

医機連がメディアセミナー 産業の成長性を解説

日本医療機器産業連合会(=医機連、中尾浩治会長)は11月24日、第3回メディアセミナーを東京・飯田橋の医機連内会議室で開いた。「数字から読み解く医療機器産業の成長性」をテーマに、医療機器政策調査研究所(=MDPRO)研究員の渡辺秀樹氏と小木曽淳一氏が統計やIR等データによる成長性評価の考察、関連企業の意識調査の結果に関して講演し、日刊紙や専門紙、週刊誌等の記者が参加した。

糖尿病関連新薬170以上開発

糖尿病および糖尿病関連疾患を有する患者は米国で3千万人を超え、糖尿病患者にかかる費用は全米で2,450億ドルに上るという。日本でも糖尿病患者数は約320万人と言われ、医療費の面でも問題視されている-。米国研究製薬工業協会(=PhRMA、スティーブ・J・ユーブル理事長兼CEO)が米・ワシントンD.C.現地時間の11月14日、最新レポート「糖尿病のために開発中の医薬品」(Medicines In Development For Diabetes)で、1型・2型糖尿病や慢性腎臓病などの関連疾患を対象とした新薬が170種類以上開発されていると発表した。

日歯会長予備選挙 堀会長が役員に出馬伝える

日本歯科医師会の堀憲郎会長は11月24日の理事会終了後に次期日歯会長予備選挙への出馬を役員に伝えた。同日の定例記者会見後、記者の質問に答えたもの。

税制改正に向けて与党に理解求める-日歯と日歯連盟

来年度の予算編成や税制改正に向けた政府・与党内の議論が活発化する中で、日本歯科医師会(堀憲郎会長)と日本歯科医師連盟(高橋英登会長)は、40人前後の自民・公明の国会議員を訪問し、医療機器に関わる特別償却制度の拡充および適用延長などを要望している。11月24日の日歯理事会後の定例会見で瀬古口精良常務理事が明らかにしたもの。

厚労省「国民健康・栄養調査」 「何でも噛める」75%

「何でも噛んで食べることができる」と回答した国民は75.2%-。厚労省が11月14日に公表した平成27年国民健康・栄養調査で分かったもので、2年前の調査と比較して1.2ポイント減少した。年代別に見ると、40~49歳では91.7%、50~59歳で83.3%、60~69歳で72.6%、70歳以上は61.4%が「何でも噛んで食べることができる」と回答した。

第80回全国学校歯科保健研究大会 池上彰氏らが講演

「『生き抜く力』をはぐくむ歯・口の健康づくりの展開を目指して」をメーンテーマに、「明るい笑顔で未来をつくる学校歯科保健活動」をサブテーマにした第80回全国学校歯科保健研究大会が11月16、17の両日、東京都文京区の文京シビックホールで開かれた。ジャーナリストの池上彰氏による記念講演会や、将来の健康づくりを見据えた学校歯科保健の在り方に焦点を置いた基調講演やシンポジウム、学校関係者からの領域別研究協議会、ポスター発表などが行われた。

日歯が女性歯科医就業支援サイト提案

日本歯科医師会(堀憲郎会長)は11月16日、都道府県歯科医師会専務理事連絡協議会を東京・市谷の歯科医師会館で開いた。協議で執行部は、「女性歯科医師の支援に関する具体策―日本歯科医師会の現時点での考え方」を示した。復職やフレキシブルな就業形態の支援などの観点から日歯ホームページ内に就業支援サイトの設置や生涯研修の充実、大学との連携による広報・研修の拡充などを挙げている。

自民党内に「歯科口腔医療勉強会」

自民党の山田宏参議院議員が座長を務める「歯科口腔医療勉強会」の初会合が11月7日、衆議院第二議員会館で開かれた。

事故発生時の対応フロー作成 歯科独自は10.9%-日歯医学会調査

日本歯科医学会の「医療事故調査制度に関する調査報告書」で歯学部附属病院や医学部附属病院歯科口腔外科、病院歯科のうち、医療事故発生時の対応フローについて歯科独自のものを作成しているのは10.9%だった。歯科独自ではないが病院全体として対応フローを作成しているのは80.2%で、9割が何らかの形で対応フローを作成している。作成していないのは国公立大学歯学部附属病院と病院歯科は0%だったが、私立歯科大学(歯学部)附属病院は6.3%、医学部附属病院歯科口腔外科は4.2%だった。

神歯大が独居者献体で横須賀市と協定

これまで難しかった身寄りのない一人暮らしの高齢者等の献体登録を可能にする事業間協定を、神奈川歯科大学と横須賀市が締結した。全国でも初めての協定で、11月15日に調印式が同市内において行われた。

エナメル形成の機序一部解明-東北大ら共同研究

東北大学の研究チームは、転写因子のエピプロフィンが歯原性上皮細胞をエナメル芽細胞に分化誘導して、エナメル質形成を行っているとのメカニズムを解明した。米国国立衛生研究所との共同研究で、米国科学雑誌「Journal of Bone and Mineral Research」電子版に掲載された。

28年6月歯科医療費・社保 件数は3.5%、点数3.0%増

社会保険診療報酬支払基金による平成28年6月診療分の総計確定件数は8,646万9千件、点数1,364億3,929万2千点で前年同月に比べ、件数は2.9%、点数は3.5%増加した。歯科は1,160万2千件、138億9,185万8千点で、前年同月に比べ、件数は3.5%、点数は3.0%増加した。

28年6月歯科医療費・国保 市町村の金額は5.1%減少

国保中央会がまとめた平成28年6月診療分の総医療費は市町村国保と国保組合、後期高齢者を合わせて2兆2,402億円で、うち後期高齢者分は1兆2,616億円だった。歯科医療費は市町村が695億円で、対前年同月比で5.1%減。組合は50億円で2.7%減。後期高齢者は479億円で3.5%増加した。

「医療費の伸び要因は薬剤費」-保団連

2000~2015年度の概算医療費と薬剤費の推移を調べ、「膨張する医療費の要因は薬剤費にあり」とする結果報告書を全国保険医団体連合会(住江憲勇会長)が11月14日に発表した。保団連は、薬剤費高騰の背景について、「日本の高薬価構造にある」と指摘、「日本の高薬価構造が是正され、その財源が技術料引き上げや患者負担軽減に振り向けられ、国民医療の改善が図られるのを強く求める」としている。

「GC友の会」主催の国際歯科シンポ 歯科医師ら6,951人来場

ジーシー(=GC、本社・東京都文京区、中尾潔貴社長)の会員組織「GC友の会」は11月12、13の両日、「新技術・知識が臨床を変える―人びとの生活を支える歯科医療」をテーマとした第4回国際歯科シンポジウムを東京・有楽町の東京国際フォーラムとJPタワーで開いた。同社の創業95周年とGC友の会60周年を記念したイベントで、両日合わせて歯科医師ら6,951人が来場。うち約300人は外国人で、アメリカやドイツ、フランス、中国など31カ国の歯科医師らも多く参加した。

FDI会長がGCの記者会見で「高齢者の口腔保健を重視」

多くの国々が高齢社会を迎えつつある中、高齢者のための歯科医療・口腔保健の充実はとても重要であり、訪問歯科診療に関する政策や体制は今後より一層求められる-。11月13日に開かれた第4回国際歯科シンポジウム内のジーシーの記者会見で、世界歯科連盟(FDI)のPatrick Hescot会長が発言したもの。同会見にはHescot会長のほか、国際歯科医学会(IADR)のJukka H. Meurman会長、同社の中尾潔貴社長と中尾眞取締役会長、冨澤実常務取締役が出席した。

日歯連盟迂回寄付事件で来月から裁判開始

日本歯科医師連盟の迂回寄付事件で政治資金規正法違反の容疑で起訴されている元日歯連盟副理事長の村田憙信氏の初公判が12月7日に東京地方裁判所で開かれる。本紙の調べで分かったもので、村田氏の公判は12月15日にも行われる予定。

自民・山田参院議員 歯科健診義務化訴える

日本歯科医師連盟(高橋英登会長)は11月10日、都道府県歯科医師連盟会長・理事長・広報担当理事合同会議を東京・市谷の歯科医師会館で開いた。山田宏議員が「歯科医療政策のビジョンを語る」、高橋会長が「これからの歯科医療の目指すところ」をテーマに特別講演した。

「リグロス」保険導入

歯周炎による歯槽骨の欠損に効能・効果がある科研製薬の「リグロス歯科用液キット600μg」と「リグロス歯科用液キット1,200μg」の保険適用が、11月9日の中医協で承認された。薬価は600μgが2万670.90円、1,200μgが2万7,802.90円で、11月18日が薬価収載日となる。原価計算方式による薬価算定によって、他の歯科用薬剤に比べて30倍以上高額設定になった。

秋の叙勲・褒章 歯科関係者で54人受章

政府は11月3日に平成28年秋の叙勲を発表した。歯科関係者では厚労省関係では元日歯会長の井堂孝純氏が旭日中綬章、旭日小綬章を4人、保健衛生功労で歯科医師16人、歯科技工士1人が旭日双光章、へき地保健衛生功労で歯科医師1人が瑞宝双光章を受章した。文科省関係では教育研究功労により日本大学名誉教授の戸田善久氏のほか4人が瑞宝中綬章、1人が瑞宝小綬章、さらに学校保健功労により25人が瑞宝双光章を受章した。また、政府が11月2日に発表した秋の褒章で、文科省関連の歯科関係では松本歯科大学理事長の矢ケ崎雅氏が教育振興功績により、藍綬褒章を受章した。

ベストスマイル・オブ・ザ・イヤー 五輪銅三宅さんと松坂さん

今年最も笑顔がすてきだった著名人に贈られる「ベストスマイル・オブ・ザ・イヤー2016」に、ウエイトリフティング選手でリオ五輪・銅メダリストの三宅宏実さんと俳優の松坂桃李さんが選ばれた。

日歯が医療事故調で研修会

日本歯科医師会(堀憲郎会長)は、医療事故調査制度が施行されてから1年が過ぎたのを機に、医療事故が起きた場合の対応を学ぶ「医療事故調査制度研修会」を10月29日に東京・市谷の歯科医師会館で開いた。局所麻酔剤の投与後に死亡したとする想定事例について、グループごとに対応方法や課題などを話し合った。

神奈川県歯 110周年で記念式典

神奈川県歯科医師会の創立110周年を祝う記念式典が、横浜市のヨコハマグランドインターコンチネンタルホテルで10月27日に開かれた。1926年の創立とされていたが、文献等からの調べで創立を1906年に変更したための周年行事となった。

日歯と日医が役員意見交換会

日本歯科医師会役員と日本医師会役員による意見交換会が10月25日に、東京都文京区の日医会館で行われた。会見で堀会長は「多岐にわたるテーマで意見交換が行え、互いの意思疎通が図れたと感じている」と述べた。

技工士の制度的保証確立を要望-保団連

全国保険医団体連合会は、第14回保団連歯科全国交流集会を東京・新宿のエステック情報ビルで10月30日に開き、患者の窓口負担の軽減や歯科技工士の制度的保証の確立、歯科衛生士の評価を高めるなど4項目の決議を採択した。

中山間地域の歯科医療機関 10年後に半減?

7月に開催された第57回日本歯科医療管理学会学術大会において、中山間地域における歯科医療機関の未来をシミュレーションする調査結果を島根県歯科医師会(渡邊公人会長)が発表した。それによると、同県の中山間地域にある歯科医療機関は2015年時点では113施設だが、25年には約半数になる可能性があるとし、歯科医療の受診が困難となる地域の急増が予想されている。同調査結果は、超高齢社会で全国に中山間地域が点在する日本の今後の歯科医療提供の在り方を考える上で注目される。

かかりつけ歯科医の選定基準トップは「人柄」-私立歯大協調査

10代から70代の男女1千人に対する意識調査で、3人に1人(64.3%)が「かかりつけ歯科医院がある」と回答し、その選定基準は「人柄」が50.5%で最も高かった。日本私立歯科大学協会が「いい歯の日」を前に行ったもので今回が4回目。2012年の前回調査と比べて、かかりつけ歯科医院のある割合は2.8ポイント増に留まっているが、選定基準では前回65.0%で1位だった「立地」が3位(46.4%)に後退し、「人柄」が10.3ポイント増で1位、「技術」が11.5ポイント増の46.7%で2位となっている。

OSAS 脳卒中や糖尿病の増悪因子

日本私立歯科大学協会(井出吉信会長)は、歯科の担う役割の大きさや魅力について社会に発信するための第6回歯科プレスセミナーを11月1日に東京・丸の内のコンファレンススクエアエムプラスで開いた。岩手医科大学歯学部口腔保健育成学講座歯科矯正学分野教授の佐藤和朗氏が「医歯連携で行う睡眠時無呼吸症候群の治療」、朝日大学歯学部口腔機能修復学講座口腔生理学分野教授の硲哲崇氏が「何を食べたいかを脳はどう決めるか―好き嫌いをさせない摂食の脳科学」についてそれぞれ話した。

歯周炎診断法 原因細胞の検出 GCF使って診断

奥羽大学薬学部・大島光宏教授らの研究グループは、歯周炎の早期発見につながる検出方法および診断方法を立て続けに開発している。ある遺伝子の欠損した線維芽細胞が歯周炎の原因だと突き止め、同原因細胞をPCRで検出する方法を確立し、国際特許を申請。さらに歯肉溝滲出液のmi(マイクロ)RNAの発現パターンによる診断方法も開発しており、国際特許を申請、臨床応用を目指す。

歯周病の発症リスク 男性は職種が影響

男性における歯周病の発症リスクは職種で異なる。岡山大学病院予防歯科と愛知学院大学、三重大学の共同研究グループが明らかにしたもので、生産工程・労務従事者や販売従事者、運輸・通信従事者は、専門的・技術的従事者と比べて高リスクだった。「職域における歯科検診は任意だが、リスクの高い職種に対しては、定期的な歯科検診と歯科保健指導の実施を強く推奨する」と訴えている。

水平位診療の開発者 Dr.ビーチ死去

国内外で導入されている歯科水平位診療システムの開発者として知られるダリル・レイモンド・ビーチ氏は10月29日、死去した。90歳。同氏は1926年2月14日生まれ。2000年には春の叙勲で勲三等瑞宝章を受章している。

歯科コンピュータ協 創立20周年で記念祝賀会

日本歯科コンピュータ協会(山中一剛会長)は11月8日、創立20周年記念講演会・祝賀会を東京・恵比寿のウェスティンホテル東京で開いた。祝賀会のあいさつで、山中会長は「1996年の設立当初は歯科用レセプトコンピュータが普及し始めたころで、当時の歯科用コンピュータ企業関係者は器材の販売規制など薬事法に関する知識をあまり把握していなかったので、コンピュータメーカーの流通を整備すべく当協会は発足された」と、当時の設立背景を紹介。記念講演会・祝賀会に先立ち、第21回定期総会も行われ、新役員の選任を含む全ての議案が承認・可決された。

世界医師会次期会長に横倉日医会長

日本医師会の横倉義武会長が世界医師会(WMA)の次期会長に就任した。10月22日に台湾の台北で開かれた世界医師会総会で決まったもの。横倉会長は日医を通じて「大変に名誉なことだ。世界医師会の活動がより広く認知され、多くの成果がもたらされるよう今後も努力していく」との談話を発表した。横倉会長が世界医師会会長に就任するのは2017年10月にアメリカのシカゴで行われる総会で、任期は1年間。

柔道家・古賀氏 マウスガードの体育授業での有用性示唆

バルセロナオリンピック金メダリストの柔道家、古賀稔彦氏は、「上級者は経験からけがを未然に防ぐ力があるが、初心者はけがのリスクがある」として、学校の授業や町道場ではマウスガードを使う有用性があるのではないかと提案した。10月21日から3日間、福岡市で開かれた日本歯科医学会総会の日本歯科医師会プログラム「日本のスポーツ振興と歯科医学・歯科医療~2020年東京オリンピックに向けて」のライブインタビューで発言したもの。

次世代型保健医療システムを提案

厚労省の「保健医療分野におけるICT活用推進懇談会」は、2020年度から段階的に次世代型保健医療システムの運用を提言する報告書を10月19日に公表した。次世代型システムは、診療データなどを分析し現場で最適な診療を支援する「次世代型ヘルスケアマネジメント」、患者や保健医療専門職が情報共有できる「PeOPLe(Person centered Open PLatform for well-being)」、目的別に保健医療データを収集・加工・提供できる「データ利活用プラットフォーム」を連動させる仕組みで、ICT技術を積極的に取り入れながら国民本位のオープンなインフラ整備を図る。

佐藤日歯副会長 がん対策の推進を求める

日本歯科医師会の佐藤保副会長は、厚労省が10月26日に開いたがん対策推進協議会に参考人として出席し、口腔がん対策や周術期の医科歯科連携のさらなる推進の必要性を訴えた。会合には国立がん研究センター中央病院歯科医長の上野尚雄氏も同席し、がん対策推進に対する歯科医師の取り組み状況を説明。審議では出席者から歯科医師の取り組みを評価する一方、現場でがん患者に対応している歯科医師がどのくらいいるのか分からないなどの意見が挙がった。

日歯大創立110周年など祝う

日本歯科大学創立110周年記念全国校友大会と創立者の中原市五郎氏生誕150年を祝う式典・講演会・祝賀会が10月22日に東京都千代田区の帝国ホテルで開かれ、1,700人以上が参加した。式辞で主催を代表して同大校友会の近藤勝洪会長が「明治40年の創立以降、幾多の困難を乗り越えて世界最大の歯科大学に発展した」と強調した。その上で、「校友会は、母校の発展を願う強い絆と団結力により、長崎・普賢岳の火砕流や阪神淡路大震災、中越地震、東日本大震災、熊本地震などで会員が被災したらいち早く支援してきた」と語り、今後も母校の発展のために努力していくと誓った。

軽度介護者の負担増を議論-社保審部会

厚労省の社会保障審議会介護保険部会は、10月19日に開いた会合で軽度の要介護者の利用者負担の引き上げを審議した。委員からは引き上げを容認する意見がある一方、要介護の重度化を招くといった慎重論もあった。

「かかりつけ医」以外の受診時 定額負担に異論相次ぐ

厚労省は、患者が「かかりつけ医」以外を受診した場合に「定額負担」を求める案を10月26日開催の社会保障審議会医療保険部会に提示した。同案には医療関係団体だけでなく健保連など保険者団体からも反対の声が相次いだ。

総会で2議案を可決-全歯連

全国歯科医師国民健康保険組合連合会(山口誠一郎会長)は、平成28年度第1回通常総会および懇親会を、千葉県浦安市の東京ディズニーランドホテルで10月15日に開いた。総会では27年度事業とそれに伴う歳入歳出決算の二つの議案を可決したが、協議として提出した「規約の一部改正(案)」と「選挙規程の一部改定(案)」については、理事会で再検討の上、再提出となった。

28年8月の歯科診療所 6万8,910施設

厚労省の施設動態調査による平成28年8月末現在の歯科診療所数は全国で6万8,910施設で、前月よりも22増えた。前年同月比の全国の歯科診療所数の動向では、193施設増加。開設者別歯科診療所数の個人は対前年同月比で298減、医療法人は488増。

第23回日本歯科医学会総会 九州・福岡で初の開催

4年に1度の国内歯科界最大の学術大会、第23回日本歯科医学会総会(水田祥代会頭)が10月21日から3日間、初めて九州の地で開かれた。主催は日本歯科医師会および日本歯科医学会で、九州地区連合歯科医師会共催。後援には文科省、厚労省、日本学術会議、福岡県、福岡市が名を連ねている。テーマは「歯科医療 未来と夢」。

高齢者歯科の支援で寝たきり患者の義歯を再考

寝たきりなど口腔機能が低下した無歯顎患者に求められる義歯をつくるためには、従来法の概念を捨てる必要がある。岡山大学大学院教授の皆木省吾氏は、口腔関連適応能力が低下した患者に対して、床幅系を短縮し、前歯人工歯等を除去した咬合・嚥下床の症例などを示し、口唇、頬、舌運動時に動揺しない基礎床の有用性を強調した。日本歯科医学会総会の分科会プログラムのシンポジウム「高齢者歯科医療を支える3本の柱と2本の鎹(かすがい)」の中で講演したもの。

口腔内細菌叢 偏頭痛の原因か

特定の口腔内細菌叢では、細菌が血中の硝酸塩を亜硝酸塩に転換させる働きをし、偏頭痛の原因になり得る。アメリカ・サンディエゴ大学の小児科医Antonio Gonzalez氏らがアメリカ腸管プロジェクトの一環で研究したもの。アメリカ偏頭痛協会が10月18日、学術報告サイト「mSystems」に論文を掲載した(DOI:10.1128/mSystems.00105-16)。

フィードと韓国インプラント企業「DIOデジタル」を設立

歯科材料や医療機器等の販売を行うフィード(本社・横浜市、小間井俊輔社長)は、口腔内スキャナーによるデジタル技術を活用した院内向け製品・サービスを提供する合弁会社「DIOデジタル」を韓国の歯科用インプラントメーカー、DIO Corporation(本社・釜山、Kim Jin-Cheol社長)と共同で10月26日に設立した。

日本デンタルショー2016福岡

10月21~23日に福岡市のマリンメッセ福岡で開かれた「日本デンタルショー2016福岡」には歯科医師ら1万9,160人が来場し、製品の展示に加え、各社ブース内でのミニセミナーや体験デモにも多くの人の関心が集まり、活気あふれる展示会となった。来場者の内訳は日本歯科医学会総会の参加者9,197人、同デンタルショー登録者9,963人。

医療経済フォーラムシンポ 医療保障財源を議論

「日本経済と医療保障財源」をテーマにした医療経済フォーラム・ジャパン主催の第15回公開シンポジウムが10月20日、東京・九段下のホテルグランドパレスで開かれた。自民、公明、民進、共産、日本維新の各党の国会議員がシンポジストとして出席し、社会保障財源の在り方について持論を展開した。