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厚労省は03年6月診療分の社会医療行為別調査結果を発表

03年6月診療分の歯科診療の1件当たり平均点数は1,452.6点で前年に比べ67.7点、4.9%、1日当たり点数では595.6点となり、2.2点、0.4%増えた。また、1件当たり日数でも前年比で0.10日増えた。厚労省が9月22日発表した「社会医療行為別調査結果の概況」によるもの。歯科診療行為別の1件当たり点数では「歯冠修復及び欠損補綴」が693.9点で最も高く、5割近くを占めている。次いで高いのは「処置」の226.6点、「初・再診」188.2点、「指導管理等」の105.1点と続き、対前年比で26.2点、13.3点、8.5点、3.5点といずれも増加している。

医療保険業務研が「歯科医院の電算化割合が7割弱」と発表

医療保険業務研究会が04年5月診療分について調べた医科、歯科及び調剤の電子計算機による診療報酬明細書作成状況では、歯科医院の電算化割合は67.7%、医院数4万7,112軒で、前年に比べ2.9ポイント、1,308軒増えた。また、件数の電算化割合は82.4%、698万8千件で、前年に比べ0.6ポイント、4万2千件増えた。

第2次小泉改造内閣の厚労相に尾辻参院議員が就任

小泉純一郎首相は9月27日、第2次小泉改造内閣を発足させた。厚生労働大臣には、旧橋本派の尾辻秀久参院議員(63)が就任した。尾辻氏は、皇居での認証式を終えた後、午後9時半過ぎ、厚労省内で就任後初の会見を開き、「自民党厚生労働部会長を経験し、難問山積の厚生労働行政で大変な重責を感じる。あらん限りの力を振り絞って任務を全うしたい」との抱負を述べた。また、小泉首相から?持続可能な社会保障制度の見直し?年金一元化及び社会保険庁改革?三位一体改革?介護保険制度の見直し?混合診療の解禁?児童待機ゼロ作戦などの少子化対策?サービス量の拡大などの雇用対策を進めるように指示があったことを明らかにした。特に混合診療については「個人的には賛成」としながらも「厚労省の考え方もあると思うので省内の考えを十分聞きたい」との考えを述べた。

日技代議員会での「免許更新制」の要求に執行部が「統一試験が先決」との見解示す

日本歯科技工士会(中西茂昭会長)は9月18日、東京・市谷の日本歯科技工士会館で第80回代議員会を開き、2003年度事業経過報告及び会計収支決算など3議案を可決した。 近畿ブロックからは歯科技工士免許更新制を求める意見が出された。山口佳男常務理事は「いまだ統一試験が行われていないなかでの歯科技工士免許であり、早期に統一試験に移行することが先決。免許更新はその後に検討すべき問題だ」との見解を示した。

5月末の歯科診療所数は6万6,302施設で前月比69施設増

2004年5月末現在の全国の歯科診療所数は厚労省の医療施設動態調査で6万6,302施設となり前月より69施設増えた。

三井住友銀行グループは東京大学らと協力関係を結ぶことで合意

産学連携推進を図るため三井住友銀行グループは、東京大学らと協力関係を結ぶことで合意した。同グループの取引先の中堅・中小企業の大学への技術相談若しくは共同研究等のニーズを汲み上げ、各大学に提供する。中堅・中小企業は、大学等学部機関と連携した研究開発推進のニーズを持ちながら、伝手が得られない場合が多い。そのため、同グループが企業と大学の橋渡しとなりニーズマッチングを行い、産学連携活動を推進するのが目的。

東京地裁は臼田貞夫氏を2,000万円で保釈

東京地裁は9月27日、自民党旧橋本派への1億円献金事件で政治資金規正法の容疑で起訴された日本歯科医師会前会長の臼田貞夫氏、平成研の会計責任者・滝川俊行氏の保釈を決定した。保釈保証金は臼田氏が2,000万円、滝川被告が600万円。両氏とも即日納付し、東京拘置所から保釈された。

東京地検は村岡元官房長官を政治資金規正法違反の容疑で在宅起訴

東京地検特捜部は9月26日、自民党旧橋本派「平成研究会」の元会長代理の村岡兼造元官房長官を政治資金規正法違反の容疑で在宅起訴した。

日歯代議員会で日歯会長選を巡り議論が紛糾、山梨などが直接選挙実施を要求

日本歯科医師会(井堂孝純会長)の第151回代議員会が9月16、17の両日、東京・市谷の新歯科医師会館で開かれた。日歯、日歯連盟を巡る一連の事件後初の井堂執行部通常代議員会ということで成り行きが注目された。特に、日歯会長選挙問題では山梨の三塚憲二氏や岐阜の北村裕二氏らが、会員主体の求心力と透明性のある会にするためにも「直接選挙の導入に踏み切るべきだ」と執行部の見解を求めた。この問題では代議員の中でも選出方法で意見が分かれ、議論が紛糾し。執行部が協議題として提出し、140人の日歯代議員に選出方法の考え方を問う調査を実施することで一応了承した。議案は決算に絡んで、IT関連での日歯と業者との委託契約や資金の一部の不明な点での追求があったものの、大きな混乱もなく7つの議案を可決した。

坂口厚労相は混合診療解禁に否定的な見解示す

坂口厚労相は、小泉首相が年末までに混合診療解禁を指示したことについて、「混合診療を認めることは皆保険制度の崩壊につながる」として、解禁に否定的な見解を示した。これは9月14日の閣議後の会見で明らかにしたもので「総理がどういう気持ちで言っているのか直接聞いていないのでよく分からない」とした。しかし、「混合診療、特定療養費の言い方は別にしても、これらを今後どのように進めるかというルール作りをやるということには反対しない」と述べた。

文科省と厚労省は衛生士の教育年限を2年から3年に改正すると告示

歯科衛生士の教育年限を2年から3年に改める「歯科衛生士学校養成所指定規則の一部を改正する省令」を文部科学と厚生労働省は13日に告示した。これにより、教授する各科目が教育内容に、時間数が大学設置基準規定を例とした単位数に改められた(別表)。省令は05年4月1日から施行される。ただし経過処置として5年間の猶予期間が認められている。

厚労省は患者情報の取り扱いで素案を提示

患者情報の取り扱いの問題について厚労省は9日、「医療機関等における個人情報のあり方に関する検討会」に指針の素案を提示した。検討会では、これまで「個人情報の保護に関する法律」に基づき、6カ月間で診療録など5千件以上の個人情報を取り扱う病院、診療所、薬局、介護保険施設、居宅サービス事業者を対象に個人情報の在り方等を検討してきた。素案では、対象となる個人情報の範囲について「生存する個人の情報」と限定し、情報内容については診療録、処方箋、手術記録、助産録、看護記録、検査所見記録、X線写真、紹介状などとしている。

日歯会員有功章を鳥取県西部歯科医師会会長の岡行男氏が受賞

日本歯科医師会の平成16年度会員有功章表彰式が9月17日、第151回代議員会の冒頭に行われ、鳥取県西部歯科医師会会長の岡行男氏に、井堂会長から表彰状と記念品が贈られた。

日本歯磨工業会が上期の歯磨出荷実績「金額は37%増」を発表

今年1~6月の歯磨剤の出荷は、数量、中味総量、金額いずれも前年に比べ増加した。特に、液体歯磨剤と洗口剤の伸びが目立ち、金額は37%増えた。日本歯磨工業会(高橋達直会長)が9月8日に発表した2004年上期(1~6月)歯磨出荷・輸出入統計で分かったもの。上期の歯磨出荷数量は1億8,235万5千個、中味総量は3万322?、金額は380億3,500万円。前年に比べ、数量は426万3千個(2.39%)、中味総量は1,374?(4.74%)、金額は19億2,100万円(5.32%)といずれも増加した。

日技連盟は次期参院選に候補者擁立を決定

日本歯科技工士連盟(中西茂昭会長)は9月18日の評議員会で、3年後の第21回参院選挙に組織内候補を擁立することを決めた。来年3月に日本歯科技工士会の役員改選があるため候補者の選定は3月以降になる見通し。ただ、中西会長は評議員会の席上、「会長、候補者の立場として次期参院選も候補者を擁立すべきだ。私自身の気持ちを言えばリベンジして勝ちたい」と再出馬に前向きな姿勢を見せた。7月の参院選では中西会長は8万2,146票で落選した。

厚労省は歯科医師臨床研修必修化で歯科医の処遇などの原案を部会に提示

2006年度から始まる歯科医師臨床研修必修化で厚労省は9月6日、研修歯科医の処遇などの原案を医道審議会歯科医師臨床研修検討部会に提示した。研修施設が研修歯科医に支払う手当てについては、最低賃金以上の額としたほか、勤務医の初任給を考慮することなどが明記された。早ければ9月下旬にも報告書を取りまとめる。

医療事故調査会は医療事故の7割が過誤と発表

医療過誤訴訟を請け負う民間の医療事故調査会が過去9年間で請け負った医療事故686件中、医療過誤と鑑定されたものが73.9%に上ることが分かった。その内過誤による死亡が314件で、障害は193件だった。調査は同調査会発足の1995年4月から04年3月までの間に、鑑定が終了した医療事故を分析したもの。

小泉首相は経財会議で混合診療解禁を金子大臣らに指示

小泉首相は、9月10日の経済財政諮問会議で混合診療について「既に長い時間議論している。年内に解禁の方向で結論を出してほしい」と金子一義規制改革担当大臣らに指示していたことが分かった。竹中平蔵経済財政担当大臣が会合後の会見で明らかにしたもの。

都歯の貝塚会長は日歯代議員選出方法の検討を約束

東京都歯科医師会の貝塚雅信会長は日歯代議員選出方法について、現行の選出方法における問題点があることを認めた上で「定款改正委員会で検討する」と約束した。9月9日の第159回都歯代議員会で、日歯会長選挙買収工作問題に絡んだ一般会務質問に答えたもの。都歯における日歯代議員選出方法は代議員選挙による連記無記名方式。

日歯連盟の大久保会長は改革検討委員会後の会見で政治献金を当面自粛と発表

日本歯科医師連盟(大久保満男会長)は9月10日、日歯連盟改革検討委員会後に緊急会見を開き、委員会の中間取りまとめについて?当面の間政治献金を自粛する?支持政党は与党?日歯と連盟の政治活動の役割を明確化する?会費の値下げ?地方の連盟活動の重視などの方向で議論していると発表した。9月28日の連盟評議員会には中間取りまとめを提示し、評議員の意見も踏まえて12月中にまとめる方針。

東京地検特捜部は1億円献金問題で橋本氏を事情聴取

日本歯科医師連盟が献金した小切手1億円を自民党橋本派の政治団体「平成研究会」が政治資金収支報告書に記載していなかった問題で、東京地検特捜部は、小切手を直接受け取ったとされる橋本龍太郎元首相に事情聴取をしていたことが9月7日分かった。

千代田区歯科医師会が井堂会長に買収工作の全容解明求める意見具申

2003年3月に行われた日本歯科医師会の会長選挙で、当選した臼田貞夫氏が日歯代議員に投票目的での買収工作を行った問題ついて、東京都千代田区歯科医師会(大井基道会長)の理事会は1日、井堂孝純日歯会長に対し、16、17の両日に開かれる第151回日歯代議員会での全容解明を求める意見具申をした。

本紙のアンケートで日歯会長選出方法は「理想は直接選挙」の声強まる

日本歯科医師会と日本歯科医師連盟を巡る一連の事件をきっかけに、「日歯再生」に向けた取り組みが始まっている。そうした中、日歯会長の選出方法についても現行の代議員選挙に弊害があるとして、会員による直接選挙を望む声が強まっており、9月16、17の両日に開かれる第151回日歯代議員会でも議論の中心になると見られている。本紙が都道府県歯会長に日歯会長選出方法を電話でアンケート調査した結果では、「代議員選挙」が19人で「直接選挙」の16人を上回った。

警察歯科医会大会で國松氏(元警察庁長官)が「日本の社会と安全」と題し特別講演

第3回警察歯科医会全国大会が8月28日、愛媛県松山市の松山全日空ホテルで開かれた。「いま、警察歯科医会に何が求められているのか」をテーマに元警察庁長官の國松孝次氏は「日本の社会と安全」で特別講演し、「国の治安に誇りを持つ努力を怠ってはならない」と訴えた。またシンポジウム「警察歯科医会の原点を求めて」では地元県警察本部検視管理官や警察歯科医会理事などの口演の後、今後の方向性を示唆する活発なディスカッションが行われた。

日医臨代で植松会長が「皆保険堅持に努力」と所信表明

日本医師会の植松治雄会長は8月29日の臨時代議員会の所信表明で、政府が検討を進めている公的医療保険範囲の見直しや株式会社の参入が強くなってきていることについて「医療を成長産業と捉えて医療を経済の発展、活性化の起爆剤にしようという経済界の思惑であり、このような厳しい状況はさらに続くと考えている」と述べた。その上で「国民のため皆保険制度の堅持に今後も努めていく」と改めて政府方針に反対の姿勢を見せた。

内藤講師(福岡歯大)の調査でラテックスアレルギーが歯科医に高頻度で発症と判明

ラテックスアレルギーの症状が歯科医師に高頻度で発生していることが福岡歯科大学の内藤徹講師の調査で明らかになった。調査は福岡県歯科医師会の会員2, 894人に行った「歯科医師健康白書」調査の一環で行ったもので、回収率は53.0%だった。歯科医療従事者は診療時間の大半で手袋を装着していることが多く、ラテックスアレルギーの発症率も他の医療従事者に比べ高いか同等とされていたが、大規模な実態調査は今まで行われてこなかった。

厚労省の国民健康・栄養調査は「歯の健康」を重点的に実施

厚労省が毎年実施している04年国民健康・栄養調査で「歯の健康」が生活習慣調査として重点的に実施される。9月3日に行われた生活習慣病対策等担当者会議で、明らかになったもの。昨年までは歯の健康についての調査は2項目のみだったが、「健康日本21」に歯の健康も盛り込まれていることから04年調査については「歯の健康」を重点に8項目を調べることになった。

新潟県歯の今井博会長ら3人は金券受領認め日歯、連盟の全役職を辞任

新潟県歯科医師会の今井博会長ら3人が、2003年3月の日本歯科医師会会長選で臼田貞夫前会長から金券を受け取っていたことを認め、日本歯科医師会、日本歯科医師連盟におけるすべての役職を辞任した。今井会長は、新潟県歯会長は続けるとしている。買収工作問題で、都道府県歯科医師会幹部が金券受領を公の場で認めたのは初めて。

民主党は自民党の青木幹雄、野中広務の2氏を政治資金規正法違反で東京地検に告発

日本歯科医師連盟から自民党旧橋本派への1億円献金問題を巡り、民主党は8月31日、自民党の青木幹雄参院議員会長と野中広務元幹事長を政治資金規正法違反で東京地検特捜部に告発した。