日本歯科新聞デジタル版を読む        

新潟県中越地震で歯科医院の被害多数

10月23日午後6時ごろに新潟県を中心に発生した「新潟県中越地震」で10月25日正午までに日本歯科新聞社が調べた県内の歯科関係の被害状況は、震源地に近い小千谷市の歯科医院で医院前の道が地震で盛り上がり、院内は器材が散乱し、ユニットも50センチ程度ずれるなどの被害が出ていることが確認できた。また、壊滅的な被害を受けた歯科医院もあるという。ただ、県内会員の死亡者やけが人などは確認されていない。

日本歯科医学会の総会で「脱タバコ」を公表

日本歯科医学会(斎藤毅会長)は10月29日宣言から横浜市のパシフィコ横浜で開かれる第20回総会で、1.本学会の会員等の禁煙を推進する 2.本学会総会等の会場施設は全面禁煙とする 3.タバコ対策に関する研究をさらに推進する 4.「タバコと健康」についての歯科医学教育の充実を図る 5.他の医学系の学会、保健医療関係団体や市民団体と連携し、タバコ対策の実践活動を推進する5項目の「脱タバコ宣言」を公表する。

九州歯科医学大会の講演で熊谷氏が自院の予防治療の取り組みを紹介

九州地区連合歯科医師会(秋山治夫会長)は10月10,11の両日、第57回九州歯科医学会大会を熊本県上益城郡のグランメッセ熊本で開いた。予防歯科を中心とした講演や併催の展示内容が関心を集め、約2,800人が参加した。10月10日の講演では、「う蝕と歯周病を予防できる診療所づくり-患者に愛され、信頼される歯科医院を目指して」と題し、日本ヘルスケア歯科研究会顧問で山形県酒田市開業の熊谷崇氏が、自院における予防治療の取り組みを紹介した。なお、併催の熊本デンタルショー2004では約80の出展者が最新の器材を展示し、歯科医師だけでなく歯科衛生士らが予防関連製品を手に取り説明に聞き入る姿が多く見られた。

「歯科医院の倒産が15年間に224件」帝国データバンク調査

帝国データバンクの調査結果によると1990年から04年9月の期間に発生した医療機関の倒産が合計で522件に上ることが明らかになった。施設別の内訳は「病院」が109件(構成比20.9%)。「診療所」が189件(同36.2%)、「歯科医院」が224件(同42.9%)で、「歯科医院」の構成割合が最大。

ジーシーは友の会50周年記念国際歯科シンポを2006年2月に開催

ジーシー(本社・東京都板橋区、中尾眞社長)は、GC友の会の50周年を記念し、国際歯科シンポジウムを2006年2月18,19日に東京・有楽町の東京国際フォーラムで開く。10月19日の会見で同社は、テーマの「来院者・市民の方々を中心とした歯科医療を考える」について、歯科医院に来院する人が疾病を持つ人以外にも広がってきているという認識から考えたと説明。講演会、シンポジウム、テーブルクリニック、展示以外に市民向けのイベント、フォーラムなどを予定している。同社が開くシンポジウムでは過去最大規模。

ジーシーは「2004年度日本品質管理賞」を受賞

日本科学技術連盟が実施する「2004年度日本品質管理賞」をジーシーが受賞した。同賞は総合品質管理(TQM)活動に優れた企業に贈られる「デミング賞」受賞企業のみが挑戦できるもの。受賞年度を含め3年以上TQMを継続して重点的に実施し,着実かつ効果的に企業目的を達成しつつある企業、または事業部に対して年度賞として授与される。一方、同連盟の「2004年度日本品質奨励賞TQM奨励賞」では、歯科用器材の製造販売を行う大成歯科工業(本社・大阪府交野市、戸田昌男社長)が受賞した

国民医療推進協が日歯、日衛等35団体参画し初総会開く

混合診療の導入を阻止し、国民皆保険制度を守ることを目的に日本医師会、日本歯科医師会などの医療関係や民間等35団体が参加して設立された国民医療推進協議会の初総会が10月21日、東京・文京区の日本医師会館で開いた。会長に日医会長の植松治雄氏、副会長に日歯の井堂孝純、日薬の中西敏夫、日看の南裕子の3会長の役員等を承認し、国民皆保険制度を守るための署名運動の意義と混合診療の弊害について日医の松原謙二常任理事が説明した。

譽田氏(前中医協委員)の裁判で加藤氏(前支払側委員)が証言

中医協贈収賄事件で起訴された前中医協委員の譽田雄一郎前福島県歯科医師会会長の第3回公判が10月21日、東京地裁(岡田雄一裁判長)で開かれた。譽田氏は、これまで一貫して容疑を否認している。公判で、検察側は収賄で起訴されている前支払側委員の加藤勝敏氏を証人として尋問し、6回にわたる接待及び現金授受の様子を問いただした。。

支払基金が03年度経営主体別診療状況「歯科診療所収入の減少続く」を発表

支払基金が2003年3月~04年2月診療分(03年度)について請求のあった医療機関を対象にまとめた経営主体別診療状況で、歯科は1991年5月を100とした1医療機関当たり診療件数で25.1、点数で18.8ポイント減少していることが分かった。また、1診療所当たりの平均支払額は前年に比べ190万円減少し、金額階級別でも3千万円までが93%を占め、この割合が前年よりも3ポイント上回り、歯科診療所収入の減少を示す結果となった。

厚労省の社保審医療部会で三位一体改革に反対の意見が続出

厚労省の社会保障審議会医療部会は10月14日、地方六団体が提案している国から地方への税源移譲、国庫負担補助金廃止など三位一体改革について意見交換した。委員の間からは「改革に反対する」との意見が多く出た。また、医療提供体制問題での課題とされてきたインターネットについては「広告を規制すべき」との意見が多数を占め、規制に向けての具体的な取り決めが注目される。

厚労省の医道審・歯科医師分科会が卒後研修報告書まとめる

厚労省の医道審議会歯科医師分科会歯科医師臨床研修部会は、2006年度から必修化される卒後臨床研修における研修医の処遇や研修制度運用などについて報告書をまとめた。臨床研修実施後5年以内に必要に応じて見直すことも示唆している。研修施設の指定基準については、常勤歯科医師3人以上で指導歯科医を常勤で置くことや、開設歴3年以上、歯科衛生士が適当数確保されていることなどが盛り込まれている。

厚労省は03年薬事工業生産動態統計「金パラの生産額は対前年比18.2%減少」を発表

2003年に生産された歯科分野と口腔ケア関連製品の生産金額の対前年度比が、医薬品、医薬部外品の中で高い伸び率を示した。厚労省が10月12日に発表した、薬事工業生産動態統計年報で分かったもの。医薬品全体の生産金額は6兆5,331億円で、前年比0.7%(438億円)の増加。医療用具の国内生産金額は1兆4,989億円で、前年比0.3%(46億円)の減少。その内訳を示す医療用具小分類別生産金額では、昨年7位だった歯科鋳造用金銀パラジウム合金は345億5,100万円、対前年比18.2%(76億8,700万円)減で8位に、歯科一般用ユニットは122億8,500万円で昨年同様24位だが、対前年比では1.0%(1億2,600万円)増加となった。

中医協事件で東京地裁は平井氏に「懲役1年」を求刑

中医協支払側委員への贈賄容疑で起訴された日本歯科医師会前常務理事、前中医協委員の平井泰行氏の論告公判が10月13日、東京地裁(岡田雄一裁判長)で開かれた。検察側は、支払側委員への接待、現金の供与は組織的で執拗なものだったと指摘。臼田貞夫前会長の指示に加担したとはいえ、国民の信頼を失墜させた責任は重いとして「懲役1年」を求刑した。判決は11月18日、午前11時半から。

中医協の星野会長は全員懇談会で「歯科委員復帰はもう少し先」と表明

贈収賄事件で混乱が続いていた中医協(星野進保会長)は10月6日、全員懇談会を約4カ月ぶりに開き、事件に関係した日本歯科医師会、健康保険組合連合会(健保連)、日本労働組合総連合会(連合)から事件再発防止策の報告を受けた。報告後星野会長は、歯科代表委員と連合の委員の復帰について「厚労大臣から委員推薦の話はまだきていない」とした上で「可及的速やかに中医協として早期の課題と中長期的な課題を整理して再度、全員懇談会を開き、方向性をまとめてからの話になるだろう」と述べ、歯科代表委員の復帰はもう少し先になるとの考えを示した。

四街道市長に歯科医の高橋氏が再選

千葉県の四街道市長選挙の投開票が10月3日行われ、歯科医師で現職の高橋操(たかはし・みさお=49歳)氏が元市長候補者と新人候補者を破り、再選を果たした。日本歯科大学歯学部卒業で1983年、四街道市内に歯科医院を開業した。

世界医師会総会が29年ぶりに日本で開催

2002年度の社会保障給付費は83兆5,666億円で対前年度比2兆1,659億円、2.7%伸びた。国民1人当たりの給付費は65万5,800円、1世帯当たりでは179万5,500円で前年度比2.5%、2.0%とそれぞれ増加した。国立社会保障・人口問題研究所の調べによるもの。

02年度の社会保障給付費は83兆5,666億円で対前年度比2.7%の増

約80の国の医師会が加盟する世界医師会の総会が10月6日から9日の間、東京都中央区の帝国ホテルで開かれた。40カ国500人前後が参加した。日本での開催は29年ぶり。 6日に行われた歓迎レセプションには天皇皇后両陛下がご臨席した。9日の総会では、衛生的な水の確保を呼び掛ける「声明」を採択した。声明では、衛生的な水の確保は公衆衛生上最も重要な課題だが、汚染などにより世界各国の政府や医師に、汚染の防止や下水の整備など安価な飲料水を提供するなどの施策を推進し、感染症を制圧するよう呼び掛けた。

日衛の金澤会長は学術大会で「衛生士独自の業務確立」が必要と表明

日本歯科衛生士会(金澤紀子会長)は9月25、26の両日、愛知県知多郡のあいち健康プラザで第37回学術大会を開き、「教育が変わる今、歯科衛生士業務はどう進むのか」をテーマに講演やシンポジウムを行った。冒頭あいさつで金澤会長は、教育年限3年制移行での今後の課題について「現場の歯科保健医療活動で求められているのは、歯科予防処置、歯科診療の補助、歯科保健指導の個別業務ではなく、これら三つの業務を統合した総合的な実践だ。そのためには歯科衛生士独自の業務の確立が必要だ」と述べた。

あんしん財団は電離放射線の作業環境測定に助成制度を新設

災害補償共済や安全で衛生的な職場環境づくりを支援する?中小企業災害補償共済福祉財団、通称「あんしん財団」(本部・東京都墨田区、中井宗夫理事長)はサービスの一つである災害防止事業の中で、電離放射線(線量当量率等)の作業環境測定を実施する場合、助成金を出す制度などを新設した。レントゲン機器などを使用する医療機関で線量当量率等の測定を外注業者に委託し実施した場合、費用の半額を1事業所当たり1年度間の助成限度額の範囲内で助成するもの。

大阪府歯岡会長は混合診療導入阻止で府民集会開く

大阪府歯科医師会の岡邦恭会長は10月5日、同府歯の2004年度第1回支部長会で政府が進めようとしている混合診療に反対するための「国民医療を守る大阪府民集会混合診療がもたらすもの」を11月25日、医療関係団体や市民団体で構成される大阪府地域医療推進協議会の主催で開くことを明らかにした。

中医協贈収賄事件の公判で梅田氏(日歯元専務理事)に求刑1年

中医協贈収賄事件に絡んだ日歯元専務理事の梅田昭夫氏の論告公判が10月8日、東京地裁で開かれた。論告求刑に入る前に行われた証人尋問には、弁護側が東京歯科大学同窓会の天野惠会長を証人に立てた。結審するに当たり裁判長から発言機会を与えられた梅田氏は「すべての公・民役職を辞して反省している。これまでひたすらがむしゃらに働いてきたが、ここにきてこのような事件を起こし、日本歯科医師会の信頼を失墜させてしまい反省している」と話した。判決は11月11日午前11時半から。

厚労省が03年医療施設調査「歯科診療所は6万5,828施設で前年比755施設増」を発表

厚労省が9月30日発表した03年医療施設調査で病院、有床の一般診療所が減少する一方で、無床の一般診療と歯科診療所が増加している。歯科診療所は6万5,828施設で、前年に比べ755施設(1.2%増)増えており、1948年の同調査開始以来増加を続けている。また、人口10万対歯科診療所数は51.6施設となり、需要供給の一応の目安として言われた「人口10万人対歯科医師数50人」を歯科診療所数で突破している。

四地区歯役員協議会が福祉、年金で活発な討論展開

北海道・東北・信越・東海地区歯科医師会は9月25日、山形市の山形グランドホテルで2004年度役員協議会を開き、シンポジウム「会員の福祉…年金について」で活発にディスカッションした。当番県を代表してあいさつした山形県歯の佐藤博嗣会長は、共済・年金制度について「会員の財産が目減りしている」と危機感を訴えた。日歯福祉共済制度と年金制度の現状や将来予測について日歯の中村直常務理事は、「会員の高齢化、新入会員の減少、超低金利による運用収益の大幅減など財政的マイナス要因が多い」と説明。

診療報酬事務請求能力認定試験で歯科は119人が合格

日本医療保険事務協会は9月17日、第20回診療報酬事務請求能力認定試験の結果を発表した。受験者は医科9,763人、歯科321人で合格者は医科2,557人、歯科119人だった。合格率は医科26.2%、歯科37.1%だった。

厚労省は歯科保健課長に日高勝美氏の起用を発表

中医協贈収賄事件による山内雅司歯科保健課長の免職に伴い、厚労省は9月28日付で医政局歯科保健課長に保険局歯科医療管理官の日高勝美氏の起用を発表した。

厚労省は中医協事件で山内、瀧口の両氏を処分

厚生労働省は9月28日、中医協贈収賄事件に絡み吉田幸弘前衆院議員と日本歯科医師会から接待や現金を受けたとして、国家公務員法に基づき医政局歯科保健課の山内雅司課長(前保険局歯科医療管理官)を懲戒免職、瀧口徹前医政局歯科保健課長(9月24日付で官房付)を12カ月間の停職処分とした。

東京地裁は中医協事件で加藤連合前副会長に懲役1年を求刑

中医協贈収賄事件で、収賄罪に問われた中医協前委員で連合前副会長の加藤勝敏氏の論告求刑公判が9月30日、東京地裁(大熊一之裁判長)で開かれた。検察側は「事件は社会的信頼を失墜させるもので、被告人の刑事責任は重い。犯行も大胆で情状酌量の余地はない」として懲役1年、追徴金約146万円を求刑した。

東京地裁は日歯前常務理事の内田氏の保釈を決定

東京地裁は10月1日、日本歯科医師会前常務理事の内田丈裕氏の保釈を認める決定をした。保釈保証金は2千万円で、同日納付。