日本歯科新聞 | 2017年5月30日付
認知症の要介護者の口腔ケア、評価求める声相次ぐ─社保審介護給付分科会
平成30年度の介護報酬改定に向けて、厚労省は24日に開いた社会保障審議会介護給付費分科会で、認知症を抱える要介護者の口腔内の状況について、う蝕等の罹患率が多い傾向にあるデータを示し、口腔機能管理の在り方の議論を求めた。日本歯科医師会常務理事の髙野直久委員は、口腔に問題があるにもかかわらず見過ごされているケースがあるのを指摘し、「かかりつけ歯科医と協力歯科医にできるだけ早い時期から情報をつなげ、必要な歯科医療や口腔衛生管理を提供する方策を検討してほしい」と述べた。また、介護関係の委員からはグループホームにおける口腔ケアの積極的な取り組みの推進を求める声が相次いだ。
「歯科の充実」を提案 経済財政諮問会議
首相の諮問機関の経済財政諮問会議の民間議員4人が「生涯を通じた歯科健診の充実、入院患者や要介護者に対する口腔管理の推進など歯科保健医療の充実に取り組むべき」との考えを提案した。23日に開かれた同会議で、伊藤元重(学習院大学国際社会科学部教授)、榊原定征(東レ相談役最高顧問)、高橋進(日本総合研究所理事長)、新浪剛史(サントリーホールディングス代表取締役社長)の4氏が提案したもの。歯科関連の話題が挙がるのは少なく、来年度に予定されている診療報酬・介護報酬改定に向けて大きな弾みになりそうだ。
厚労省の歯科医資質向上検討会、今秋にも中間報告─歯科保健医療ビジョン明記へ
厚労省の歯科医師の資質向上等に関する検討会の4回目の会合が22日に開かれ、今後の議論の進め方を審議し、過去の審議経過などを踏まえて、今秋をめどに歯科保健医療ビジョンを盛り込んだ検討会の中間報告の取りまとめを確認した。そしてビジョンには小児期、成人期、高齢期における歯科需要や地域包括ケアシステムにおける歯科診療所・病院歯科の役割、かかりつけ歯科医の役割・機能などを明記する予定。
堀日歯会長、多職種連携訴える─自民党の厚生労働部会で
自民党政策調査会厚生労働部会は17日、都内の自民党本部で、地域包括ケアにおける多職種連携の在り方について、日本医師会や日本歯科医師会など6団体からのヒアリングを実施した。日歯からは堀憲郎会長と髙野直久常務理事が出席した。
堀会長は、歯科健診が学童期まで義務化されているものの、特定健診、後期高齢者歯科健診等は任意のため、義務化を要望するとともに、任意のままでも取り組みが進むよう求めた。
岩手県歯が創立100周年
岩手県歯科医師会の創立100周年記念式典・祝賀会が盛岡市内の盛岡グランドホテルで20日に開かれた。
岩手県歯は大正6年に創立、昭和5年に夜間無料診療所開設、46年には無歯科医師地区を中心とした学校歯科巡回指導車「けんこう」号の運行を開始。平成23年の東日本大震災では会員も甚大な被害を受ける中、犠牲者の身元確認作業や避難所の対応などを行い、現在も仮設住宅等を定期的に巡回するなど一貫して県民の口腔の健康の維持・向上に努めている。
熊本県歯が創立110周年
熊本県歯科医師会(浦田健二会長)の創立110周年の記念式典・祝賀会が、熊本市のホテル日航熊本で20日に行われ、県内の行政、国会議員、県議会議員、歯科医療や医療関係者をはじめ300人以上が出席した。
なお、式典に先立ち、東京歯科大学短期大学の石井拓男学長による記念講演会「なぜ今 医科歯科連携が求められるのか?その源は幕末にあり」が行われた。
日歯、受動喫煙防止の強化求め署名運動
日本歯科医師会(堀憲郎会長)は、受動喫煙防止対策の強化・実現のための署名運動を実施する。署名は6月28日必着。5月25日に開かれた日歯定例会見で発表した。
日歯が国民向けシンポで「口腔健康管理」をPR
日本歯科医師会(堀憲郎会長)は、口腔機能管理、口腔衛生管理と口腔ケアの三つを示す「口腔健康管理」に関するシンポジウムを東京・市谷の歯科医師会館で20日に開いた。「いつまでも口から食べるための“健口づくり”」をテーマに、生活を支える歯科医療の在り方や歯・咬合維持と栄養素の摂取、認知機能の関係性、心身の自立を妨げる身体・心理・社会的フレイル等について大阪大学大学院准教授の池邉一典氏と東京都大田区開業の細野純氏、全国在宅療養支援診療所連絡会会長で医師の新田國夫氏が国民向けに講演した。
29年3月の歯科診療所数は68,913施設
厚労省の施設動態調査による平成29年3月末現在の歯科診療所数は全国で68,913施設で、前月よりも39増加した。前年同月比の全国の歯科診療所数の動向では、110施設増加。開設者別歯科診療所数の個人は対前年同月比で395減、医療法人は505増。
ヘルスデータベースの現状報告 日医が国際会議
日本医師会(横倉義武会長)は、東京都文京区の日医会館で「各国におけるヘルスデータベースの現状と課題に関する国際会議─セキュリティ・個人情報保護・データ利活用」を12日に開催した。開会あいさつで横倉会長は、世界医師会(WMA)が昨年10月に修正採択した「ヘルスデータベースとバイオバンクにおける倫理的考察に関するWMA宣言」(台北宣言)に触れ、ヘルスデータベースを利用した研究が健康、疾病の理解、予防、診断、治療的介入での有効性、効率性、安全性、質の継続的向上を加速する可能性があるとの理解の下、これを用いた研究を医師がする際には、国際規範のみならず、自国の倫理的、法的規制、規範と基準を考慮すべきとしていると指摘。同会議の意義について、アメリカ、韓国、台湾、日本の専門家が各国の現状を示し、ヘルスデータベースやバイオバンクに関する現状の課題や今後の方向性を明らかにするものとした。
平成29年1月の歯科医療費
社保、件数と点数ともに増加
社会保険診療報酬支払基金による平成29年1月診療分の総計確定件数は8,913万4千件、点数1,379億4,681万8千点で前年同月に比べ、件数は10.6、点数は3.8%増加した。歯科は1,083万件、123億4,030万7千点で、前年同月に比べ、件数は5.1%、点数は5.2%増加した。歯科の件数は21年6月に増加に転じ、東日本大震災が発生した23年3月に一度減少したが、それ以降は増加している。
国保、市町村の金額は3.1%減少
国保中央会がまとめた平成29年1月診療分の総医療費は市町村国保と国保組合、後期高齢者を合わせて2兆1,986億円で、うち後期高齢者分は1兆2,782億円だった。歯科医療費は市町村が574億円で、対前年同月比で3.1%減。組合は42億円で1.0%減。後期高齢者は420億円で7.9%増加した。
厚労省、国保の保健事業で通知─歯科保健指導なども周知
厚労省は平成29年度の国民健康保険の保健事業に対する助成について、都道府県民生主管部(局)国民健康保険主管課(部)長に通知。助成事業の効果的な実施に関わる指導および周知を求めた。
「有意義な情報交換を」 器械・材料組合が合同懇親会
日本歯科器械工業協同組合(吉川秀隆理事長)と日本歯科材料工業協同組合(中尾潔貴理事長)は23日、合同懇親会を東京・新橋の第一ホテル東京で開いた。合同懇親会に先立ち各組合の通常総会と合同講演会も開かれ、器械組合の総会では役員改選が行われ、吉川理事長は懇親会の席で全役員を紹介した。
高級感ある口腔ケア用品、ジーシーオルソリーが6月1日から発売
高級感あふれるデザイン性と新しい素材・成分を兼ね備えたスイスの口腔ケア用品ブランド「Swiss Smile(スイススマイル)」の製品を、ジーシーオルソリー(本社・東京都板橋区、高江洲義郎社長)が6月1日に発売する―。18日に東京都港区の六本木ヒルズ森タワーで開かれた日本発売記念発表会で紹介された。
愛知県歯連盟がデンタルミーティング
愛知県歯科医師連盟(渡邉正臣会長)は、デンタルミーティングを名古屋市の名古屋東急ホテルで14日に開いた。県選出自民党国会議員17人、同党県議会議員47人をはじめ、日歯連盟役員、県内の各地区連盟役員、県歯科医師会役員、県歯科医師連盟役員らが出席した。
「共謀罪」法案の採決に抗議、保団連
全国保険医団体連合会は、23日の衆議院本会議で「共謀罪」法案が自公維の賛成多数での可決されたことについて、医療現場を萎縮するとした同法の採決に抗議するとの文書を同日に発表。安倍晋三内閣総理大臣、金田勝年法務大臣へ提出した。
医療現場に捜査機関への介入が容易になれば医療現場の萎縮と混乱をまねきかねず、医師と患者の信頼関係を前提に成立している医療現場が萎縮し必要な医療提供が困難になるとし、全力を尽くして廃案にすると強調している。
日本歯科新聞 | 2017年5月16日付
歯科国試出題基準、多職種連携など充実へ─第111回から採用
厚労省の医道審議会歯科医師分科会歯科医師国家試験出題基準改定部会は、平成30年版歯科医師国家試験出題基準を8日に取りまとめた。出題基準の基本的な考え方では(1)高齢化等による疾病構造の変化に伴う歯科診療の変化に関する内容、(2)地域包括ケアシステムの推進や多職種連携等に関する内容、(3)口腔機能の維持向上や摂食機能障害への歯科診療に関する内容、(4)医療安全やショック時の対応、職業倫理等に関する内容の充実となっている。改定した出題基準は第111回国家試験から採用する。
日歯会員の平均年齢59歳6カ月─前年同時期に比べ5カ月上昇
平成28年度末(29年3月31日現在)の日本歯科医師会の会員の平均年齢は59歳6カ月で、前年同時期に比べて5カ月上昇した。会員数は6万4,665人で90人減少している。日歯の調べで分かったもの。
先発医薬品の見直しで2案─厚労省が社保審医療保険部会に
厚労省は、医療費適正化や後発医薬品の使用促進を図る観点から先発医薬品の価格や患者負担を見直す案を17日に開かれた社会保障審議会医療保険部会に提示した。(1)先発品と後発品の差額を患者負担とする、(2)先発品の薬価を後発品まで引き下げるという2案で、部会の委員からは「国民の理解が得られない」「医薬品メーカーの競争原理が働かなくなる」など否定的な意見が相次いだ。
日医、ICTリーダー養成講座を開講
日本医師会の石川広己常任理事は、ICTシステムに適切に対処できる人材育成を目的とした「メディカルICTリーダー養成講座」の開講を発表した。講座の管理・運営は「日本医師会ORCA管理機構株式会社」が行い、受講対象者は、現在もしくは近い将来に、医療機関、福祉関連施設に勤務する職員。
病院清掃の委託業者も感染防御チームの一員─東京医療保健大・菅原教授が指摘
病院清掃の委託事業者も、院内の感染防御チーム(ICT)の一員と考えるべきで、委託仕様書に感染防御に関する合意事項を明記するのが望ましい。日本赤十字医療センターの感染対策室専従感染管理担当者を長く務めた東京医療保健大学大学院教授の菅原えりさ氏が、東京都千代田区内で9日に開催された医療関連サービス振興会月例セミナーで示したもの。
歯技協、創立50周年祝う
日本歯科技工所協会(南部哲男理事長)の創立50周年記念の式典、祝賀会が、東京・新宿のハイアットリージェンシー東京で13日に開かれた。行政や歯科医療関係の来賓をはじめ、賛助会員等200人を超える出席者が同会の一層の発展を願った。
DOAC服用患者への対応─休薬させると生命のリスクも
脳梗塞や心臓病などで抗血栓療法を受けている患者が歯科受診する機会が増えてきている。日本有病者歯科医療学会など3団体は2010年に「科学的根拠に基づく抗血栓療法患者の抜歯に関するガイドライン」を発表。その結果、抗血栓薬のうちワーファリンは歯科医師の間で周知され、服用を継続したまま抜歯などの処置は普通に行われるようになった。しかし、ガイドライン発表後、新規経口抗凝固薬(DOAC)が登場し、歯科医療現場での対応に混乱が見られるようになった。抗血栓療法と外科手術との関係に詳しい心臓外科医の佐藤一樹氏に、DOACを中心に抗血栓療法の患者への歯科治療における注意点を聞いた。
経済状況の悪化で歯の喪失リスク増─東日本大震災被災者の追跡調査
東日本大震災被災者の追跡調査で、歯の喪失リスクが経済状況の悪化により8.1%、家屋の被害により1.7%高くなった。東北大学大学院歯学研究科国際歯科保健学分野の松山祐輔氏、相田潤氏らのグループによる研究で、『American Journal of Epidemiology』(2017年5月4日)に掲載された。
食欲に関わる脳内因子、広大研究グループが発見
広島大学大学院の浮穴和義教授の研究グループは、マウスを使った実験で食欲やエネルギー代謝の調節に関わる脳内因子「Neurosecretory protein GL(NPGL)」を世界で初めて発見した。過食や拒食などの摂食調節メカニズムの解明や肥満対策の創薬への応用に期待がかかる。
公取協、貸出し基準の周知図る
医療機器の事故・故障や災害などの緊急時対応等の際に企業から医療機関等に無償貸出しできる法的裏付けに基づいた「貸出しに関する基準」(=貸出し基準)について、医療機器業公正取引協議会(=公取協、松本謙一会長)は15日に都内で記者会見を開き、同基準の周知徹底をさらに推進すると訴えた。会見には2015年に発足した「貸出し基準推進強化WG」主査の内田大介氏らが出席した。
「YAMAKIN」に社名変更へ
山本貴金属地金は創業60周年を迎える7月1日より、「YAMAKIN株式会社」へと社名を変更する。
迂回裁判、「資金移動法に疑念」佐藤元日歯連盟監事
日本歯科医師連盟の迂回寄付事件で政治資金規正法違反の容疑で起訴されている髙木幹正元日歯連盟会長、堤直文元日歯連盟会長、日歯連盟(高橋英登会長)の公判が12日、東京地裁で開かれた。日歯連盟の佐藤博嗣元監事が証人として出廷し、監事を務めていた時から資金移動の手法に疑問を持っていたことをあらためて明らかにした。
薬価改定に向けヒアリング実施─中医協部会
中医協は17日、薬価専門部会を開き、平成30年度薬価改正に向けて日本製薬団体連合会、米国研究製薬工業会、欧州製薬団体連合会、日本医薬品卸売業連合会のヒアリングを実施した。
日本歯科新聞 | 2017年5月16日付
歯科口腔保健政策「全身との関係に着目し推進」─塩崎厚労相が国会で答弁
塩崎厚労相は「口腔の健康は全身の健康につながる」との認識を示した上で「口腔と全身の健康の関係に着目しながら総合的な歯科口腔保健の政策を推進していきたい」との考えを示した。4月24日に開かれた参議院決算委員会で質問した公明党の里見隆治参議院議員への答弁。
春の叙勲、古宮誠一氏旭日小綬章
平成29年春の叙勲で日本金地金流通協会会長の古宮誠一氏が旭日小綬章を受章した。
日米で覚書を締結 保健医療分野で協力
塩崎恭久厚労相は、米国のワシントンで3日(日本時間4日)、プライス米国保健福祉長官と会談し、グローバルな保健体制の強化などを目的とした「保健医療分野における協力覚書」を締結した。厚労省によると、保健医療分野で先進国と覚書を交わすのは初めて。
健保組合、7割強が赤字見込み─29年度の予算状況
健康保険組合連合会は、1,398健保組合の平成29年度予算が3,060億円の経常赤字になる見込みと発表した。前年度予算に比べると赤字額は1,688億円の増加で、組合ベースでは7割以上の1,015組合が赤字となる。
日歯HIV委員会、感染予防で冊子とリーフレット作成
日本歯科医師会のHIV感染予防対策Q&A改定作業委員会(荒木孝二委員長)は、冊子「歯科診療におけるHIV、HBV、HCV感染予防対策Q&A」とリーフレット「経皮的曝露(針刺しなど)は防げます」を作成した。4月27日の日歯理事会後の定例会見で執行部が発表した。
社保 件数と点数ともに増加
社会保険診療報酬支払基金による平成28年12月診療分の総計確定件数は9,400万3千件、点数1,420億9,835万8千点で前年同月に比べ、件数は7.2%、点数は0.9%増加した。歯科は1,160万件、134億6,934万1千点で、前年同月に比べ、件数は4.4%、点数は4.0%増加した。歯科の件数は21年6月に増加に転じ、東日本大震災が発生した23年3月に一度減少したが、それ以降は増加している。
国保 市町村の金額は5.7%減少
国保中央会がまとめた平成28年12月診療分の総医療費は市町村国保と国保組合、後期高齢者を合わせて2兆2,467億円で、うち後期高齢者分は1兆2,972億円だった。歯科医療費は市町村が637億円で、対前年同月比で5.7%減。組合は46億円で1.9%減。後期高齢者は475億円で4.7%増加した。
支払基金、歯科の審査情報提供事例を公表
社会保険診療報酬支払基金は、「月刊基金」4月号による審査情報提供事例で、医科3、歯科4の事例を選定、公表した。歯科の同事例は、平成23年6月設置の「審査情報提供歯科検討委員会」が情報提供事例と併せ、審査上の一般的な取り扱いに関わる事例について情報提供しているもの。
歯科技工士法違反事件、「毅然と対応」日技が見解
日本歯科技工士会(杉岡範明会長)は、8日の大阪府吹田市における歯科技工士法違反事件に関する報道についての見解を10日に発表。1955年の会設立以来、歯科技工士法の遵守と無資格者による歯科技工の防止を訴えてきており、今後も厚労省の通知に沿って、国民歯科医療の安全と安心のために歯科技工士法違反には毅然と対応していくとした。
受動喫煙防止で署名運動、日医が6月下旬まで実施
日本医師会(横倉義武会長)は10日の定例会見で「受動喫煙の防止対策を強化・実現するための署名」運動の実施を発表した。医療機関の待合室などに署名用紙を置き、患者やその家族らにも呼びかける予定で6月下旬までに200万~300万人分を集めたい考えだ。署名は首相官邸や厚労省や衆参の両議院議長らに提出する方針。
29年2月末歯科診療所─6万8,874施設
厚労省の施設動態調査による平成29年2月末現在の歯科診療所数は全国で6万8,874施設で、前月よりも2増加した。開設者別歯科診療所数の個人は対前年同月比で344減少し、医療法人は487増加している。
グローバルな抗菌薬耐性菌への対応へ─WHOの会議にFDI関係者が出席
世界歯科連盟(FDI)は、抗菌薬の乱用による耐性菌の発生リスクに対応する取り組みを進めている。3月23、24の両日、世界保健機関(WHO)がジュネーブの本部で開催した「医療従事者への抗菌薬耐性菌に関する教育体制検討会」に、FDIから英国歯科医師会のスージー・サンダーソン博士が歯科医師代表として出席。
抜歯で急発するHAE─秀 道広広島大学医学部長が注意喚起
顔面、特に口唇、舌、眼瞼などに強い深部浮腫を繰り返す難病で希少疾患の遺伝性血管性浮腫(HAE)は、抜歯や手術がきっかけで起こるとされ、喉頭などで起こると窒息で死亡するケースもある。HAEに取り組んでいる皮膚科医で、広島大学医学部長の秀道広氏が現状について注意喚起した。HAEの治療薬を製造している国際的製薬メーカー、シャイアーの日本法人シャイアー・ジャパン(東京都千代田区、グレン・スノハラ社長)が9日に開いたプレスセミナーで述べたもの。
新たな生体組織用接着材、岡山大らが発表─フィブリン系の2倍の接着力
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科生体材料学分野の松本卓也教授、岡田正弘准教授、大阪大学、物質材料研究機構の共同研究グループは、ハイドロキシアパタイトを使って市販のフィブリン系接着剤の2倍以上の接着力を持つ生体組織用接着材の開発に成功した。同研究成果は国際科学雑誌『Acta Biomaterialia』オンライン電子版(5月5日)に掲載された。
刺傷事件受け防犯体制強化─東医歯大病院
東京医科歯科大学の歯学部附属病院で9日、41歳男性の非常勤歯科医師が刃物で刺される事件が起きた。これを受け、同大は病院内で職員および学生の身分証提示の徹底や、警備員の増員などセキュリティーチェックの強化措置を取っている。
介護予防での口腔機能向上活動を推進─厚労省研究班、全国で使えるマニュアル作成
全国の市町村で口腔機能向上および栄養改善の取り組みが円滑に実施できるように、厚労省の研究班が「介護予防・日常生活支援総合事業における口腔機能向上及び栄養改善に向けた取組の導入ガイド」(マニュアル)を作成した。この「介護予防・日常生活支援総合事業における口腔機能・栄養・運動複合型プログラムを用いた住民参加型介護予防活動に関する調査研究」研究班は九州歯科大学准教授の福泉隆喜氏が研究代表者を務めており、3月に事業報告書を取りまとめ、公表した。
デジタル技工時代、石膏模型作製の在り方─歯科理工学専攻の木下英明氏に聞く
CAD/CAMや3Dプリンターの活用など、歯科技工の世界ではデジタル化への移行が急速に進んでいる中、複模型作製の重要性が指摘されている。さらに複模型の作製に当たって使用される石膏模型材料に対し、これまでの作製の在り方では問題という声も一部上がっている。東京歯科大学で教鞭を取り、CAD/CAM、そして歯科材料の知識にも詳しい木下英明氏に、なぜデジタル技工において正確な石膏模型の作製が必要なのか、どういった点に配慮しなければならないのかなどの話を聞いた。
医院デザインフェア、1,123人来場
歯科医院の空間づくりに役立つ設計や内装、家具、看板等を提案した「医院デザインフェア2017」が13、14の両日、東京・秋葉原のUDX GALLERYで開かれ、歯科医療従事者ら1,123人が来場した。主催は日本歯科新聞社。
堀日歯会長、財源的支援の文言を評価─厚労省・検討会報告書の歯科記載で
日本歯科医師会の堀憲郎会長は、厚労省が4月上旬に公表した「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会報告書」に盛り込まれた歯科への財源的支援の必要性について「高く評価する」との認識を示した。4月27日の理事会後の定例会見で述べたもの。
日刊紙らを招き記者懇─日歯連盟
日本歯科医師連盟(高橋英登会長)は4月27日、日刊紙らの記者を招いての懇談会を都内のグランドヒル市ケ谷で開いた。
厚労省、薬価制度改革に向けた論点提示
厚労省は、次期薬価制度改革に向けた今後の検討課題を4月26日に開いた中医協薬価専門部会に提示した。
日本歯科新聞 | 2017年5月9日付
保険者のインセンティブ、共通指標に歯科健診
健康保険組合など保険者の予防・健康づくりにおけるインセンティブについて、平成30年度から共通指標の一つとして歯科健診が入る。厚労省が4月26日に開いた社会保障審議会医療保険部会に資料として提示したもの。国民健康保険などでは28年度から前倒しでインセンティブの評価指標として歯周疾患(病)検診などを活用している。
次期介護報酬改定、社保審で議論スタート
厚労省は4月26日、社会保障審議会介護給付費分科会を開き、平成30年度介護報酬改定の議論をスタートさせた。日本歯科医師会常務理事の髙野直久委員は、医療と介護の連携の充実を訴えた上で「歯や口腔の問題が放置されることがないように制度の充実を図ってほしい」と要望した。
歯科国試の予備試験の日程発表
厚労省は1日、外国の歯科医師免許取得者らを対象にした平成29年度歯科医師国家試験予備試験について、学説試験第1部を6月29日、第2部を9月14日、実地試験を12月12、13の両日に実施すると発表した。学説試験第1部試験の合格者は7月31日、学説試験第2部試験の合格者は10月23日、実地試験の合格者は12月25日に通知する。
岡山県歯─現職の酒井氏、無投票で当選
任期満了に伴う岡山県歯科医師会の会長予備選挙の立候補者届出が4月28日に締め切られ、現職の酒井昭則氏が無投票で当選した。
中医協で入院医療の在り方議論
厚労省は4月26日、中医協総会を開き、平成30年度診療報酬改定に向けて入院医療の在り方を議論した。
熊本地震から1年 現地をまわって
最大震度7を記録した熊本地震発災から1年が過ぎた。2017年4月13日現在の人的・建物被害は、非常災害対策本部の資料によると、関連死も含めた死者が228人、重傷1,149人、軽傷1,604人、全壊8,697棟、半壊3万4,037棟、一部破損15万5,902棟に及んでいる。歯科関係では、いまだ仮診療をしている先生や県外への移転を余儀なくされた先生、町の復興計画が診療に影響する可能性のある先生もいる。
Medtec Japan 2017
医療機器の設計・製造のアジア最大の展示会「Medtec Japan 2017」が、東京の東京ビッグサイトで4月19~21日に開かれた。昨年の504を上回る544社・団体が出展。「医療用エレクトロニクス」、「医療ICT」、「介護・福祉ロボット」などの専門展示会も併催され、医療機器の開発・研究の関係者ら3万2,561人が来場した。主催はUBMジャパン。
医機連とAPACMed、基本合意を締結
日本医療機器産業連合会(=医機連、中尾浩治会長)は、シンガポールに拠点を置く医療機器や体外診療用薬品等の産業団体・アジア太平洋医療技術協会(=APACMed、Fredrik NybergCEO)との基本合意(MOU)締結式を4月25日に東京都千代田区の日本医療機器テクノロジー協会の会議室で開いた。締結式には中尾会長とNybergCEOが出席し、両国・地域の医療機器の規制整合化などを目的とした覚書に調印した。今後アジア太平洋地域を含む国際連携を強めていく方針。
堀氏が24人理事候補提出─日歯役員選挙
任期満了に伴う日本歯科医師会の次期理事候補者と監事立候補者の届け出が4月26日に締め切られた。理事候補者は、会長予備選挙当選者の堀憲郎氏が自身も含む24人の候補者を届け出た。
報告書の作成状況を説明─迂回寄付裁判で日歯連盟職員
日本歯科医師連盟の迂回寄付事件で政治資金規正法違反の容疑で起訴されている村田憙信・元日歯連盟副理事長の公判が4月20日、東京地方裁判所で開かれた。