日本歯科新聞デジタル版を読む        

大臣への「意見書」取りまとめ—診療•支払側の主張を併記

中医協は11日の第440回総会で、令和2年度診療報酬改定についての厚労大臣に対する意見書を取りまとめた。診療側の「プラス改定」、支払側の「マイナス改定」の主張を両論併記した上で、改定率の設定に適切な対応を求めている。

総会では、公益委員がまとめた意見書案に対して、診療側、支払側から反対意見は出ず、そのまま大臣へと提出することを了承。田辺国昭会長から同日総会に出席していた濵谷浩樹保険局長に意見書が手渡された。

医療機関が歯科を予約し患者を紹介したら評価—厚労省が提案

厚労省は次期診療報酬改定の議論で、周術期等口腔機能管理での連携を推進する観点から、「手術を行う医療機関が歯科医療機関の予約を取った上で患者を紹介した場合に評価してはどうか」と提案した。11日の中医協総会で、医科歯科連携の推進に関する論点として示されたもので、「小児在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料において栄養サポートチーム等連携加算の算定ができるようにしてはどうか」や「周術期等専門的口腔衛生処置の実態に応じた算定要件に見直してはどうか」などの提案もあった。

オーラルフレイル対策で8020財団がフォーラム

「オーラルフレイルの予防と対策、更なる推進に向けて」をテーマに8020推進財団(堀憲郎理事長)は、第17回フォーラム8020を7日、東京都千代田区の歯科医師会館で開いた。東京大学高齢社会総合研究機構の飯島勝矢教授と東京都健康長寿医療センター歯科口腔外科の平野浩彦部長による基調講演や、厚労省の医政局と老健局からの行政報告、学術講演、実践報告などが行われた。

保団連がマスコミ懇談会で金パラの問題など訴える

 全国保険医団体連合会(住江憲勇会長)は5日、都内でマスコミ懇談会を開き、医療経済実態調査への見解や、歯科用貴金属の価格高騰問題などについて解説し、医療の置かれている状況への理解を求めた。

保団連副会長で歯科代表の宇佐美宏氏は、医療経済実態調査について、「サンプルが625件と少なく、正しく実態を評価したものになっているか問題がある。また、歯科の自由診療については、全体から保険診療分を引いて出されているので注意が必要」と指摘。

FDIが「AMR白書」の意義を説明

世界歯科連盟(FDI)は11月19日、このほどまとめられた薬剤耐性(AMR)に対する歯科医療の取り組みに関する白書の意義に関して、筆頭著者のウェンディ•トンプソン博士のコメントを発表した。

同氏は、イギリス•ウェストヨークシャー州で臨床歯科医として診療する傍ら、リード大学で細菌学やAMRに関する研究を行い、各国でAMRへの歯科医療従事者の認識を高めるための講演活動などを展開。

低フォスファターゼ症治療法開発を目指しクラウドファンディング-阪大小児歯科•矯正科

先天的に、骨や歯の形成が阻害される難病の低フォスファターゼ症の治療法を確立するため、大阪大学歯学部附属病院の小児歯科(仲野和彦科長)と、同矯正科(山城隆科長)が挑戦プロジェクトを立ち上げ、クラウドファンディングで研究費を集めることになった。目標金額は300万円。募集は2020年1月20日午前9時から4月17日午後11時まで。

「削らない歯学会」が第1回セミナー

削らない歯学会(=AMOTT、豊山洋輔代表理事)は8日、東京都港区のTKPガーデンシティ品川で、第一回セミナーを開催した。テーマは「革新的!最新歯科工学」で、低侵襲の歯科医療に必要な基盤技術を開発している工学系の研究者らによる講演を企画。すでに実用化されている最新治療技術を紹介するとともに、今後の改善課題などを示した。

横浜デンタルショーに経営相談コーナー新設

来年1月12、13日にパシフィコ横浜で開催される「第48回横浜デンタルショー」(主催•横浜デンタルショー運営委員会、後援•横浜市歯科医師会など)に新たな企画として、30の企業や事務所が出展する経営相談コーナーが設置される。

訃報•中田  俊 氏—アイデンス創設者

アイデンス(本社•大阪市、町田貴之社長)の創設者•中田 ]俊(なかた•たかし)氏は12月7日、死去した。74歳。

中医協で「改定の基本方針」を報告

「令和2年度診療報酬改定の基本方針」が11日の第440回中医協総会で報告された。社保審の医療部会と医療保険部会が10日に取りまとめたもの。基本方針では、「改革に当たっての基本認識」と「改定の基本的視点と具体的方向性」「将来を見据えた課題」についての考えをまとめている。

改定の基本方針に歯科の文言を追加

社保審医療部会が9日、東京•永田町の全国町村会館で開かれた。「令和2年度診療報酬改定の基本方針」の取りまとめ案が示され、おおむね了承された。先月の骨子案に委員の意見を反映させたもので、具体的方向性の例の中で、「効果的&#効率的で質の高い在宅医療・訪問看護の提供体制を確保」が「効果的•効率的で質の高い訪問診療、訪問看護、歯科訪問診療、訪問薬剤管理等の提供体制を確保」に変更。さらに「地域包括ケアシステムの推進のための取組」の中に「医科歯科連携」を追記した。

「国民皆歯科健診」目指し有志議員が勉強会

議員連盟の立ち上げを見据えた「『国民皆歯科健診』で健やかな人生100年時代を実現する会(国民皆歯科健診を実現する会)」は、糖尿病専門医の西田亙氏を講師に招き、第1回勉強会を10日、東京都千代田区の衆議院第一議員会館で開いた。古屋圭司衆議院議員を呼びかけ人として、12人の国会議員が参集。今後3、4回の勉強会を経て、議員連盟の立ち上げを図る。

診療報酬改定、診療側「プラス改定を」、支払側「マイナス改定に」

中医協の第439回総会が6日、東京•永田町の全国都市会館で開かれ、令和2年度診療報酬改定について、支払側から「マイナス改定とすべき」、診療側から「プラス改定とするべき」との意見書が提出された。今後、医療経済実態調査と次期診療報酬改定に関する双方の見解や薬価調査の結果を踏まえて、公益委員が厚労大臣に対する意見の総論を作成し、総会での議論を経て、中医協から大臣に提出する予定。

国民医療を守るための総決起大会に1千人

日本歯科医師会や日本医師会など医療関係団体で構成される国民医療推進協議会は、「国民医療を守るための総決起大会」を6日に東京都千代田区の憲政記念館で開いた。約1千人の医療関係者や国会議員らが集まり、持続可能な社会保障制度の確立のために適切な財源の確保を求める決議を採択した。

薬価調査で歯科用薬剤のみ“逆ザヤ”

厚労省は、医薬品価格調査(薬価調査)の速報値を4日の中医協総会で報告した。薬価と市場での取引価格との開きを表す平均乖離率は約8.0%だったが、歯科用薬剤はマイナス4.6%となっている。歯科用薬剤の乖離率のみマイナスな状況を受けて日本歯科医師会常務理事の林正純委員は改定での対応を求めた。なお、今回の薬価調査では、適正な市場実勢価格を把握する観点から、談合疑惑が報じられた医薬品卸売大手の4社のデータは除外している旨の報告があった。

また、厚労省は、特定保険医療材料価格調査(材料価格本調査)の速報値で平均乖離率が約5.8%だったと報告した。

口腔•咽頭等がんの死亡数は7,576人

口唇や口腔および咽頭のがんで2018年に死亡した人は7,576人だった。厚労省が11月28日に公表した2018年人口動態統計(確定数)によるもの。

死亡数は戦後最多の136万2,470人(男69万9,138人、女66万3,332人)で、死因別では、「悪性新生物」が37万3,584人で最も多く、次いで「心疾患」20万8,221人、「老衰」10万9,605人、「脳血管疾患」10万8,186人、「肺炎」9万4,661人、「不慮の事故」4万1,238人、「誤嚥性肺炎」3万8,460人と続く。

人口の自然増減、12年連続で減少

2018年人口動態統計(確定数)によると、出生数は過去最少の91万8,400人で、自然増減数は44万4,070人減と、12年連続で減少している。

健康な女性の17.4%が食後の歯磨きを重視

厚労省は、同じ集団に対して13年前から毎年継続して行っている第14回「中高年者縦断調査」の結果を11月27日に公表した。第1回調査から14回まで健康状態が「よい」と回答している人が心掛けていることで、女性の17.4%が「食後の歯磨き」と回答している。

同調査は、2005年10月末に50~59歳だった全国の中高年者世代の男女を対象に、家族や健康、就業の状況などを継続的に把握し、高齢者対策などの厚生労働行政施策の基礎資料を得ることを目的としている。

令和元年9月の歯科診療所数は6万8,511施設

厚労省の施設動態調査による令和元年9月末現在の歯科診療所数は全国で6万8,511施設で、前月より11減少した。

開設者別歯科診療所数の個人は544減、医療法人は439増となっている。

保団連•医療経済実態調査受け「抜本的プラス改定を」

全国保険医団体連合会は、第22回医療経済実態調査の結果を受けて、「医療機関全体で経営状況変わらず~診療報酬の抜本的プラス改定を強く求める~」と題する談話を11月27日に発表した。

介護サービス受給者は年間517万9千人

厚労省が発表した平成30年度「介護給付費等実態統計」で、介護予防サービスの年間受給者は101万9,100人、介護サービスは517万9,200人で、重複を除くと計597万3,500人がいずれかのサービスを受けていることが分かった。

介護予防サービスで、歯科医師や歯科衛生士も携わる「介護予防居宅療養管理指導」の累計受給者は63万5,200人。

病院団体協が入院基本料の増額など要望

16の病院団体からなる日本病院団体協議会(長瀬輝諠議長)は11月22日、入院基本料の増額や医師事務作業補助加算の対象拡大などを求める「令和2年度診療報酬改定に係る要望書(緊急)」を厚労省保険局長宛に発出した。

要望書では、地域医療構想や地域包括システムの推進、医師の働き方改革や医師偏在の解消への対応等の課題が山積している中で、医療経済実態調査や他の病院経営調査から病院経営が厳しい局面を迎えていると指摘。

育児でブランク9年「ママ技工士」の挑戦

11月17日、東京・両国のKFCビルで開催された東京都歯科技工士会の若手講師リレーセミナーで、「子育て9年、技工ブランク9年主婦の挑戦~子育てと仕事の両立を目指して」と題した講演があった。演者は埼玉県越谷市で2018年4月にデンタルラボアメティスタを開業した立澤玲奈氏。総務省が17年に発表した調査によると、第1子の妊娠出産を機に約4割の女性が退職しているという。

立澤氏は2000年に日本歯科大学附属専門学校歯科技工士科を、02年に同校専攻科のポーセレン科を卒業。歯科技工士所や院内ラボに勤務した。 自宅開業を選んだ理由として、「母親、妻として笑顔でいられるのが一番と考えた。それでも育児、家事、仕事をこなしていく上で、悩むことは多い。働きに出ていく人はなおのこと」と述べ、参加しているラボ経営者に職場の環境改善を求めるとともに「『ありがとう』の一言で感謝の気持ちを伝えてほしい」と訴えた。

令和元年7月の歯科医療費 社保・件数は9.9%、点数は9.5%増

社会保険診療報酬支払基金による令和元年7月診療分の総計確定件数は9,856万5千件、点数1,576億8,563万6千点で前年同月に比べ件数は8.2%、点数は8.4%それぞれ増加した。

歯科は1,356万4千件、160億5,159万9千点で、前年同月に比べ件数は9.9%、点数は9.5%増加した。

令和元年7月の歯科医療費 国保•市町村の金額は2.4%増加

国保中央会がまとめた令和元年7月診療分の総医療費は市町村国保と国保組合、後期高齢者を合わせて2兆3,936億円で、うち後期高齢者分は1兆4,546億円だった。

歯科医療費は市町村が634億円で、対前年同月比で2.4%増加。組合は50億円で6.0%増。後期高齢者は569億円で11.5%増。

AMDDが「単回使用医療機器」の再製造を解説

米国医療機器•IVD工業会(AMDD、加藤幸輔会長)は3日、東京都千代田区のトラストシティカンファレンス丸の内で、単回使用医療機器の再使用、再製造に関するメディア向け講演会を開いた。

感染予防の観点から ディスポでの使用が要求されている医療機器が年々増加する傾向にあり、医療費圧迫要因となるだけでなく、プラスチック系の廃棄物の原因ともなっており、各国で対策が求められている。厚生労働省では、使用済みの単回使用医療機器(SUD)を医療機器製造販売業者が回収、分解、洗浄、部品交換、再組み立て、滅菌などの処理を行い、再び「新品」として流通することを認めており、8月には、再製造ラッソー(日本ストライカー)の申請を承認した。このような再製造品をR-SUDと呼び、今後、普及させていくことを検討している。

第10回高機能素材Week 歯科関係の商品も展示

材料・加工機械の総合展「第10回高機能素材Week」が4~6の3日間、千葉市の幕張メッセで開かれた。フィルム•プラスチック•金属•セラミックスなどの素材、加工技術、製造装置、検査関連技術を一堂に展示。歯科分野に関する製品等も紹介された。各業界の研究者•開発•製造担当者等の関係者らが来場した。主催はリード エグジビション ジャパン。

診療報酬の充実求める—国民歯科問題議員連盟が財務相らに申し入れ

国民歯科問題議員連盟(尾辻秀久会長)は11月26日、東京•永田町の参議院会館で勉強会を開き、次年度歯科診療報酬改定に対する要望書について承認し、麻生太郎財務大臣、菅義偉官房長官、加藤勝信厚労大臣への申し入れを行うことを確認した。日歯の堀会長は、診療報酬改定の仕組みを説明した上で、歯科の重要性に理解を求めた。

次期診療報酬改定「3倍の改定率が必要」—堀日歯会長

日本歯科医師会の堀憲郎会長は、次期診療報酬改定について、歯科を取り巻く経済環境や国の政策として求められる役割、責任を踏まえて、前回の3倍の改定率が必要との考えを示した。11月28日の定例記者会見で述べたもの。

自民党が厚労大臣に改定の方向性示す

かかりつけ医•歯科医の機能の評価等の推進や、歯科疾患の重症化予防、医科歯科連携の推進などを盛り込んだ「令和2年度診療報酬改定について」の基本的な考え方と方向性を、自民党社会保障制度調査会の鴨下一郎会長が、11月26日付で加藤勝信厚労大臣に示していることが分かった。

医療経済実態調査の結果受け、支払側•診療側が見解—中医協

中医協の第436回総会が11月27日、東京•霞が関の厚労省内で開かれ、第22回医療経済実態調査に対する支払側と診療側の委員からの見解が示された。

診療側委員の見解の中では、個人立歯科診療所について、直近2事業年の保険診療収益が0.16%にとどまり、平成30年度改定率のプラス0.69%に対して増加率が小さく、経営が依然として厳しい状況が続いていると指摘。経営努力と経費削減努力は限界に達しているとして、抜本的な対応を求めた。また、資料として、日本歯科医師会の見解も提出された。

共用試験公的化等で報告書案法改正を視野–医道審歯科医師分科会

厚労省の医道審歯科医師分科会が11月25日、東京•霞が関の経済産業省別館で開かれ、「シームレスな歯科医師養成に向けた共用試験の公的化といわゆるStudent Dentistの法的位置づけについて」と題した報告書案が示された。同分科会では、歯学生が臨床実習で行う歯科医療行為を法的に位置付けるための議論を行っており、報告書案では、「卒前•卒後の一貫した歯科医師養成」「共用試験の公的化といわゆるStudent Dentistの法的位置づけについて」「共用試験の公的化といわゆるStudent Dentistが法的に位置づけられることの影響」「診療参加型臨床実習の充実のための個別の取り組み」について、これまでの議論をベースにまとめられている。

診療報酬改定の骨子で林委員「歯科訪問明記を」—社保審部会

第121回社保審医療保険部会が11月21日、都内の全国都市会館で開かれ、12月に取りまとめ予定の「診療報酬改定の基本方針」について議論した。日本歯科医師会常務理事の林正純委員は、基本方針の骨子案に改定の具体的方向性として示された「医療機能の分化•強化、連携と地域包括ケアシステムの推進」の中に例示された「質の高い在宅医療・訪問看護の確保」に触れ、在宅医療の文言に含まれている歯科訪問診療を別途、明記することを厚労省に要望した。

高齢者の負担増や保健事業推進を決議—健保連全国大会

健康保険組合連合会(大塚陸毅会長)は「迫る2022年危機!今こそ改革断行を!—現役世代を守りたい!国民皆保険を支えるために」を掲げ、11月22日に東京•有楽町の東京国際フォーラムで、令和元年度健康保険組合全国大会を開いた。組合関係者約3,500人が集まった。

元都歯会長の鶴巻克雄氏を偲ぶ

元東京都歯科医師会会長で元世界歯科連盟会長の鶴巻克雄氏を偲ぶ会が11月21日、東京都千代田区の歯科医師会館で執り行われた。

鶴巻氏は、昭和6年6月30日、文京区に生まれ。日本大学歯学部を卒業し、35年に同大大学院歯学研究科を修了。東久留米市で長年、地域医療に従事、都民の口腔衛生の向上に貢献した。

歯科診療に従事しつつ、日歯広報室委員を皮切りに、東久留米市歯、都歯、日歯、国際歯科連盟の役員を歴任。平成元年4月から4年間を東久留米市歯会長、5年から4年間を都歯会長の要職に就任。平成4年には日本顕彰会社会保険貢献表彰、7年に厚生労働大臣賞を受賞している。

医療経営士2級 163人が合格

日本医療経営実践協会(吉原健二代表理事)は11月20日に、10月20日に実施した「第18回医療経営士2級資格認定試験」と「第28回医療経営士3級資格認定試験」の合格者を発表した。

舌の形態•運動異常 発生時のシグナル伝達が影響

舌の形態•運動異常には、舌の中を充たす筋肉を整然と配置するために必要なシグナル伝達経路の欠失や減少が原因となる。東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科分子発生学分野の井関祥子教授らの研究グループが明らかにしたもの。国際科学誌『Development』オンライン版(11月12日)で発表された。

HOSPEX Japan 2019開催

医療•介護の専門展示会「HOSPEX Japan 2019」が11月20~22の3日間、東京都江東区の東京ビッグサイトで開かれた。医療・介護・福祉分野の設備機器、給食、睡眠•スポーツ、アレルギー対策等を含む製品•サービスが展示。歯科分野に関する製品等も紹介された。医療•介護分野などの関係者ら1万4,846人が来場した。主催は日本能率協会。