日本歯科新聞デジタル版を読む        

来年度の厚労省歯科保健予算要求 大学の機能転換に4億円

厚労省は8月26日、歯科保健医療分野に関わる平成29年度予算概算要求を発表した。新規では定員削減を条件に卒業生への技術修練を行うための「歯科大学等機能転換・活用促進モデル事業」に3億9,488万4千円、補綴物の作製者や作製過程をポスター等で歯科診療所に掲示するための「歯科補てつ物製作過程等の情報提供推進事業」として207万5千円、歯科衛生士の復職支援などのための事業に2億527万3千円など、歯科医療の活性化に向けてさまざまな観点からの予算を計上した。

熊本地震の特例措置 29年3月末まで中医協が了承

中医協は熊本地震に伴う保険診療について、仮設建物による保険診療等、看護配置などの特例措置を平成29年3月末までとする方針を8月24日の総会で了承した。

「医務総監」ポスト要求-厚労省

厚労省は8月26日、医療・保健に係る重要施策について専門的観点から統括する次官級ポスト「医務総監」の新設を政府に要求すると発表した。医療・保健の技術分野での部局連携による重要課題に対応するためのもの。

歯科3団体が連絡協

日本歯科医師会(堀憲郎会長)、日本歯科技工士会(杉岡範明会長)、日本歯科衛生士会(武井典子会長)の歯科三団体は8月17日に「歯科三会会長連絡協議会」を設置し、初会合を開いた。協議会は歯科界を取り巻く課題の解決に向けて総論的に議論するもので、日歯からは堀会長、佐藤保、牧野利彦両副会長、村岡宜明専務理事、日衛は武井会長、茂木美保専務理事、日技は杉岡会長、夏目克彦専務理事が出席した。

厚労省29年度一般会計概算要求 総額で31兆1,217億円

厚労省は8月26日、平成29年度一般会計予算概算要求総額が31兆1,217億円と、前年度より8,108億円増になると発表した。うち年金、医療に関わる経費は29兆1,060億円で、政府が概算要求基準(シーリング)で認めた6,400億円増を上回る6,601億円の増額要求となった。

健保連がレセプトを分析 歯科は3,348億円

健康保険組合連合会は、加入する1,124組合の平成26年度の歯科医療費の動向調査分析結果を発表した。

厚労省が口腔保健テーマに市町村セミナー

「歯科口腔保健の推進」をテーマに県や市町村の行政関係者を対象に厚労省が8月9日に開いた市町村セミナーで、島根県邑南町役場や東京都大田区、大分県杵築市、鹿児島県錦江町の関係者が歯科関連施策の取り組み状況について報告した。同セミナーは、市町村厚生労働行政交流研修事業として、市町村に関連の深い厚生労働行政をテーマに取り上げ、市町村職員間や市町村職員と厚労省職員間での情報交換を目的としているもので、厚労省は歯科口腔保健関連施策を説明した。

北海道歯が創立90周年祝う

北海道歯科医師会創立90周年記念式典・祝賀会が8月20日、札幌市内の札幌パークホテルで開かれた。式辞で藤田一雄会長は、大正15年8月に北海道歯が誕生したとし、「伝統と輝かしい歴史を築き上げてきた諸先輩に敬意と感謝の意を表したい」と述べた。

SCRP日本で鹿大4年生が優勝

全国の歯科大学・歯学部の代表学生が自身の研究成果と英語でのプレゼンテーション能力を競う第22回日本歯科医師会/デンツプライシロナスチューデント・クリニシャン・リサーチ・プログラム(SCRP)日本代表選抜大会が8月19日、東京・市谷の歯科医師会館で開かれた。初めて29校が出そろった同大会で鹿児島大学歯学部4年生の神園藍さんが優勝。10月20日に米国コロラド州デンバー市で開催されるADA/SCRP大会に派遣され、世界各国の代表と共にプレゼンテーションを行う予定。

細菌叢 周囲炎と歯周炎に差

インプラント周囲炎を引き起こす細菌叢は、歯周炎と細菌種や細菌の比率、活動性の高い細菌種が異なる-。東京医科歯科大学大学院の和泉雄一教授らの研究グループが解析したもので、インプラント周囲炎に歯周炎と同じ治療法を用いても奏功しない理由の一つと考察している。

29校初の合同会議開催 宮崎昭和大歯学部長にインタビュー

全国29歯科大学・歯学部のトップと附属病院長が集結する合同会議が初めて開催され、専門分野別認証評価やスチューデント・デンティスト制度、臨床実習終了後の態度・技能評価など諸課題について審議した。7月29日に東京・新宿の京王プラザホテルで開かれた平成28年度歯科大学学長・歯学部長及び全国歯科大学・歯学部附属病院長合同会議の狙いや審議の内容について主幹大学を務めた昭和大学の宮崎隆歯学部長に聞いた。

第69回北海道歯科学術大会 視点変え開催

「視点を変える」をテーマに第69回北海道歯科学術大会(北海道歯科医師会創立90周年記念大会)が8月20、21の両日、札幌市内の札幌パークホテルで開かれた。大会長で北海道歯科医師会会長の藤田一雄氏は冒頭あいさつで、大会テーマを選んだ理由について「科学の世界において一つの事象をいろいろな視点から観察することで思わぬ発見が生まれた例は数多くある」と話し、大会を通じて活発な議論を求めた。

定期歯科健診 6カ月以内に1回が51.0%

8020推進財団(堀憲郎理事長)は、平成27年度調査研究事業「一般地域住民を対象とした歯・口腔の健康に関する調査研究」の報告書をまとめた。調査対象は層化2段無作為抽出法により抽出した全国の20~79歳の5千人で、このうち回答者数は2,465人(有効回収率49.3%)だった。定期検診の頻度では、「6カ月以内に1回」が51.0%と最多だった。

歯科技工士 自殺する若者も

「いきなりこのような事を記入して申し訳ありません。実は今年の2月7日、息子が自殺してしまいました。26歳でした」というショッキングな文章は、千葉県保険医協会が発表した「2016年歯科技工所アンケート調査」の自由意見の一つだ。自殺した彼は歯科技工士になって5年目。知人の経営する歯科技工所に勤務していて昨年、うつ病になった。2カ月休職し、回復したと思った矢先の出来事とし、歯科技工士の待遇改善を求めている。

小学生が歯科を体験-GCが職業体験イベント

ジーシー(=GC、本社・東京都文京区、中尾潔貴社長)は8月21日、小学生を対象にした職業体験イベント「『歯科』わくわく体験デー」を開いた。企画協力は東京都文京区開業の竹内千惠氏で、歯科医療への理解・関心を深めてもらう目的で2011年から毎年開催している。今年は会場の同社本社に保護者含め約250人が参加した。

デザインワン・ジャパンが東証第一部へ市場変更

インターネットメディア事業を手掛けるデザインワン・ジャパン(本社・東京都品川区、高畠靖雄社長)は8月12日、東京証券取引所のマザース市場から市場第一部へと株式を市場変更した。

北海道デンタルショーに3千人

2016北海道デンタルショーが8月20、21の両日、札幌市の札幌パークホテルで開かれた。第69回北海道歯科学術大会の併催行事として行われ、歯科医師ら3,162人が来場した。

石井みどり参議院議員 不適切発言を撤回

歯科職域代表で自民党の石井みどり参議院議員は、7月の参議院選挙後に開かれた東京都歯科医師連盟主催の講演会での自身の発言について「言葉足らずだった。発言を撤回する」と、8月26日に開かれた日本歯科医師連盟の四役会と理事会で謝罪した。

第6次医療計画における目標値「在歯診増加」は12自治体

47都道府県の第6次医療計画(平成25年度~29年度)で、12自治体が「在宅療養支援歯科診療所の増加」を目標に掲げている。厚労省が8月3日に開いた医療計画の見直し等に関する検討会「在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ」で報告したもの。

AP通信がフロスの予防効果「エビデンスなし」と配信

フロスのう蝕、歯周病予防効果について、アメリカAP通信(Associated Press)が8月2日、エビデンスが実証されていないことが分かったとする記事を配信し、議論が巻き起こっている。これはフロスの効果を否定する結果ではなく、フロスの効果を示す論文の臨床疫学的根拠のレベルが低いと判明したとするもの。しかし、同記事を伝える伝聞記事などの中には「アメリカ人はフロスに4億4,800万ドルも無駄に消費している」などとあおるものも見られ、歯科界の今後の対応が注目される。

電子レセ義務化1年 歯科は件数で95.7%

一部の例外を除き、電子レセプト請求が義務化されてから1年が経過した平成28年4月診療分の社会保険診療報酬支払基金の歯科のオンラインも含めた電子レセ請求施設数は、前年同月比で805増の5万9,985施設となった。請求総医療機関数に占める割合はオンライン請求分が1.2ポイント増えて86.7%となった。

沖縄で九地連協議会

九州地区連合歯科医師会は、平成28年度第1回協議会を那覇市のANAクラウンプラザホテル沖縄ハーバービューで8月6日に開いた。協議では地域医療構想の各県の進捗状況について意見交換した。冒頭あいさつで九地連の長谷宏一会長は10月に福岡で開催される日本歯科医学会総会について、全面的な協力を約束。4月の熊本地震への対応では、「各県とも積極的に協力していただき九州は一つということをつくづく感じた。同時に新たな課題も見つけることができた。これをバネに、より一層九地連がまとまるのを願っている」と述べた。

比嘉環境大臣政務官がやりがいアピール

第3次安倍第2次改造内閣で環境大臣政務官に就任した歯科医師の比嘉奈津美衆議院議員(沖縄3区)は、8月6日に那覇市で開かれた平成28年度第1回九州地区連合歯科医師会協議会の懇親会であいさつし、政務官がやりがいのある仕事とアピールした。

熊本地震の義援金7,600万円

熊本地震で日本歯科医師会が7月末まで募っていた義援金総額は7,600万円になった。台湾歯科医師会からの支援金570万円も含まれる。日歯の村岡宜明専務理事が8月6日の平成28年度第1回九州地区連合歯科医師会協議会で、熊本地震への対応を報告。堀憲郎会長から熊本県歯の浦田健二会長に、義援金目録が手渡された。

世代間格差の是正提言-健保連報告書

国民皆保険制度を堅持していくために、受益者と負担者の関係について、健康保険組合連合会(大塚陸毅会長)は、「世代間の大きな格差を早急に是正すべき」と提言した。医療保障総合政策調査・研究基金事業の一環として行われた「医療費適正化に向けた給付と負担の在り方に関する調査研究報告書」を公表した。

訃報 坂本 俊夫氏

元福井県歯科医師会会長で、元日本歯科医師会理事の坂本俊夫(さかもと・としお)氏は8月17日に死去した。91歳。坂本氏は大正13年8月27日生まれ。昭和23年に日本大学専門部歯科(現・日大歯)卒業。58年4月に会長に就任、平成3年3月まで務めた。昭和58年には日歯代議員、63年に同理事に就任した。

行政衛生士力アップで夏ゼミ

市町村や保健所などに勤務する歯科衛生士らを対象にした第34回地域歯科保健研究会の夏ゼミが8月6日、千葉市内のホテルポートプラザちばで開かれ、全国から140人が参加した。

必要病床数の在り方を議論-厚労省WG

厚労省は、医療計画の見直しに関する検討会「地域医療構想に関するワーキンググループ」の初会合を7月29日に開いた。WGでは、現行の基準病床数と地域医療構想における必要病床数の関係性について議論していく。

洗口液選びの基準 味が全体的な印象と相関

洗口液の選択基準には、殺菌効果などの効能だけでなく、味や爽快感が重要な要素となる。新潟大学大学院医歯学総合研究科の竹中彰治助教(う蝕学分野)が、同大総合病院・歯の診療室に歯周基本治療、あるいはメインテナンスのために受診した68人の患者を対象として行った質問表調査で分かったもの。

日歯医学会総会二向け記者説明会

「歯科医療 未来と夢」をメーンテーマに10月21日から3日間開催される第23回日本歯科医学会総会の概要発表説明会が8月18日、東京・市谷の歯科医師会館で行われた。総会会頭を務める福岡歯科大学理事長の水田祥代氏と日歯医学会会長の住友雅人氏が冒頭あいさつし、準備委員長の北村憲司氏、副準備委員長の石川博之氏、事務局長の岡部幸司氏、総会副会頭で九州地区連合歯科医師会会長の長谷宏一氏が総会や併催行事について説明した。

老化関連物質AGEがう蝕の進行に関与

大阪大学歯学部附属病院の三浦治郎助教と基礎工学研究科の荒木勉名誉教授らの研究グループは、象牙質内の老化関連物質AGE(糖化最終産物)を蛍光によって捉えて、う蝕の進行にAGEが影響するのを世界で初めて明らかにした。加齢により象牙質にAGEが蓄積して、耐酸性や耐酵素性が上がり、う蝕の進行を抑制しているとの発見とともに、特定のAGEが持つ蛍光特性を利用して、う蝕部位の選別にも成功している。同研究成果は、国際学術誌「Journal of Dental Research」オンライン(8月15日)に掲載された。

報酬額を人件費等で算出-歯保連

歯科系診療報酬の適切かつ合理的な在り方を学術的に研究する歯学系学会社会保険委員会連合(=歯保連、外木守雄会長)は、所用時間や材料費、人件費などから算出した報酬額を掲載した「歯保連試案」の発行に伴う説明会を8月9日、東京都中央区のAP東京八重洲通り会議室で開いた。歯保連は2009年8月に設立して試案作りに着手し、約5年をかけて199の技術項目についてまとめた。なお、冒頭あいさつした前会長の今井裕氏は、試案の発行に伴い会長を辞した旨を述べ、新執行部を紹介した。新役員の任期は4月1日~2018年3月31日。

医療職種の免許登録改善求める-日医

看護師など医療関係職の国家資格の免許登録が3月末までに完了せず、4月1日から有資格者として業務を行うことができない状況にある。日本医師会の8月10日の会見で釜萢敏常任理事は、塩崎恭久厚労相に改善を求める要望書を提出したのを明らかにした。

社会保障費用統計 社会支出は117兆円弱

OECD(経済協力開発機構)基準に基づく2014年度の日本の社会支出は116兆8,532億円、ILO(国際労働機関)基準による社会保障給付費は112兆1,020億円となる。国立社会保障・人口問題研究所が公表した「社会保障費用統計」で明らかになったもので、対前年度比は1.2%、1.3%それぞれ増加した。

口腔保健支援センター 26道府県で設置

口腔保健支援センターを設置している都道府県は今年4月時点で26道府県と、前年度に比べて五つ増えた。厚労省の「平成28年度歯科口腔保健に関する調査(速報)」によるもの。同センターは、地域住民の歯科疾患の予防等による口腔の健康の保持推進の観点から設置されるもので、歯科口腔保健法に盛り込まれている。

特定健康診査 質問票に「咀嚼機能」

特定健診の受診者への標準的な質問票に、初めて歯科に関連した項目として咀嚼機能が入るのが確実になった。7月29日に厚労省が開いた「保険者による健診・保健指導に関する検討会」で大筋了承した。また、う蝕に関連性が強い間食や甘い飲み物の摂取状況についても質問項目に追加された。

歯科疾患実態調査 10~11月に実施

平成28年度歯科疾患実態調査が今年10月から11月にかけて実施される。本紙の取材で分かったもので、歯や歯肉、補綴の状況、フッ化物応用の経験の有無などを調べる。同調査は国民の歯および口腔に関わる健康状態を把握し「歯科口腔保健の推進に関する基本的事項」の評価など今後の歯科保健医療対策の推進に必要な基礎資料にするためのもの。従来は6年ごとに実施されていたが、29年度に「歯科口腔保健の推進に関する基本的事項」の中間評価を行うため、1年前倒しでの実施で、今後は5年周期となる。

高額な新薬の取り扱い議論-中医協

中医協は7月27日に総会を開き、高額な新薬のうち、効能追加などにより市場規模が拡大した場合、価格を見直す仕組みについての議論をスタートした。厚労省は、薬価制度改革の取り組みとして、がん免疫療法に使われる「オプジーボ」などについて新規作用機序医薬品の最適な使用を進めるためのガイドラインの医療保険上の取り扱いを議論する案を総会に提示した。

塩崎厚労相は留任

第3次安倍第2次改造内閣が8月3日に発足し、厚労相は塩崎恭久氏が留任した。塩崎厚労相は8月4日に厚労省内で会見し、「一昨年からいろいろな問題に取り組んできたが、若年者から高齢者まで男女問わず、障害や難病がある方でも活躍できる一億総活躍社会づくりを重点に取り組みたい」との抱負を語った。

比嘉氏が環境大臣政務官

歯科医師で衆議院議員(沖縄3区)の比嘉奈津美氏は、第3次安倍第2次改造内閣で環境大臣政務官への就任が決定した。

医療等IDの運用で中間報告書-日医

日本医師会の「医療分野等ID導入に関する検討委員会」(委員長・山本隆一医療情報システム開発センター理事長)は、医療等IDの運用に向け、検討すべき事項などを盛り込んだ中間報告書を取りまとめた。7月27日の定例記者会見で執行部が発表した。同IDは、国民一人一人に医療・介護分野での番号を付与するもの。

死亡確率はがんが最高

日本人の死因別死亡確率が最も高いのは男女とも「悪性新生物」で、それぞれ29.34%、20.21%となっている。厚労省が7月末に発表した「平成27年簡易生命表」によるもの。

神歯大院 開設40周年記念シンポジウム

神奈川歯科大学大学院(槻木恵一歯学研究科長)は開設40周年記念シンポジウム「研究能力を備えた高度な臨床歯科医養成のための大学院改革」を7月31日、横浜市の同大横浜研修センターで開いた。

熊本地震での歯科支援で報告会-災害時公衆衛生歯科研

今年4月に発生した熊本地震での歯科支援についての中間報告会が、7月31日に都内の東京医科歯科大学で開かれた。主催は日本災害時公衆衛生歯科研究会。後援は日本歯科医師会、日本歯科衛生士会、熊本県歯科医師会、熊本県歯科衛生士会。

破産手続開始 ニックスが営業を停止

歯科医療用X線を中心とする器材・用品を製造・販売するニックス(本社・東京都文京区、田中弘之社長)は、7月28日に営業を停止し、翌29日に東京地方裁判所に破産手続開始の申し立てをした。

歯科用機器の保険適用 厚労省が一部訂正

厚労省は、平成28年6月30日付で発出した医療機器の保険適用の一部を7月29日に訂正した。

日医会長が厚労相留任で発言

日本医師会の横倉義武会長は、第3次安倍第2次改造内閣で塩崎恭久厚労相の留任について「労働人口が減少する中、将来を見据えた社会保障に取り組んでほしい」と話した。

東京都が歯ブラシ事故で安全対策協議

東京都は「子供に対する歯ブラシの安全対策」を平成28年度のテーマとし、第1回東京都商品等安全対策協議会を7月25日に都庁で開いた。歯磨き中に転倒するなどで、歯ブラシによる子供の受傷事故は毎年多く発生している。同協議会には消防庁や消費関連機関、歯科関連団体の代表者、歯科・小児の医療従事者らが参加。29年1月までにアンケート調査や事故再現実験を行い、検討を経て、事故を未然に防ぐための安全対策の提言をまとめるとしている。

歯科用貴金属価格 3品目が値下がり

歯科用貴金属3品目の価格が10月から値下がりとなる。7月27日に開かれた中医協総会で厚労省が報告したもの。歯科用貴金属の価格は、変動幅が5%を超えた場合、診療報酬改定以外に6カ月ごとに見直す仕組み。

健康づくりへのインセンティブ 679保険者が導入

地域住民等を対象に疾病予防・健康づくりを推進するためのインセンティブを導入している保険者は679ある。日本健康会議と厚労省が共同で実施した調査で分かった。

日医が新役員を披露

日本医師会(横倉義武会長)は、第3次横倉執行部誕生を祝う役員就任披露パーティーを7月26日、東京都千代田区の帝国ホテルで開いた。安倍首相や医療関係者ら1千人が集まった。冒頭あいさつで横倉会長は「平成30年度には医療・介護の同時改定がある。消費増税延期に伴い、財源不足で厳しい改定になるだろう。国民が安心して医療・介護が受けられる必要な財源の確保に努めていく」と述べた。

熊本地震 JMATの活動を終了

日本医師会(横倉義武会長)は7月27日の定例会見で、今年4月の熊本地震発生後の被災地でのJMATの活動について、7月16日で派遣が終了したと発表した。

介護給付5月分 居宅管理(Ⅰ)は4,848万単位

厚労省が7月27日に公表した介護給付費等実態調査の5月審査分によると、歯科医師による介護サービスの居宅管理指導(Ⅰ)は4,847万7千単位、(Ⅱ)は8,995万1千単位だった。

27年国民生活基礎調査 平均所得542万円

厚労省は「平成27年国民生活基礎調査」の結果を公表した。国民生活基礎調査は、保健、医療、福祉、年金、所得など国民生活の基礎的事項を調査するもので、昭和61年から3年ごとに大規模調査を実施している。所得等の状況で、1世帯当たりの平均所得金額は「全世帯」で541万9千円。

歯周病菌の脳炎症誘引機序を解明

アルツハイマー病患者の脳内からの歯周病菌の検出や、歯周病と認知症の重症度が比例するなどの報告はあったが、ジンジバリス菌がどのように脳炎症を引き起こすかのメカニズムは不明だった。そのメカニズムの一部を九州大学大学院歯学研究院博士課程4年の高山扶美子氏と同准教授の武洲氏、教授の中西博氏らの研究グループが解明した。同研究成果は、英国科学誌「Scientific Reports」オンライン(7月21日)に掲載された。

介護休業制度で判断基準

厚労省は、介護休業制度における「常時介護を必要とする状態に関する判断基準」に関する研究会(座長=佐藤博樹・中央大学大学院教授)の報告書を取りまとめ、7月19日に公表した。同研究会は、同省が労働政策審議会雇用均等分科会「仕事と家庭の両立支援対策の充実について(建議)」を踏まえて平成28年6に設立したもので、有識者による同判断基準の見直しで、3回の検討を行った。同省では、報告書を踏まえて局長通達を改正し、来年の1月1日に改正育児・介護休業法等と合わせて施行する予定。

歯科1件当たり点数1,178.7点で7.8点減-支払基金

医療保険における平成27年度(27年4月~28年3月)の歯科の全国平均1件当たり点数は1,178.7点で、前年度に比べ7.8点減った。社会保険診療報酬支払基金の統計資料を基本に、医療保険業務研究協会が取りまとめた「医療保険統計要覧」によるもので、1件当たり日数は1.78日、1日当たり点数は661.0点で、前年度に比べ日数は0.04日減っているが、点数は9.7点増えている。

28年5月歯科診療所数 6万8,861施設

厚労省の施設動態調査による平成28年5月末現在の歯科診療所数は全国で6万8,861施設で、前月よりも23増えた。前年同月比の全国の歯科診療所数の動向では、40施設増加。開設者別歯科診療所数の個人は対前年同月比で426減、医療法人は463増。

高齢者雇用で企業調査「健康確保措置」必要

65~69歳の雇用確保に必要となる取り組みについて、2,988企業の34.9%が「高年齢者の健康確保措置」と回答している。労働政策研究・研修機構(菅野和夫理事長)が行った「高年齢者の雇用に関する調査(企業調査)」によるもの。調査は、東京商工リサーチの企業情報から農林漁業と鉱業、複合サービス業を除く、全国の従業員数50人以上の民間企業を2万社無作為抽出し、6,187社(30.9%)から回答を得た。

医療経営士 2級82人、3級545人が合格

日本医療経営実践協会(吉原健二代表理事)は7月19日、6月19日に実施した「第11回医療経営士2級資格認定試験」と「第18回医療経営士3級資格認定試験」の合格者を発表した。2級試験は全国で318人が受験し、82人が合格、合格率は25.8%。3級試験は1,156人が受験し、545人が合格、合格率は47.1%だった。なお、次回試験は1級の第一次試験が9月4日、2級と3級が10月16日に実施される。

歯科用磁性アタッチメントISO追補版 JIS制定に原案作成中

「歯科用磁性アタッチメントの維持力を正確かつ簡便に測定する方法」を新たに規定したISO13017「歯科用磁性アタッチメント」の追補版が昨年11月に発行され、日本で日本工業規格(JIS)制定に向けての原案作成が進められている。経済産業省が今年7月20日に発表したもので、ISO13017は日本からの国際提案により2012年に発行された国際規格。今回の追補改正に伴う取り組みは、日本歯科材料器械研究協議会(根來紀行会長)が受託した経産省の「戦略的国際標準化加速事業」の一環として行われている。

都知事選 都歯連推薦の増田氏は落選

東京都知事選挙の投開票が7月31日に行われ、東京都歯科医師連盟が推薦していた自民党の増田寛也氏は179万3,453票獲得したものの、トップの小池百合子氏に100万票以上の差をつけられて落選した。